【オンリーワンを探せ】早過ぎたシューティングブレークのコンセプト
カテゴリー: クルマ
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2013/07/16
原稿執筆時点でカーセンサーnetに1台のみ掲載されている希少車を紹介するこの企画。今回、2013年7月9日に発見したのは「ホンダ アコードエアロデッキ」です。中型セダンであるアコードをベースに3ドアハッチバック(ホイールベースはセダン同様に2600㎜)を作ったわけですから、当時としては画期的でした。世界で初めてFF車に4輪ダブルウィッシュボーンを採用したのも、この車です。
ステーションワゴンのようなクーペで、ルーフの端がガラスになっていてリアハッチはそこから開閉されます。そのスタイルはシューティングブレークと言っても差し支えありません。斬新なコンセプトゆえにアコードエアロデッキが投入されたのは、日本市場ならびにシューティングブレーク発祥の地であるイギリスのみ。そのほかの地域には普通の3ドアハッチバックが販売されました。
アコードエアロデッキは日本で4年間販売されましたが、1代限りで絶版。“投入が早過ぎた名車”と車好きの間で呼ばれ、その斬新かつユニークなスタイルは中古車になってから見直されました。ちなみ、その“ユニーク”なリアハッチは1999年に発売されたホンダ アヴァンシアで、時を隔てて採用されています。
当該中古車は1985年式の初期モノです。しかし、28年間も歴代オーナーに愛され続けてきたようで、写真を見る限り程度もかなり良さそうです。赤いボディカラーは一般的に時間がたつと色あせやすいんですが、この車両は艶がしっかり残っています。スチールホイールもきれいですし、内装も28年という月日を感じさせません。
物件詳細には「純正フロアマット、純正バイザー、純正ステレオ」とありますが、28年間オリジナリティを保っているのも凄いです。中古車探しにおける「掘り出しモノ」とは破格の車ではなく、こういった“奇跡的”状態で流通し続けている車を指すのだと個人的には思います。
28年たった今でも斬新に見えますし、これからも斬新な存在で居続けると思います。例えば、1985年に思い入れのある人がこの車を相棒にして乗り続けるとか“粋”じゃないでしょうか?
Text/古賀貴司(自動車王国)