アコード ▲新型プレリュードの影に隠れがちですが、11代目ホンダ アコードも実にいい車であり、なおかつセダンだけあって実用性も抜群。しかしながら中古車平均総額はこのところ、お手頃になってきています。ならば今、そのお得な狙い方を考えてみましょう!

中古車平均総額はこの1年で60万円以上ダウン

何かと話題な新型プレリュードの陰に隠れがちではありますが、2024年3月に発売された11代目ホンダ アコードも、実はかなり素晴らしいホンダのフラッグシップセダンです。

そして、実はかなり素晴らしい11代目アコードの中古車平均総額は、この1年間で60万円以上のダウンを記録していたりもします。

となれば、新型プレリュードのことが気になりつつも、あえて実用的な11代目アコードを狙ってみるのも素敵な作戦であるはず――ということで、11代目ホンダ アコードの直近の中古車状況をチェックしてみることにしましょう!
 

アコード▲こちらが2025年9月に発売されたプレリュード。美しい流線型のデザインと走りが魅力
アコード▲堅実な実用性という点では勝らずとも劣らない雰囲気を醸し出すアコード(11代目)

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ホンダ アコード(11代目)
 

モデル概要:2モーター式ハイブリッドを搭載する実力派アッパーミドルセダン

2024年3月に登場したホンダ アコードは、1976年に誕生した初代から数えて11代目にあたる4ドアセダン。

エクステリアは従来型以上にロー&ワイドで流麗なフォルムとなり、フルLEDの薄型ヘッドランプや、横一文字のリアコンビランプも印象的。ボディサイズは全長4975mm×全幅1860mm×全高1450mmです。
 

アコード▲こちらが11代目ホンダ アコード
アコード▲4ドアセダンではあるが、そのフォルムはややファストバッククーペ的

ブラック基調のインテリアは、乗員が手に触れやすい部分にはソフト素材を使用するなどして上質感を追求し、肉厚なクッションと高触感レザーを用いたシートも採用。

インパネまわりは12.3インチのホンダコネクトディスプレイとバイザーレス仕様の10.2インチ液晶メーター、11.5インチ相当のヘッドアップディスプレイを標準装備。またBOSEプレミアムサウンドシステム(12スピーカー)も標準です。
 

アコード▲十分な広さ、そして十分な高級感を備える11代目アコードのキャビン
アコード▲トランクルームの容量は570L。9.5インチサイズのゴルフバッグを4セット収納できる

パワートレインは、最高出力147psの2L直4エンジンに同184psの高出力モーターを組み合わせた2モーター式ハイブリッド「e:HEV」で、減速セレクターは先代の4段から6段に多段化。より自在な減速度コントロールが可能となり、最高の6段目に固定すれば、加減速のほとんどをアクセルペダルだけで行うワンペダルドライブも可能になります。

また、新開発の「モーションマネジメントシステム」が国内向けホンダ車としては初採用されたのもトピックのひとつ。こちらは、コーナリング時にスムーズな車両挙動を支援する電子制御システム「アジャイルハンドリングアシスト」に、前荷重制御の技術を加えることで、様々な走行シーンでドライバーの思いどおりに運転できるよう支援するシステムです。
 

アコード▲モーターとエンジンを巧みに使い分けながら駆動させる「e:HEV」のフィーリングは、ハイブリッド車でありながらなかなか痛快だ

安全装備の面では、最新の全方位安全運転支援システム「Hond SENSING 360」を搭載。これは約100°の有効水平画角をもつフロントセンターカメラと計5台のミリ波レーダーによって360°センシングを実現したというもの。従来のホンダセンシングの機能に「前方交差点車両警報」「車線変更時衝突抑制機能」「車線変更支援機能」が加えられたことで、より安心・安全な運転環境が実現しています。

デビュー当初は「2.0 e:HEV」のみのものグレードでしたが、2025年5月には、ハンズオフ機能付き高度車線内運転支援機能などを追加した「Honda SENSING 360+」を搭載する新グレード、その名も「2.0 e:HEV ホンダ センシング 360プラス」が追加設定されました。
 

 

