▲初代アコードは、シビックのプラットホームを流用して生まれました ▲初代アコードは、シビックのプラットホームを流用して生まれました

低排出ガス&低燃費のミドルクラスセダンとして世界を席巻

原稿執筆時点でカーセンサーnetに1台のみ掲載されている希少車をご紹介します。2015年2月3日に発見したのは「ホンダ アコード」です。アコードといえばホンダの人気セダンで中古車の流通台数も多いのですが、今回見つけたのは1980年式の初代アコードです。

1976年、初代アコードはシビックのプラットホームを流用して3ドアハッチバックでデビュー。セダンは翌年に追加されました。石油ショックや、世界的な排ガス規制の引き締めがあった当時、低排出ガス&低燃費なセダンとして、日本のみならず世界で人気となりました。

搭載していた1.6L(後に1.8Lまで拡大)CVCCエンジンもシビックのものがベースです。いわゆるリーンバーンエンジンで、低排出ガス&低燃費が特徴。当時、世界一厳しかったアメリカのマスキー法を最初にクリアしたエンジンで、名声を得ました。

1.8Lエンジンですら最高出力が90psですから、現在の車と比べると当然、非力です。しかし、車重はたった935kgですので、メチャメチャ遅いわけではなく、むしろ35年前の車としては軽快だと感じるかもしれません。

デビュー時のカタログには「‘80年代に向けて、アコードは『車質』をさらに前進させた」というキャッチコピーが掲載されていました。「アコードは見た目のきらびやかさよりも本質を重んじた車である」というメッセージだったのでしょう。

グレードは、エントリーモデルから順に「SL」、「GL(当該中古車)」、「ES」、「EX」、「EX-L」という4グレード構成でした。ミディアムクラスのセダンとしては、装備が充実している話題となりました。ES以上のモデルには車速応動型パワーステアリングが標準装備され、当時の2L以下の車では珍しいことでした。ちなみに、AM/FM/カセットステレオはEX以上、フルオートエアコンやパワーウインドウはEX-Lのみに標準装備でした。

▲車内の天井にはルームランプが配されています。このデザイン、まるで飛行機のコックピットのよう ▲車内の天井にはルームランプが配されています。このデザイン、まるで飛行機のコックピットのよう
▲メーターパネルのスピードメーター下部にはタイヤのローテーション、エンジンオイル交換、エンジンオイルフィルター交換のインジケーターが備わっています ▲メーターパネルのスピードメーター下部にはタイヤのローテーション、エンジンオイル交換、エンジンオイルフィルター交換のインジケーターが備わっています

当該中古車は、前述のようにGLなので、FMラジオが付いていませんし、パワーステアリングもエアコン(送風機、ヒーターはアリ)もありません。写真を見るかぎり、内装はメチャメチャ綺麗な状態に保たれているようです。

▲チェック柄の布シートは、今見るとオシャレです。こすれや破れ箇所もなさそうですし、35年前の車とは思えないコンディションです ▲チェック柄の布シートは、今見るとオシャレです。こすれや破れ箇所もなさそうですし、35年前の車とは思えないコンディションです

言わずもがな、古い車です。パワステやエアコンなど現代の“標準装備”もありません。ただ、ノスタルジックな雰囲気を感じさせてくれますし、のんびり走れば癒しをもたらしてくれると思います。

■本体価格(税込):49.8万円 ■支払総額(税込):---
■走行距離:6.4万km ■年式:1980(S55)
■車検:無 ■整備:付(24ヵ月) ■保証:無
■地域:愛知

text/古賀貴司(自動車王国)