支払総額200万円台で始める“男前”な輸入オープンカー生活

生きているうちに「インパクトのあること」をやっておく

筆者ぐらいの歳の者からすると、オープンカーといえば「巨人の星」の準主人公、花形 満である。無免許と思しき年齢の花形がホコリっぽいグラウンドに黄色いオープンカーで乗りつけ、運転席からヒラリと飛び降りたあの雄姿は、今なお忘れがたい。まぁ「忘れがたい」とか言いつつ、今になって画像をググッてみて「あ、あのオープンカーは10人乗りだったのか……!」と、愕然としつつも笑ってしまったりするのだが。

いずれにせよ、オープンカーというのは周囲に強烈な印象を与える乗り物であることは間違いない。花形のあの強烈すぎる印象には、日本がまだまだ貧しかった昭和40年代だったからという理由もあるが、平成の今であっても、知人の誰かから「オープンカーを買った」と聞けば、それはなかなかインパクトのある出来事である。

そして人間、インパクトのあることというのは生きているうちになるべくやっておいたほうが良いゆえ、事情が許す人に対しては常々「車を買い替える? ならばオープンカーをお買いなさい!」と、うっとうしいほどに推奨している筆者である。ということで、ここでも、「せっかくだからオープンカーをお探しなさい!」とうっとうしいほどに言いたい。

無尽蔵に近いほどのお金をお持ちであれば、それこそフェラーリ458スパイダーやアルファロメオ8Cコンペティツィオーネなど、ステキな輸入オープンカーはいくらでもある。しかし、多くの人にとって現実的なのは「200万円台」という予算感ではないかと愚考する。

100万円台では品質的あるいは年式的に少々心もとなく、300万円台以上になると若干予算が……というのが、多くの勤め人や自営業者が思うところだろう。で、200万円台を見ておけば、2000年代以降の、つまりさほど古くない年式の、走行3万km前後の結構な輸入オープンカーが十分狙えるものだ。

時速0kmでも味わえる究極のドライビングプレジャー

200万円台にて輸入オープンを探す場合、方向性は大きく2つに分けることができる。

1. 花形 満タイプ(スポーティできらびやかなオープンカー)
2. 左門豊作タイプ(幼い弟妹などもしっかり運搬できるオープンカー)

職業に貴賤がないのと同様に、オープンエアライフにも貴賤はない。それゆえ左門豊作タイプ(VWゴルフカブリオなど)を選びたいのであれば、まぁそれも良いだろう。しかし本音を言えば、できれば花形満タイプを選んでいただきたいとは思うのだ。具体的には、総額200万円でのオススメ花形は旧型ポルシェ ボクスターと現行アルファロメオ スパイダーである。

で、そのどちらを選ぶべきかは趣味嗜好によるので何とも言えないが、とにかく、せっかく生まれてきたからには一度は花形タイプを所有し、「オープンカーからヒラリ」をやってみたいではないか。まぁヒラリはやらないとしても、「花形タイプのオープンカーを運転している自分の姿がショーウインドウに映り、それを見て思わずニヤニヤする」は、ぜひ一度経験していただきたいのだ。

これは、違法な速度で山道などをぶっ飛ばさずとも感じることのできる、時速0kmでも可能な究極の“ドライビングプレジャー”なのだから。

ということで、今回の伊達セレクションはずばり「旧型ポルシェボクスター&現行アルファロメオ スパイダー」だ!

こちらは06年10月に登場した現行アルファロメオ スパイダー。グレードや状態にもよるが、走行2万km前後の2.2JTSが総額250万円前後から

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アルファスパイダーの内装。「ミツル・ハナガタ2000」を駆る花形満も真っ青の男前ぶりを堪能したいなら、このイタリアンな内装こそ最適だ!

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こちらはある意味ついこの間、12年5月まで販売されていた旧型ポルシェボクスター。07年式付近のティプトロニックSが総額約270万円から

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旧型ボクスターの内装。アルファとは対極的なクール系デザインだが、ある種の人はこの理知的で硬質なジャーマンテイストにこそ萌えるはず!

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【伊達軍曹 Sergeant DATE】東京都杉並区出身の輸入中古車研究家。外資系消費財メーカー本社勤務の後、出版業界に。現在は「輸入中古車は、その価格にかかわらず素晴しい!」との見方を核とする輸入中古車研究家として各誌で活躍。雑誌「カーセンサーEDGE」では「中古車相場 威力偵察隊」を連載中

【伊達軍曹 Sergeant DATE】東京都杉並区出身の輸入中古車研究家。外資系消費財メーカー本社勤務の後、出版業界に。現在は「輸入中古車は、その価格にかかわらず素晴しい!」との見方を核とする輸入中古車研究家として各誌で活躍。雑誌「カーセンサーEDGE」では「中古車相場 威力偵察隊」を連載中

文・伊達軍曹 text/Sergeant DATE