'66 FORD MUSTANG

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2014年11月7日、日本のモータージャーナリズムの巨匠、徳大寺有恒氏が他界されました。日本の自動車文化に多大な貢献をされた徳大寺さんを偲び、カーセンサーEDGEに約5年にわたり連載された「VINTAGE EDGE×徳大寺有恒」を美しい写真と巨匠の一言とともに振り返ります。今回は、「'66 FORD MUSTANG」、「'77 FERRARI Dino 308gt4」、「'94 JAGUAR XJ220」、「'69 ALFA ROMEO GT1300 JUNIOR」です。実際に掲載された記事をPDFで公開しています。

【'66 FORD MUSTANG】クルマには「憧れ」が大事だと教えてくれるクルマだね

'66 FORD MUSTANG

手の出しやすい価格帯、スポーツ性能、斬新でスタイリッシュなデザインと、それまでの常識を覆す戦略で大ヒット作となった初代マスタング。64年のデビュー時はクーペとコンバーチブルの2種類で、65年から特徴的なルーフラインを持つファストバックを追加。エンジン、トランスミッション、快適装備など、あらゆることが選択可能な「フルチョイスシステム」を採ったことも大ヒットの要因となった。以後、同じ手法、同じカテゴリーのライバルが登場し、「スペシャリティカー」という新しいジャンルを作り出した。



【'77 FERRARI Dino 308gt4】 次世代に伝えようというオーラが漂うのは本物の証し

'77 FERRARI Dino 308gt4

1969年に登場したディーノ246GT/GTSのおかげでユーザー層を広げたフェラーリが次なる一手として送り出した2+2シーター。現在のV8フェラーリのルーツとも言える存在で、後席を用意することで利便性も高められていた。現代車では実現不可能な美しいデザイはマルチェロ・ガンディーニの手によるもの。ただ、当時の人々にはこのデザインは受け入れられず、75年に発表された308GTBに話題をさらわれてしまう。デビュー時はディーノ308gt4、のちにフェラーリ・ディーノのダブルネームとして発売されていた。



【'94 JAGUAR XJ220】 当時のメーカーはロマンを売ることも忘れてなかった

'94 JAGUAR XJ220

1988年のバーミンガムショーにて発表されたXJ220。その時点では6L V12エンジンを搭載し、フルタイム4WDを採用するとアナウンス、開発が進められていたが、その後重量の問題などでその方針は変更される。最終的にはV6ターボ、後輪駆動に仕立て直され発売されたのだが、この仕様変更が開発の遅れに繋がり、発売が開始されたのは92年頃。日本ではバブル崩壊後にあたってしまったため、販売は苦戦を強いられた。同世代のスーパーカーに比べ、内装などの高級志向が強いのが特徴。



【'69 ALFA ROMEO GT1300 JUNIOR】 今の時代に足りないものを感じさせてくれるね

'69 ALFA ROMEO GT1300 JUNIOR

1962年から製造されたジュリア・スプリントGTが大ヒットとなったアルファロメオが、より若者向けの車を必要とし生産したのが1300ジュニアである。2基のツインチョーク・ウェバー付きの1290ccエンジンを積み、当時としてはまだ珍しい5速MTを採用。最高速度は170km/hとアナウンスされていた。当時のアルファロメオがどのような車作りをしていたのかが分かる車であり、その特徴的なデザイン、軽快な乗り味から傑作車として評価する人も多い。生産は66年から77年までで、今回の車両は69年式となる。