【伊達セレクション】異端の中古車評論家・伊達軍曹、「車はエンジンだ!」と言い切る
カテゴリー: クルマ
タグ: EDGEが効いている / EDGE SELECTION
2013/11/28
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BMWのライバルはM・ベンツじゃない、電車とバスだ!
車雑誌では昔から「激突! M・ベンツ vs BMW」的な特集がひんぱんに展開される。それらブランド同士がライバル関係にある、ということなのだろう。しかし、筆者に言わせればそれはナンセンスで、ベンツ党はBMWのことを別にライバルとは思っていない場合が多く、逆もまた真なりである。それぞれの者が、それぞれの好みに応じて好きな車に乗っているだけで、ライバルうんぬんは出版社側の幻想にすぎないのだ。
しかしたしかに、例えばBMWにとってのライバルは、存在するといえばする。それはベンツでもアウディでもなんでもなく、電車あるいはバスである。自転車も、そうかもしれない。BMWに限らず車は今、他ブランドではなくそれらの乗り物に「勝つ」必要があるのだ。
郊外の場合はさておき、大都市中心部に住んでいる者にとって自家用車は「なくても構わないモノ」の筆頭格である。どこかに行こうと思えば公共交通機関で用は足り、むしろそのほうが時間が読めて便利だったりもする。また流しのタクシーも多く、ワンメーター程度であればそれを利用するのも贅沢病とはいえまい。
となれば「ま、自家用車とか、なくてもいっか」と思うのが人情であり、さらに市場で販売される車の大半が金太郎飴のごとく没個性的であるなら、より一層「なくてもいっか」は促進される。
そうして排気ガスを出す自動車というものの数が減るのは、もしかしたら好ましいことなのかもしれない。しかし、一人の自動車愛好家としてはやはり寂しいものがあるわけで、「電車もバスもいいけどさ、たまには金太郎飴的ではないステキな車を自分で運転したいものだよね」などと啓蒙活動をしたくなる。
死ぬまでに一度は体験してほしい、神々しいまでの名エンジン
その啓蒙活動を成功させるには、さしあたってのライバルである電車やバスにはない「自動車だけが持つ魅力」をアッピールすることが、これ重要となるだろう。
それは様々考えられるが、筆者が最も重要と考えるのは「エンジン」である。名機と呼ばれる自動車用エンジンの、あの独特の鼓動と、それによりもたらされる昂揚感のようなもの。電気モーターで動かされる通勤電車や鈍重なディーゼルエンジンを搭載する路線バスに乗っていては絶対に味わえない快感。それを知ったとき、人は「これだけ気持ちいいなら、あえて駐車場代を毎月払おうかな」と思うのだ。
……と、ここまでを読んで「こいつ何言ってんだかよくわかんねーな」とか、あるいは「わからんでもないけど、エンジンひとつでそこまで?」と思った方もいるかもしれない。そういった方に、筆者からひとつだけ申し上げる。
貴殿らは知らないのだ。アルファロメオ製エンジンの、人をある種狂わせる甘美な回転感覚を。フェラーリ製V8あるいはV12の、人をF1パイロットと勘違いさせてしまうほどの神々しさを。BMW M製6気筒の、緻密なんだか野蛮なんだかよくわからない、でも明らかにワン・アンド・オンリーなあの感触を。
幸いにして中古車であれば、そういった「神々のエンジン」を比較的安価に手に入れることができる。いやむしろ、様々な合理化が進んでいなかった時代の、つまり中古車に搭載されているエンジンのほうが、最新のそれよりも「神」であるケースは多いものだ。
ということで、今回の伊達セレクションはずばりこちら。
「神のエンジン」を積む車、体験してみませんか?
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