▲往年のビートル(フォルクスワーゲン タイプ1)のエッセンスを現代に蘇らせたフォルクスワーゲン ザ・ビートル。その初期年式がずいぶんお手頃価格になってること、知ってました? ▲往年のビートル(フォルクスワーゲン タイプ1)のエッセンスを現代に蘇らせたフォルクスワーゲン ザ・ビートル。その初期年式がずいぶんお手頃価格になってること、知ってました?

前身の「ニュービートル」と比べて各部は大幅に進化

ありきたりではない、良い意味でクセがあるデザインのしゃれた輸入車を、100万円台ぐらいの手頃な予算で入手したい。でも「100万円台ぐらいの手頃な予算」だからといって年式的に古い車はイヤで、できるだけ高年式な車がいい。……そんなワガママな願いは普通なかなか叶わないものですが、とある輸入車が今、まさにそんな願いを叶えられる状況になっています。

とある輸入車というのは「フォルクスワーゲン ザ・ビートル」です。

ザ・ビートルは、旧型ゴルフのシャシーを利用して作られた派生モデル。その車名のとおり、デザインモチーフとなっているのは日本でも60年代から70年代にかけて大ヒットしたドイツの国民車「ビートル」ことフォルクスワーゲン タイプ1です。初代ビートルのデザインエッセンスを受け継いだ車として99年から10年まで「フォルクスワーゲン ニュービートル」という車が販売されていましたが、ザ・ビートルはさらにその進化版として12年4月に登場したモデルです。

どのように進化したかといいますと、元となるシャシーは2世代分そっくり新しくなり、パワートレインは最新の1.2L TSIエンジン(ダウンサイジング直噴ターボ)+7速DSG(デュアルクラッチトランスミッション)になったことで、効率が良く、そして電光石火の変速が可能に。そして何より「パッケージング」が大幅に変更されました。

▲ニュービートルと比べて低く、そしてワイドになったザ・ビートルのフォルム ▲ニュービートルと比べて低く、そしてワイドになったザ・ビートルのフォルム

車両価格150万円付近でも低走行物件を検索可能

前身のニュービートルは、けなすわけではないのですが「ゴルフを無理やりビートル風に仕立てた車」という感じのパッケージングで、運転席前方には謎の巨大空間が広がってましたし、全高はそれなりに高いのに後席は狭く、成人男性が乗ると割と頭がつっかえたものです。

しかし「ザ・ビートル」は打って変わって合理的なパッケージングになりました。

全高はやや低くなりましたが室内頭上空間は逆に余裕たっぷりとなり、全幅が広がったため横方向の余裕もある。そして当然ですが、ニュービートルにはあった「運転席前方の謎空間」もありません。走らせても、幅が広がって全高が低くなったからでしょうか、スポーツカー的に踏ん張る感じのハイスピード走行が余裕でこなせます。1.2LのTSIエンジンも低回転域からかなりのトルクを発生するため、端的に言って「速い!」という感じの車です。

▲ニュービートルでは運転席前方に謎の巨大空間があるなど、割と無理やりなパッケージングであることが見え見えだったが(まあそこが逆にほのぼのしててステキなんですが)、後継のザ・ビートルはご覧のとおりのごく普通の空間構成に ▲ニュービートルでは運転席前方に謎の巨大空間があるなど、割と無理やりなパッケージングであることが見え見えだったが(まあそこが逆にほのぼのしててステキなんですが)、後継のザ・ビートルはご覧のとおりのごく普通の空間構成に

そのようにステキなザ・ビートルですが、12~13年式の初期型は、初回車検を迎えた/迎えるタイミングだからでしょうか、このところグッと平均価格を下げているのです。具体的には、新車時価格250万円だった「デザイン」というグレードが、車両価格おおむね150万円前後から狙える状況。単純比較はできませんが、新車時価格よりざっくり100万円は安くなっているわけです。

でも、だからといって「ボロくなったから安くなった」というわけでも決してなく、走行2万km台までの物件も数多く流通します。それゆえ、冒頭のとおり「ありきたりではない、良い意味でクセがあるデザインのしゃれた輸入車を、100万円台ぐらいの手頃な予算で入手したいと思っている人」には、このフォルクスワーゲン ザ・ビートルを強くオススメしたいわけです。

▲往年のビートルの遺伝子を確実に継承している造形。なんとなくポルシェっぽい雰囲気も ▲往年のビートルの遺伝子を確実に継承している造形。なんとなくポルシェっぽい雰囲気も

購入時のチェックポイントはトランスミッション

とはいえもちろん、購入時の注意点がないわけではありません。性能やパッケージングについては前述のとおりまったく心配することのない車ですが、「7速DSG」というトランスミッション(変速機)だけは少々チェックする必要もあります。

フォルクスワーゲンは14年1月に、2012年12月6日から2013年9月17日に輸入された1万6774台の7速DSG搭載車についてリコールを届け出ています。で、その中には当然ですがザ・ビートルの12~13年式も含まれています。それゆえ、これから当該年式のザ・ビートルを購入する場合はそのリコール修理がしっかり行われたことを確認し、念のため試乗も行い、車の下回りからジャダー(異常振動)や異音が発生していないかも確認してみるべきでしょう。そして、いわゆるメーカー保証が「5年間の延長保証」になっている物件と巡り合えたらさらにラッキーです。

しかし逆にいえば、このあたりさえクリアしているお手頃物件と出合えたなら、「ちょっとクセのあるデザインのしゃれた輸入車」をお手頃予算で探しているあなたにとって、フォルクスワーゲン ザ・ビートルはかなり「しっくりくる1台」になるでしょう。ぜひ、カーセンサーnetであなただけのステキな1台を探してみてください。

▲12~13年式のザ・ビートルを購入する際は、変速機である「7速DSG」のリコール修理歴と、現時点でのコンディションは必ず確認するようにしたい ▲12~13年式のザ・ビートルを購入する際は、変速機である「7速DSG」のリコール修理歴と、現時点でのコンディションは必ず確認するようにしたい
text/編集部
photo/フォルクスワーゲン グループ ジャパン