▲大人にとって時の流れというのは速いもので、「やっと秋か……」なんて思ってるうちにとっとと冬がやってきます。その前に、雪に覆われた秘湯とかにも難なく繰り出せる4WDが欲しいものです ▲大人にとって時の流れというのは速いもので、「やっと秋か……」なんて思ってるうちにとっとと冬がやってきます。その前に、雪に覆われた秘湯とかにも難なく繰り出せる4WDが欲しいものです

「シュッとした輸入4WDなのに安い」という虫がいい現実

若干気が早いかもしれませんが、「光陰矢のごとし」なんて言葉もあるように、冬はもうすぐそこです。そうなると冬場のアクティビティに備えて欲しくなるのが、多少の雪道も苦にすることなく行きたい場所へスムーズにたどり着ける「4WD車」です。

とはいえ多くの人は比較的雪の少ない都市部にお住まいかと思いますので、4WDといってもゴリゴリのクロカンタイプではなく「基本オンロードでの使用を前提としたシュッとしたタイプ」のほうが向いているでしょう。それも、できれば洒落た感じの輸入ブランドを、まずまず手頃な予算で入手できるなら言うことなしです。

でも、「メカ的に複雑な4WD」で、なおかつ「洒落た感じの輸入ブランド」の車を、「まずまず手頃な予算で入手する」なんていう虫がいい話、果たして存在するのでしょうか? それが実はあるんです。BMWのコンパクト・クロスオーバーである旧型X1の相場が、今まさにそんな様相を呈しているのです。

▲こちらが旧型BMW X1。これの4WDグレードが今、なかなかのお値打ち相場なのです! ▲こちらが旧型BMW X1。これの4WDグレードが今、なかなかのお値打ち相場なのです!

走りが良くて立体駐車場もOKという万能クロスオーバー

よくご存じの方も多いかもしれませんが、初代BMW X1は10年4月から15年9月まで販売された小型SUV。「X1」という車名から「1シリーズをベースに作ったSUVかな?」と思われがちですが、実際は3シリーズの車台がベースになっています。駆動方式はFR(後輪駆動)と4WDの2種類があり、それぞれ車名が異なります。後輪駆動の車名は「sDrive ○○i」で、4WDは「xDrive ○○i」となっていますので、まずはそこで見分けをつけてください。

搭載されているエンジンは、初期モデルは2Lの直4ターボと3Lの直6ターボでしたが、12年途中から3L版は廃止され、その後はすべて2L 直4ターボになっています。とはいえ同じ2Lターボでもチューニングやターボの違いにより何種類ものグレードに分かれてますので、ちょっとややこしいです。

でも、ざっくりと「車名の数字が大きいほどエンジンパワーが高い」と覚えておけば大丈夫。18iより20i、20iより25i、25iより28iの方がパワフル……という簡単な話です。好みや考え方にもよりますが、基本的には18iでもフツーに走る分には十分ですし、20iであれば十分以上、25iと28iは「けっこう速い!」みたいに感じるのではないかと思います。

▲クロスオーバーとはいえ、基本的にはオンロードでの気持ち良さを重視しているBMWのSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)ですので、こういった峠道も得意ジャンルの一つです ▲クロスオーバーとはいえ、基本的にはオンロードでの気持ち良さを重視しているBMWのSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)ですので、こういった峠道も得意ジャンルの一つです

走行感覚はBMW 3シリーズにも通じる安定感が高いもので、そのしっかりとした感じには、おそらく大半の人が「なるほど、これが欧州車の乗り味ってやつか!」と感じ入るでしょう。そしてxDriveに採用されている4WDシステムも、さすがにラリーカーのように「どんな豪雪も物ともしない!」なんてことはありませんが、普通の雪道をフツーにゆっくりめに走る分には十分な安定感を発揮してくれます。普段は街乗りが中心で、冬場はたまに秘湯に出かけたい……なんて使い方を考えている人には最高でしょう。

その他、さすがはBMWということでインテリア全般に高級感が漂っている点に加え、クロスオーバーでありながら全高は1545mmですので、「日本の大半の立体駐車場に入れることができる!」というのも、旧型BMW X1のシブい魅力の一つです。

▲同時期のBMW 3シリーズや1シリーズとほぼ共通する雰囲気となる旧型X1のコックピット。ステアリングホイールやシフトレバーなどの質感や手触りもいちいち上質です ▲同時期のBMW 3シリーズや1シリーズとほぼ共通する雰囲気となる旧型X1のコックピット。ステアリングホイールやシフトレバーなどの質感や手触りもいちいち上質です

4WDでも200万円弱。そして150万円前後の2WDも悪くない

さて、そんな旧型BMW X1の4WDグレードである「xDrive○○i」が今、冒頭付近で申し上げたとおりけっこうお買い得な状況になっています。新車価格はおおむね430万から560万円ぐらいだったxDrive系ですが、現在は車両価格100万円台でその中古車を探すことができるんです。実際の価格は様々ですので一概に言うことはできませんが、イメージとしては「走行2万km台から4万km台ぐらいの11年式X1 xDrive 25iが車両価格190万円」みたいな感じです。

総額で考えると200万円をちょっと超えるかもしれませんが、旧型BMW X1という車自体のクオリティ、そして中古車としてのクオリティから考えると、このプライスはかなりのお値打ちかと思うのですが、どうでしょうか。

ちなみに「さらに手頃な予算で手に入れたい!」という場合は、4WDではなく後輪駆動にはなりますが「sDrive○○i」を探すのも悪くないと思います。そちらなら車両価格150万円前後で、走行3万km台ぐらいの11年式sDrive18iが探せるでしょう。雪道での走行性能はさすがにxDriveより劣りますが、前後重量配分がほぼ50対50というバランスの良い車なので、スタッドレスタイヤを履いたうえで「冬場、秘湯へ行く回数は少なめですよ」という使い方をするのであれば、もしかしたらお手頃なsDrive系でも十分かもしれません。

いずれにせよ前のめりな検討に値する旧型BMW X1ですので、秋の間にぜひお考えください。

▲旧型BMW X1という万能型クロスオーバーで、ぜひ「行動の自由」ってやつを獲得してください! ▲旧型BMW X1という万能型クロスオーバーで、ぜひ「行動の自由」ってやつを獲得してください!
text/編集部
photo/BMW