1981年にセリカXXやスカイラインなどに搭載されたカーナビの元祖たち。その表示方法は?
2015/07/27
初期のナビは目的地の方角を矢印で表示?
多くの人が当たり前に使っているカーナビゲーションシステム。かつては紙の地図を見ながら目的地までの道のりを調べていましたが、今では地図を車に積んでいる人はほとんどいないのではないでしょうか。
現在のカーナビは複数の人工衛星からの信号をキャッチし、現在位置を割り出すGPS(全地球測位システム)を利用しています。しかし初期段階では別の方法を使っていました。
カーナビの元祖と呼べるものが1981年7月、2代目トヨタ セリカXXに初めて搭載(オプション設定)されました。「ナビコン」と名付けられたこの機能は、地磁気センサーが方位角を検出し、車速センサーから算出した走行距離を用いて目的地方位や目的地到達度を表示するものでした。
同時期、地磁気センサーを使ったシステムが日産からも登場しました。日産は1981年8月にデビューしたR30型スカイラインに「ドライブガイドシステム」をオプション設定。走行前に目的地までの距離と方位を入力。これによりインパネ内に置かれた表示画面に目的地の方向や残り直線距離を表示しました。
ホンダは1981年9月発売のアコード/ビガーに「エレクトロ・ジャイロケータ」をオプション設定。ガスレートジャイロセンサーとタイヤの回転から算出する距離センサーを使っていました。
このシステムが画期的だったのは、ブラウン管に自車位置が表示されたことでしょう。ただし地図そのものは透明のセルロイドに印刷したものを画面に取り付けるという仕組みでした。
1986年1月。トヨタはカセットテープに記録した高速道路案内図をディスプレイに表示する「ビジュアルインフォメーションカセット」を2代目ソアラに設定。1987年9月にはCD-ROMに収録した地図情報をディスプレイ表示するナビゲーションシステムを世界で初めて130系クラウンに搭載したのです。
そして1990年4月。マツダが三菱電機と共同開発し、世界で初めてユーノスコスモにGPSナビゲーションを搭載。精度は現在のものとは比べ物になりませんが、それまで自律航法のみで自車位置を割り出していたカーナビが初めて衛星からの信号で位置を計算するようになったのです。
現在では高機能なハードディスクタイプから無料で使えるスマートフォンのアプリまで、ニーズによっていろいろなものを選べるようになったカーナビゲーションシステム。今後、ますます便利で気軽に使えるようになっていくはずです。