人気のイヴォークとメガーヌRSが分水嶺を突破。さて、どうする?

長らく高値をキープしていた人気の2モデルがついに……

広く使われている「十進法」に何か特別な意味があるわけでもないのだが、しかし人は十進法にひたすら影響されながら生きている。西暦1999年から2000年になるといえば「ミレニアムイヤーだ!」といって騒ぎ、マー君の連勝記録が20に届くか?という局面になると、それまで興味がなかった人まで「がんばれマー君! すごいぞマー君」と騒ぎ出す。

それについて筆者は批判したいわけではなく、「ま、人間そういう性分があるんですから、そこはもう前向きに利用しちゃうのがいいんじゃないですか?」と考えている次第だ。

何の話かといえば、長らく新車以上の高値をキープしていたレンジローバーイヴォークの一部中古車がついに500万円を切るようになり、同様に人気ゆえ300万円以上が当たり前だったルノーメガーヌ ルノースポールの中古車が、200万円台でも結構探せるようになってきた……ということについてだ。

具体的には今、イヴォークの中古車は、新車時価格450万円だった「ピュア」が車両価格490万円前後から探せる。いまだに新車以上のプライスが付いているわけだが、これでも数カ月前と比べれば数十万円単位で安くなっているのだ。

同様にメガーヌのルノースポールは、新車時価格385万円だったベースグレードが260万円前後から探せるようになった。念願の300万円切りである。

十進法に意味はない。しかし利用価値はある

しかし「念願の○○○万円切り」といっても、冒頭で申し上げたとおり、その区切りに特別な意味があるわけではない。それゆえ「そうか、○○○万円を下回ったか。じゃ、買おう」というのは、冷静に考えればあまり合理的な行動ではない。

しかし、物事というのは合理性だけでなく「勢い」も結構重要だ。冷静にソロバンだけを弾いていると、「計算だけを延々と続け、意中の車を実際に買うことは最後までありませんでした……」という悲しい事態にもなりかねない。特に、100万円や150万円という比較的安価な車ではなく、それなりに値が張る車を買おうとする場合は、自分で自分を何らかのジャンプ台にセットする必要があるのだ。

そのジャンプ台にはさまざまなものが考えられるが、十進法に基づく「○○○万円を切ったから」というのも、なかなか効果的な発射装置である。イヴォークとメガーヌRSの両モデルに興味がない人はさておき、「いつかそのうち……」と密かに狙っていた人は、この機会を利用するのも一つの手だろう。

今買わないのももちろんご勝手ではあるが、車には“旬”というものがあることも考慮すれば、結論はあまり先送りすべきではないと思うのだが、どうだろうか。

ということで今回の伊達セレクションは「500万円以下のイヴォークと300万円以下のメガーヌRS」だ!

ホンダのヴェゼルもいいが、その100倍はおしゃれな(筆者推定)ランドローバー レンジローバーイヴォーク。走行1万km前後の物件が490万円前後だ

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FF車としては世界最速レベルにあり、同時にデザインと存在感においても世界レベルの魅力を備えるルノーメガーヌ ルノースポールも、200万円台に

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【伊達軍曹 Sergeant DATE】東京都杉並区出身の輸入中古車研究家。外資系消費財メーカー本社勤務の後、出版業界に。現在は「輸入中古車は、その価格にかかわらず素晴しい!」との見方を核とする輸入中古車研究家として各誌で活躍。雑誌「カーセンサーEDGE」では「中古車相場 威力偵察隊」を連載中

【伊達軍曹 Sergeant DATE】東京都杉並区出身の輸入中古車研究家。外資系消費財メーカー本社勤務の後、出版業界に。現在は「輸入中古車は、その価格にかかわらず素晴しい!」との見方を核とする輸入中古車研究家として各誌で活躍。雑誌「カーセンサーEDGE」では「中古車相場 威力偵察隊」を連載中

文・伊達軍曹 text/Sergeant DATE