中古車状況:平均総額は順調に下落中で、流通量もまずまず豊富

2024年4月に中古車の流通が始まって以降、11代目ホンダ アコードの平均総額は小気味よいペースでダウン。

2024年中はそれでも500万円台を維持していましたが、直近の平均総額は445.3万円に。この1年間で66.8万円も下落した計算になります。
 

アコード▲2024年11月~2025年10月までの平均総額推移

そして延べ掲載台数も順調なペースで増加を続けていましたが、2025年の夏以降は減少傾向。

とはいえ、まだまだ「豊富」と言える数ではあり、十分な余裕をもって比較検討が行える状況です。
 

アコード▲2024年11月~2025年10月までの延べ掲載台数
 

そして中古車の平均総額は前述のとおり445.3万円ですが、実際の市場では総額300万円後半で狙える物件も多数流通しています。
 

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ホンダ アコード(11代目)
 

中古車のオススメ①:総額300万円台または410万円までの2.0 e:HEV

2025年11月下旬現在、11代目ホンダ アコードの中古車の中では底値圏に該当する「総額300万円台後半」のプライスを付けている物件の数は7台。

結論から申し上げると、基本的には、これら底値圏の物件を狙っても何ら問題はありません
 

アコード▲この価格帯で狙えるのは標準グレードに相当する2.0 e:HEV

一般的には、底値圏で流通している中古車には「過走行である」「ボロい」「装備内容が良くない(付いているべきオプション装備が付いていない)」など、何らかのけっこうな難点がある場合がほとんどです。

しかし11代目アコードの場合は、2024年3月に発売されて間もない車種だけあって走行距離が極端に長い物件はほとんど存在せず(最長の物件でもせいぜい4.3万km)、内外装などが極端にボロい物件も、筆者がチェックした限りでは確認できません。

また装備に関しても、11代目ホンダ アコードにはメーカーオプションという概念が基本的には存在しません。つまり、すべての個体が最初から「全部盛り」の状態であるため、底値圏の安価な物件であっても、装備内容は大いに充実しているのです。
 

アコード▲電動ランバート付き本革パワーシートなど、いわゆる豪華装備はすべて最初から標準装備。オプション装備を加える必要がないというか、そもそも11代目アコードには「メーカーオプション」というものがない
 

現在、底値圏のプライスで流通している11代目アコードの「難点」は、強いていうなら下記の2点だけです。

1.走行距離が、もう少し高額な物件と比べればやや延びている(1万km台または2万km台である場合が多い)

2.走行距離が短めでも、ボディカラーがやや人気薄な色だったりする(イグナイトレッド・メタリックなど)

走行距離がやや延びているといっても、せいぜい「1.5万kmを超えてしまった」みたいなささいな話ですし、ボディカラーに至っては好みの問題でしかありません。リセール価格はボディカラーによって多少変わってくるでしょうが、だからといって「赤系だと数十万円は確実に安くなる」みたいなことにはなりません。

ということで、内外装のコンディションや異音の有無など、中古車としてのベーシックなチェック項目をクリアした物件でさえあれば、総額300万円台の物件であっても基本的には何ら問題はありません。

ただし「総額300万円台であること」にこだわってしまうと、対象となる物件数が少ないゆえに選択肢が狭まってしまいます。できれば「総額410万円まで」ぐらいの予算イメージで、自分の好みに合いそうな11代目ホンダ アコードを幅広く探してみてください。
 

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ホンダ アコード(11代目) × 総額300万~410万円以下
 

中古車のオススメ②:予算ちょい足しの総額440万円前後で狙う2.0 e:HEVの超低走行物件

総額410万円以下の物件、つまり走行1万kmから2万km台ぐらいの11代目ホンダ アコードであっても基本的には何の問題もないと考えますが、とはいえ走行数千kmレベルの、つまりは「ほぼ新車?」みたいな状態のアコードを中古車としてまずまず安価に入手したいというニーズもあるでしょう。

その場合は、総額410万円以下ではなく「総額440万円前後」ぐらいの予算感で当たってみると、お望みどおりの1台が見つかりやすくなるはずです。
 

アコード▲総額400万円台前半ぐらいの予算を用意できると、走行3000kmぐらいの超低走行物件がよりどりみどりになるはず

もちろん一概には言えないのですが、総額420万~450万円付近のゾーンには「走行2000kmぐらい」「ボディカラーは一番人気のプラチナホワイト・パール」「販売店はいわゆるメーカー系」みたいな物件がゴロゴロ……という表現は失礼かもしれませんが、とにかく、たくさん流通しています。

