▲遠征先で様々なご当地めしを美味しくいただくのも釣りの楽しみのひとつ。写真はイメージ。ご当地めしではなく、筆者オリジナルの特製担々麺 ▲遠征先で様々なご当地めしを美味しくいただくのも釣りの楽しみのひとつ。写真はイメージ。ご当地めしではなく、筆者オリジナルの特製担々麺

電車釣行も悪くないが、より「自由」なのはやっぱり車だ

中古車ジャーナリスト兼釣り人の伊達軍曹であります。釣りというのは(やる人にとっては)それ自体が非常に楽しいものなわけですが、釣りと直接の関係はない「付随する楽しみ」もけっこう多いものです。その代表的なものが「ご当地めしを食う歓び」でしょう。

「自宅のすぐ近くが絶好の釣り場」という恵まれた人も希にいるでしょうが、たいていの釣り人は週末ごとにそこそこ遠くまで、あるいはかなり遠くまで、魚を求めて出かけていきます。自宅から遠いということは、そこには普段自分が食べるものとは異なる食材や調理法、食文化などが存在しているということ。となれば、そういった食材や料理を楽しむのも釣りの大きな楽しみのひとつなわけです。

幸いにして釣り人は、食道楽に興じる時間を山ほど有しています。釣りというのは昼の間ずっと竿を出しているものではなく(中にはそういう人もいますが)、基本的には「日の出頃」と「日没付近およびそれ以降の夜間」がゴールデンタイム。それ以外の真っ昼間は、いわばオマケのようなものなんです。

オマケですから、釣り人はその間昼寝をすることで体力温存やヒマつぶしに務めるのが一般的です。しかし昼寝時間を若干短縮する意気込みさえあれば、昼の時間帯は「美味いご当地めしを探し、そして食べる時間」として活用することができるのです。

▲旧型カングーで出かけた東北某所で真っ昼間に釣りをする筆者。まぁこういう時間はなかなか釣れません ▲旧型カングーで出かけた東北某所で真っ昼間に釣りをする筆者。まぁこういう時間はなかなか釣れません

で、筆者も様々なご当地めしを堪能しました。たいていは釣りの師匠であるHさんという人の受け売りというか、Hさんがこれまでの釣り人生で探し当てた「宝石のようなご当地めし」を紹介してもらってるだけなのですが、それらはとにかく本当に美味い。「……生きてて良かった!」と本気で思える味なのです。

あくまで一例ですが、静岡県内にしか存在しない伝説の炭焼きレストラン「さわやか」のげんこつハンバーグは、値段が2倍ぐらいする東京の高級店より断然美味いと個人的には思います。人気のソースはデミグラスソースではなくオニオンソースですが、筆者としては塩コショウだけで食うのがいちばん美味いと思う次第。地元の人も「ソース別がけ(塩コショウのみ)」でオーダーすることが多いんだとか。

こうして「さわやか」のことを思い出しているだけで微妙にヨダレがたれてきそうな筆者ですが、最高のご当地めしはまだまだあります。例えば静岡県熱海市の「麦とろ童子」。こちらは自然薯を使った麦とろご飯も最高ですが、真鶴半島と相模湾をドドーンと見下ろしながら食べるそのシチュエーション自体が最高です。また沼津港のすぐ近くにある定食屋「S」のアジフライも最高すぎる出来栄えで、千葉県館山市の「A」は完全に神レベル(諸事情により店名は伏せさせていただきます。すみません)。もうね、挙げていけばキリがありません。またわたしが挙げたお店は関東界隈だけですが、その他のエリアにも当然「宝石のようなご当地めし」は山ほどあるわけです。

▲これまたイメージ写真。ご当地めしではなく筆者特製ブリ大根 ▲これまたイメージ写真。ご当地めしではなく筆者特製ブリ大根

そういった美味しいご当地めしを食べることができるのも、まずは個人的な話で恐縮ですが、完全インドア派からアウトドア派な人生に転向したがゆえです。釣りを始めて本当に良かった。いや釣りに限らず、アウトドアというものに目覚めて本当に良かったと思っています。

そして同時に思うのが、「車があって本当に良かった!!!」ということです。

▲電車でも歩きでも釣りには行けるが、どうしても車がないとたどりつけない場所もある。写真は岩手県某所 ▲電車でも歩きでも釣りには行けるが、どうしても車がないとたどりつけない場所もある。写真は岩手県某所

例えばですが、東京から千葉県の館山港まで釣りに行くのは電車+徒歩でも十分可能ですし、「電車釣行」というスタイルも一部で流行中です。でも、そこから「腹減ったから“A”に行くか!」というのは徒歩では絶対に無理です。いや不可能ではありませんが、距離にして約10kmはありますので、徒歩では2時間半はかかるでしょう。そして「A」の付近は電車も通っていません。

しかし車なら10km程度の距離など、ものの20分もかかりません。つまりちょっと大げさにいうと「行動と精神の自由」のようなものを、あなたは車によって獲得できるわけです。これって実はかなり素晴らしいことだと思うのですよ。

通常、このコーナーでは筆者が考える「釣りに最適な車」を1車種から数車種提案しているのですが、今回はそれはありません。とにかく「ちゃんと動く自分の車が家にある」という状態でさえあれば何でもいいと思いますし、それこそがいちばん大切なポイントなのだと思うのです。

▲こういったアウトドアっぽい車であるに越したことはありませんが、別に車種は何だっていいんですよ! ▲こういったアウトドアっぽい車であるに越したことはありませんが、別に車種は何だっていいんですよ!

これをお読みの人の多くは、すでに「ちゃんと動く自分の車」をお持ちでしょう。しかし、もしもそうでない人がいたら、ぜひともカーセンサーnetを通じてそれを手に入れてみてください。安いやつで全然構いませんから。人生、変わりますよ……!

text/伊達軍曹