iPhoneは6Sでも十分以上。だから輸入車も「旧型」でいい
カテゴリー: クルマ
タグ: メルセデス・ベンツ / BMW / アウディ / A4 / Cクラス / 3シリーズ / EDGEが効いている / EDGE SELECTION
2016/09/23
iPhone7の発表4日前に「6S」を買うハメになったが
9月8日(日本時間9月7日)に発表されたAppleの次世代スマートフォン「iPhone7」。筆者もiPhoneユーザーの1人として発表を心待ちにし、発売と同時にiPhone6から買い替えるつもりでいた。しかしそのわずか4日前、筆者のiPhone6は突然死した。
フリーランサーにとって、スマホが死ぬということは自分が死ぬ(仕事の連絡が取れず飢え死にする)ことを意味するため、わたしは泣く泣く「新型発表のわずか数日前」という絶妙すぎるタイミングで、数日後には型遅れとなる運命の旧式iPhone6Sをそれなりの金額で購入した。悲しかった。世の中のすべてが嫌になり、希死念慮にかられた。
しかし「旧式」であるはずのiPhone6Sを使いはじめると、実はそこには何の問題も存在していないことがわかった。
たしかに「できること」や「その処理速度」などを比較すれば、最新モデルであるiPhone7の方が圧倒的に優勢なのだろう。しかし筆者のようなごくフツーの使い方、すなわち「電話する」「メールする」「写真を撮る」「スワローズのチケットを予約する」「たまにエッチな画像を見る」程度の作業であれば、iPhone6Sでも十分というか、十分以上の素晴らしいクオリティで仕事をしてくれる。そりゃiPhone7であればさらに快適なのだろうが、6Sでも十分以上に快適だ。そして型遅れということで安かったし。
わたしは「これでいいのだ」と、バカボンパパのように胸を張った。生きる意欲が湧いてきた。
そして同時に思ったのが、「車もこれと同じなのかもしれない」ということだった。
ごく普通に使うなら、車もケータイも無理に「最新」を追い求める必要はない
中古車愛好家を自負する筆者であっても、やはりiPhone7的な「超最新の輸入車」に興味がないといえば嘘になる。できることなら超最新世代の何かを手に入れ、現代テクノロジーの粋を身体全体で堪能したり、下世話な話で恐縮だが、婦女子のみなさんから「キャーステキ!」とか言われたいとは思うわけだ。
しかしその車でレースに出たり、どこかのVIPの運転手を務めるのではなく、ごくフツーの使い方、すなわち「ちょっとそこまで行く」「隣の県まで取材に行く」「たまに隣の隣の隣の県ぐらいまで旅行する」程度の使い方であるならば、iPhone6S的な車、つまり「1世代前のモデル」であっても十分というか、十分以上の素晴らしい仕事をしてくれるのではないかと思うのである。
ということでわたしは無闇やたらと超最新世代の輸入車を追うことをやめ、iPhone6S的な「1世代前だけど、いまだ十分魅力的なモデル」を探すことにした。
様々な候補が考えられるが、例えばそれはそれぞれ旧型のメルセデス・ベンツ CクラスとBMW 3シリーズ、アウディ A4あたりだろうか。「スタイリッシュで機能的、そして高級感もある」というiPhone6Sの特徴に近いものが、これらドイツ車にはある気がしてならない。よし、わたしはCクラス並びに3シリーズ、A4のそれぞれ旧型モデルを探すことにしよう。最新世代じゃなくていい。それでいいのだ。
もちろん、筆者が購入した時点ではまだ新品のストックがあったiPhone6Sと、今から買うとなると必然的に中古車しか探せないそれらドイツ車を、まったくの同列で語ることはできない。が、「走行2万km以下」ぐらいの条件を付けて探せば、新車同様とはいかないまでも、それになんとなく近いニュアンスの個体は探せるのではないだろうか。
問題は、「走行2万km以下でなおかつお手頃価格」みたいな旧型C/3/A4それぞれの中古車がそもそも存在しているのか……ということだが、カーセンサーnetの絞り込み検索でいろいろポチポチやってみると、数多くの「走行2万km以下のお手頃物件」が今なお存在していることがわかった。生きる意欲が湧いてきた。
旧型であれば走行2万km以下の物件もかなりお手頃プライス
具体的かつ個別に見ていこう。例えば旧型メルセデス・ベンツ Cクラスであれば、車両価格180万円前後で11年式ぐらいのC200ブルーエフィシェンシー アバンギャルドを見つけることができる。走行距離は1.8万kmとか、だいたいそのぐらいだ。
「でもW204(旧型Cクラス)の前期型は内装とかの質感がちょっとなあ……」というのであれば、車両230万円前後で12~13年式付近のC180ブルーエフィシェンシー アバンギャルドを狙えば良い。これまた走行距離1万km台の個体を探せるはずなので、中古車としてのクオリティには何ら問題はない可能性は高い。
旧型BMW 3シリーズ狙いで行くのであれば、狙い目は車両価格160万円前後の11年式320iか、あるいは同11年式の320iツーリングだろう。現行F30世代と一緒にサーキットに持ち込んで厳密な走行テストをすれば、新旧の性能差は明らかなのだろう。しかしこれ単体でフツーに運転している限りはそんなことはいっさい気にならない、素晴らしいスポーティセダンおよびステーションワゴンである。
旧型アウディ A4がお好みの場合、Cクラスや3シリーズと比べて流通量はやや少なめになるが、それでも車両価格200万円前後で09~10年式の2.0 TFSIクワトロを探すことはできる。こちらも走行距離は1万km台ということで、現役感は依然バリバリだ。ステーションワゴンのA4アバントもイケるが、こちらはこの条件下ではやや流通量が少なく、車両価格も230万円前後が中心。それでもOKなら、もちろん素晴らしい選択肢だ。
もちろん輸入車でもiPhoneでも、「最新型を手に入れたい!」という気持ちの正体は「その性能をフルに使いきりたい!」ではなく、「ただただ新しいのが欲しい!」という男のロマン的な何かである場合も多い。それゆえ筆者は「最新世代の輸入車に乗りたい!」と思う人の気持を否定するものではない。逆に「どんどん買えばいいし、わたしだって買いたいですよ!」ぐらいに思っている。
ただ、もしもそこにはさほど興味がなく、あくまでも実益重視の「普通に使えて、それなり以上にイイ感じの雰囲気であれば、それで全然OKですよ」という考え方でいくのであれば、新車では500万円やそこらはする数年落ちのイケテル車たちが、この値段で買えるiPhone6S的な「1世代前の好条件ドイツ車」は絶妙すぎる選択肢となるはずなのだ。
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