ランチアデルタインテグラーレ|伊達セレクション
写真上は伊達私物の94年式ランチアデルタHFインテグラーレEVOⅡ。まだ購入後1500kmしか走っていないため断定的なことは言えないが、少なくともこの夏は完全に無事に乗り切った。気温34℃の日の渋滞でも水温などに問題なし。写真下も伊達私物だった88年式シトロエン2CV。所有中のトラブルといえば外装のモールが走行中にはがれてしまっただけで、そのほか、これといったトラブルは一切発生せず。
シトロエン2CV|伊達セレクション
●伊達軍曹公式サイト「伊達軍曹.com」
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輸入車界に伝説の「ツチノコ」は存在するか?

ツチノコという生物がこの世に存在しないことは99.999%確定しているわけだが、輸入車の世界にはある種のツチノコが跋扈している。それは「だって、マニアックな輸入車ってすぐ壊れるじゃん」という言説だ。

なぜそれが「ツチノコ」なのかと言えば、わたしを含むほとんどの輸入車マニアは“それ”を実際に見たことがないからだ。「マニアックな輸入車はすぐ壊れる? それってどこの惑星の話ですか?」というぐらいに実感のわかない話である。

いや、この話に補足は必要だろう。もちろん、あえて車名を挙げるが、例えばシトロエンXMやクーペフィアットなどは「直しても直しても・・・」ということも十分考えられる。しかし、そういった類の車は、XMとクーペフィアットに限らず今や市場原理により淘汰され、マーケットから消えつつある。

そうではなく、それなりの数がそれなりのプライスで今なお流通し、それに乗るユーザーも結構多く、かつ「専門店」が存在するジャンルの輸入車は、そう簡単には壊れないと思っていい(ま、たまには壊れますけどね)。事実、わたし自身の例で言えば、

・M・ベンツ190E 2.3-16
・アルファロメオ アルファGTV
・シトロエン2CV
・ランチア デルタHFインテグラーレEVOⅡ

といった、前述の条件に合う車に乗ってきたわけだが、故障らしい故障(消耗品の劣化による不調ではない、何らかの突発的な不調)は1回もなかった。

2つの「愛の力」がツチノコの存在を否定する

しかしそれも、考えてみれば当たり前の話なのだ。こういった車が“中途半端な年式”だった頃は玉石混淆だったわけだが、ずいぶん古くなったと言える現在まで(鉄クズとして処分されずに)生き残っている個体というのは、大きく分けて以下2つの「力」を与えられているからだ。

・歴代オーナーの強烈な「愛情」=ていねいな取り扱いと頻繁なメンテナンス
・専門店による様々な「対策」=弱点の補強や新たな整備技法の開発など

車が「鉄とゴムと油と水でできていて、それを燃料や電気で走らせる機械」である限り、いかにマニアックなモデルであっても、ちゃんと整備してやればちゃんと走る。無論、ちゃんと走らない車種も残念ながら存在したが、そういったモデルは前述したように自然と淘汰され、眼前から消えていく。で、一定数以上のファンがついているマニアック系であればあるほど、一般的なモデルよりも高濃度な整備を受けてきた可能性は高い・・・という簡単な話である。

そういった意味で、「ツチノコ」はやはり存在しないのだ。UMA(未確認生物)愛好家は残念がるかもしれないが。

ということで、今回の伊達セレクションはずばりこちら。
伝説のツチノコはいない。だから、迷わず行けよ。行けばわかるさ。

文・伊達軍曹 text/Sergeant DATE