フィアット パンダ
写真上は1999年まで販売された初代フィアット パンダ。最高出力50psの非力なエンジンだったが、740kgという軽さの恩恵で、その身のこなしを「鈍重」と感じることはなかった。その後のコンパクトカーは安全基準の関係でどんどん大型化し、ここまで軽量なものはない。が、例えば現行型フィアット 500の1.2L 8Vラウンジは1020kg。「チーム1t以下」に加入するには20kg超過しているが、それでも、その身のこなしは見た目以上に軽快だ
フィアット 500
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車両重量1t以下という宝物

様々な創意工夫によるハイパワーとエコ性能の両立、あるいは最新電子技術のフル活用によるファン・トゥ・ドライブ性と安全性の共存。各国自動車メーカーらはその知恵を絞り、今日もウルトラ魅力的な最新モデルをリリースしている。車好きとしては本当にありがたいことであり、頭が下がる思いである。

が、そういった最新モデルをモア&モアな昭和的精神で追い求めることを否定するわけではないが、「引き算の美学」のようなものを車選びに取り入れてみるのも、2012年的にはひとつのおしゃれ道であろう。

どういうことかと言えば、「とにかく車重1t以下の車」を探してみるのだ。

車重軽いは七難隠す!

その昔、比較的コンパクトな車の車重は1tを少々割るのが一般的だった。そしてそれら「チーム1t以下」は、本当の本当に動きが軽快であった。

例えばの話、不肖伊達が昔乗っていたルノー 5バカラの場合で890kg。「非力」といって差し支えない1.7LのOHVエンジンだったが、車の動きはひたすら軽快かつシャープで、ドライバーとしてはつい鼻歌を歌うほかなかった。女性に対する「色が白いは七難隠す」という、今の時代ジェンダー差別的にどうなのか?という言葉があるが、車の場合は「車重軽いは七難隠す」なのである。

もちろん、その後の自動車における重量増加は、衝突時の安全性確保や、様々な役立つデバイスなどを車載したがゆえであり、仕方のないことだ。っていうかむしろ歓迎するのが筋というもの。「肥満!」などと安易に言ってはイケナイのである。

が、それはそれとして、車重1t以下の車だけが我々に与えてくれるヨロコビを、むざむざ捨てることもない。今でも探せば結構あるのだ、車重1t以下の車は。いや「1000kg以下」と厳密に区切ると、中古車ならぬ「大古車」がメインになってしまう恐れもあるため、ここはひとつ若干の規制緩和をして「車重1050kg以下」という微妙な線で区切りたい。トランスミッションはMTがベターだが、このぐらい全体が軽ければATでも十分楽しめるだろう。いやホント、非力なエンジン+トルコンATでも、最近の重い車に慣れた身にはちょっと信じられないほど軽快で、笑っちゃうほどの「身動き」が堪能できるのが1t以下、いや「チーム1050kg以下」なのである。

ということで、今回の伊達セレクションはずばり・・・
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文・伊達軍曹 text/Sergeant DATE