躍動感のあるスタイルと
プレミアムな内装が魅力のSUV

日産 ムラーノ|人気車購入ガイド

コンセプト
スタイリッシュなSUVを具現化したユニークな一台

拡大する北米のクロスオーバーSUV 市場に参入すべく、乗用車系のFF-Lプラットフォームを利用して仕立てられたのがムラーノ。この車名は、アドリア海に浮かぶガラス工芸で有名な小島の名前に由来する。H14年に北米市場にデビューするや大人気となり、H15年は東京モーターショーに出品。反響の大きさを受けてH16年に国内仕様がリリースされた。
北米ではミドルサイズに位置するが、全長×全幅は4770×1880mmと、日本市場では十分にラージサイズ。トヨタのハリアーをライバルとするが、寸法的にはひと回り大きい。
オフロード色は薄く、4WDが用意されるのはトップグレードのみ。キャラクターとしては「アバンギャルドなデザインを楽しむスペシャリティハッチバック」といったところだ。アメリカンな雰囲気を国産車のクオリティで味わえる、ユニークな存在と言えよう。

メカニズム
エンジンは2種類で、3.5L車にはCVTを搭載

搭載されるエンジンのラインナップは、2.5Lの直4と、3.5LのV6の2種類となっている。2.5Lは吸気側に連続可変バルブタイミング機構を採用する4バルブDOHCで、レギュラーガソリン仕様。ロングストローク型の設計で、低回転域から力強さを見せる。一方、3.5Lエンジンは、フェアレディZ(Z33)やスカイライン(V35)にも搭載されていたVQ35型。ムラーノのキャラクターに合わせ、2800rpm で最大トルクを発生するようにチューニングし直されている。
トランスミッションは搭載エンジンによって異なり、2.5Lが4AT、3.5Lが専用開発のベルト式CVTとの組み合わせ。CVTには6速マニュアル変速モードが装備されており、スポーティな走りが楽しめる。
3.5L車のみに設定される4WDは、電子制御トルクスプリット方式を採用。これは、走行状態に合わせて後輪にも自動的にトルク配分を行うシステムだ。

エクステリア&インテリア
スポーティな外装に使い勝手の良さをプラス

ムラーノの最大のセールスポイントが、外装のデザイン。ワイドなフロントマスクと切り詰められた前後オーバーハングにより、マッシブでスポーティな雰囲気をつくり出している。
サイドウインドウは後方に向かって切れ上がったデザイン。後輪周辺のパネル面を大きくしたことで、後ろ足で蹴り出す力強さを巧みに演出している。
サイドドアはサイドシルにかぶさるオーバーラップタイプを採用。サイドシルが内側に追い込まれて乗降性が良くなっているだけでなく、サイドシルに汚れがつかず、乗降時にズボンの裾を汚すことがない。
前席は十分な広さをもつが、後席は外観からイメージされるほど広くはない。そのぶん、ラゲージの奥行きがあり、特Aサイズのスーツケースなら4個積載できる。後席背もたれは6 : 4分割で格納可能。操作はラゲージ横に設けられたレバーを使い、ワンタッチで手軽に行える。

インプレッション
マイルドな乗り心地の2.5Lとスポーティな3.5L

サスペンションのチューニングは、搭載エンジンにより異なっている。2.5Lエンジン車が乗り心地重視のマイルド系なのに対し、3.5Lエンジン車は操縦性重視のスポーティ系だ。ただし、2.5L車でもロール速度はよくコントロールされており、穏やかな応答性に合わせたていねいな操舵をすれば、それなりにドライビングは楽しめる。
3.5Lエンジン車の足もそれほど締め上げられておらず、超偏平タイヤを履くセダン系よりもむしろ乗り心地は良い。225/65R18というクレバーなサイズのタイヤに応じたバランスの良いチューニングである。
バイヤーズガイド
狙い目グレード
特別仕様車や限定車は見つけたら即ゲットを!
ムラーノはデビュー時から装備が充実しており、大きな変更も行われていない。そのため、デビュー時のH16年式が最もオススメだ。走行距離の延びなどを気にしなければ、ムラーノの魅力は十分に味わえるはず。流通量が最も豊富で、価格もこなれているのも美点だ。ボディ色は全年式とも、ホワイトやブラック、シルバーなどが主流。なお、より魅力的な装備の限定車や特別車は、登場回数が多い割にはあまり流通していない。
購入時のチェックポイント
リコール情報対象車は対策済みかを確認しよう
リコール情報で特に対象台数が多いのは、燃料タンクに関する不具合。取り付け位置が不適切なため、路上の落下物と衝突 する恐れがあるというものだ。対象となるのは、H16年8月からH17年11月に生産された車両。カバーを取り付ける対策が施されているので、該当する物件は整備手帳で確認してみよう。このほか、ドアや窓からのきしみ音が気になるといった話も希に聞かれる。可能な限り試乗し、自分の耳で確認しておきたい。
<img src="//d2i6c6y1xqgf7t.cloudfront.net/media/buyersguide/thum-26_01.jpg" width="180" height="123" border="0" alt="日産 ムラーノ フロント|人気車購入ガイド" />
↑凝ったデザインのグリルが特徴的。フロントからサイドに連続する曲線がダイナミック感を、張り出したフェンダーが安定感を演出している
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↑切れ上がったサイドウインドウが躍動感を表現。下端をラウンドさせたバックドアウインドウも個性的だ。2本出しマフラーはスポーティ感を強調
<img src="//d2i6c6y1xqgf7t.cloudfront.net/media/buyersguide/thum-26_03.jpg" width="180" height="123" border="0" alt="日産 ムラーノ インパネ|人気車購入ガイド" />
↑大きくシェイプしたインパネが特徴。センタークラスターやメーターなど、随所にアルミパネルを採用し、SUVとは思えないスポーティさを演出する
<img src="//d2i6c6y1xqgf7t.cloudfront.net/media/buyersguide/thum-26_04.jpg" width="180" height="123" border="0" alt="日産 ムラーノ ラゲージ|人気車購入ガイド" />
↑フルフラット化が可能なラゲージは、9インチゴルフバッグが最大5セット積載可能。フロアボード下にはラゲージアンダーボックスも備えられている
<img src="//d2i6c6y1xqgf7t.cloudfront.net/media/buyersguide/thum-26_05.jpg" width="180" height="123" border="0" alt="日産 ムラーノ 走り|人気車購入ガイド" />
↑セダンに匹敵する運動性能を目指しただけあって、操舵性はなかなかのもの。意のままに操れる感覚が味わえる