▲次期レクサス LSでは、突き出たスピンドルグリルや、4ドアクーペを思わせる流麗なクオーターピラー、そこに織り込まれる三角形のメッキガーニッシュなど、オーソドックスなサルーンとは一線を画すデザインが検討されているようだ ▲次期レクサス LSでは、突き出たスピンドルグリルや、4ドアクーペを思わせる流麗なクオーターピラー、そこに織り込まれる三角形のメッキガーニッシュなど、オーソドックスなサルーンとは一線を画すデザインが検討されているようだ

FR車のリニューアル計画も密かに進行中

レクサスの商品ラインナップで頂点を飾っている現行LSは、2006年に発表された車で、デビューから8年以上が経過。途中、2013年にボディ前後やインパネ、足回りなど、広範囲にわたって手が加えられているが、かなりのロングライフといって良いだろう。

ここまで現行モデルが生き続けた理由とは何か? 当時のトヨタは、リーマンショックの影響が尾を引いて技術開発が遅れており、モデルチェンジにふさわしいニュース性が十分に担保できないとの理由から延命されたとの情報もあった。

▲現行モデルは、2006年に登場。2013年にスピンドルグリルの採用や、Fスポーツの追加などの変更を受けている ▲現行モデルは、2006年に登場。2013年にスピンドルグリルの採用や、Fスポーツの追加などの変更を受けている

その後、豊田章男社長がことあるごとに強調している『もっといいクルマづくり』を目指してトヨタは改革に乗り出し、2015年ようやく成果が出始めるところまできた。具体的には、TNGA(トヨタニューグローバルアーキテクチャー)の下で開発された、新しいシャシーとコンポーネンツの採用で、2015年の秋にデビューする次期プリウスから実用化される。

FF車の刷新が始まる一方で、水面下ではFR車のリニューアル計画も密かに進んでいる。当然、そこに次期レクサス LSも含まれる。すでに、次期LSの開発プロジェクトが始動し、現行モデルを使った先行開発車両が組み付けられている。

そのテスト車両は、前後フェンダーにオーバーフェンダーが装着されているという。これは下に潜んでいるシャシーが現行モデルよりも拡幅されていることを意味する。この新しいFRプラットフォームは、次期LSへの採用に先立ち、2016年初頭に北米でベールを脱ぐであろうラグジュアリークーペ、LC500で初めて実用化される。

プラットフォームはもちろんだが、パワートレインも一新される。ガソリン車、ハイブリッドともに3.5LのV6へとダウンサイジングされるとの情報もある。ただし、現行モデルと同水準の4.5~5LのV8が用いられるとのウワサもあり、ガソリン価格を含めた将来の動向をにらみながら詳細が決まるだろう。

Fスポーツには、さらなるパワーを発揮すべく、新開発のV8ターボが採用される。メルセデス・ベンツ S63AMGの6L V12ツインターボよりも排気量が抑えられ、良好な燃費を実現する予定だ。

シャシーや搭載エンジンと並んでスケッチボードの上では、内外装のデザインが模索されている。そこに挙がっている案のひとつが記事TOPのイラストだ。フォーマルな印象が強い現行モデルに対し、4ドアクーペを連想させるスペシャリティ色の強いデザインで、オーソドックスなシルエットに別れを告げる提案と言えよう。

まだ企画段階での話ではあるが、実現してほしいアイデアだ。なお、LC500と同様にドアミラーの代わりに斜め後方の様子をカメラで捕らえる確認装置も備わると思われる。

※2015年6月23日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません

【SPECIFICATIONS】
■予想発表時期:2017年5月
■全長×全幅×全高:5100×1915×1470(mm)
■搭載エンジン:3.5L V6+モーター他

text/マガジンX編集部 photo/マガジンX編集部、レクサス