このあたりのゾーンの中古車であれば、新車を買うよりも100万円以上は確実に安いといえますし、同等クラスの欧州製セダンを買う場合と比べれば数百万円は安価に、11代目ホンダ アコードという素晴らしいDセグメントセダンの「新車じゃないけど、新車みたいな物件」を手に入れることができます。

非常に賢い、そして非常に素晴らしい選択かと思われますので、「良きセダン」を探している人はぜひぜひ、このゾーンにご注目ください。
 

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ホンダ アコード(11代目) × 総額420万~460万円未満
 

中古車のオススメ③:先進安全装備がより充実している2.0 e:HEV ホンダ センシング 360プラス

11代目ホンダ アコードが標準搭載している全方位安全運転支援システム「Hond SENSING 360」でも十分ではあるのですが、どうせなら、より先進的でより安心できる「Hond SENSING 360+」を搭載している最上級グレード「2.0 e:HEV ホンダ センシング 360プラス」を狙いたいと考える人もいるでしょう。

その場合は――中古車流通量は残念ながらやや少なめですが、総額560万~590万円付近の予算感で検討することになります。
 

アコード▲ハンズオフ運転も可能な「2.0 e:HEV ホンダ センシング 360プラス」は、総額500万円台後半のゾーンで検討可能

2025年5月に追加設定された2.0 e:HEV ホンダ センシング 360プラスが採用している「Hond SENSING 360+」は、既存の「Honda SENSING 360」が採用している各機能に加え、「ハンズオフ機能付き高度車線内運転支援機能」と「レコメンド型車線変更支援機能」「カーブ路外逸脱早期警報」「降車時車両接近警報」「ドライバー異常時対応システム」を追加したシステム

「ハンズオフ機能付き高度車線内運転支援機能」はわかりやすい機能かと思いますが、「レコメンド型車線変更支援機能」というのは、ハンズオフ機能付き高度車線内運転支援機能を作動させた状態で高速道路や自動車専用道路を走行している際、車が自車より遅い先行車を検知し、また周囲の状況を踏まえて追い越しが可能であると判断した場合、ドライバーにその旨を通知。ドライバーが手元のスイッチで追い越しを承認すると、システムが追い越しと車線復帰を行うというものです。

またカーナビで設定した目的地へ向かう際は、途中の分岐や出口付近での車線変更と走行車線減少時の車線変更も、システムが支援します。
 

アコード▲車がウインカー操作や加減速、ステアリング操作を行い、追い越しや車線復帰を支援する「レコメンド型車線変更支援機能」の説明図版

その他、「カーブ路外逸脱早期警報」と「降車時車両接近警報」「ドライバー異常時対応システム」ももちろん魅力的ではあるのですが、2.0 e:HEV ホンダ センシング 360プラスは内外装の仕様も標準グレードとは若干異なっています。

エクステリアではブラックのドアミラーやベルリナブラックの専用アルミホイールが採用され、インテリアは、ルーフライニングやピラーまで黒で統一した「ブラック内装」と、ホワイトレザーを用いた「ホワイト内装」のいずれかになるのです。
 

アコード▲ルーフやピラーの内側など、通常の車では明るめのグレーになる部分もブラックとなる「ブラック内装」
アコード▲こちらはオフホワイトの本革を効果的に使用している「ホワイト内装」
 

そんな2.0 E:HEV ホンダ センシング 360プラスのカーセンサーnet流通量は現在約10台で、価格は総額560万~590万円といったところ。その中で「ホワイト内装」の中古車は2台のみですが、いずれの物件も超低走行ですので、コンディション的には何ら問題ないと考えられます。

これだけの諸性能とたたずまいが総額500万円台後半の予算で入手できるというのは、考えてみれば「格安!」なのかもしれません。ご興味のある方はぜひチェックしてみてください。
 

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ホンダ アコード(11代目) × 2.0 E:HEV ホンダ センシング 360プラス
文/伊達軍曹 写真/ホンダ
※記事内の情報は2025年11月25日時点のものです。
伊達軍曹

自動車ライター

伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。