ハイブリッド車は“燃費追求型”と、それにパワーを向上させた“動力性能+燃費追求型”に大きく分けられます。今回は、その後者にあたるレクサス GSハイブリッドをご紹介します。

GSハイブリッドが登場したのは2006年の3月。ベースとなるGSから8ヵ月遅れでデビューしました。「450h」という名前なので、排気量が4.5Lと勘違いしがちですが、エンジン自体はV6の3.5Lで、ハイブリッド用にチューニングしたものを搭載しています。

ではなぜ450なのか。それは4.5L車に匹敵する動力性能をもっているからです。その点が燃費追求型のハイブリッド車とは一線を画すポイントで、エンジンのパワーにモーターの力を組み合わせることで、燃費だけでなく動力性能も高めているのです。

そのシステムパワーはトータル345馬力を発揮。停止状態から時速100kmに達するまでの時間は5.6秒と、スポーツカー顔負けの加速性能を誇ります。

それでいて燃費は14.2km/L(10・15モード燃費)と、2Lクラスと変わらない低燃費を実現。エンジンに組み合わせられるミッションは、電子制御セミオートマチックであるシーケンシャルタイプのCVTとなっています。

スポーツカー顔負けの性能で燃費にも優れたGSハイブリッドだけに、これまでなかなか値が落ちてこなかったのですが、今年の3月に新型が登場してから、どんどん値が下がってきています。

新型の登場を待って旧型を狙うのは中古車選びのセオリー。いよいよ200万円を切る中古車が登場してきました。例えば走行距離こそ10万kmオーバーですが、修復歴なしの450h バージョンLが159.9万円です(10月4日現在)。

新車当時の価格は770万円ですから500万円以上安いわけです。新車ではとても手に入らない車を、1.5Lクラスの新車と変わらない金額で手に入れる。それも中古車選びの醍醐味のひとつではないでしょうか。

Text/金子剛士

2009年9月のマイナーチェンジで内外装がハイブリッド専用に。それ以前のモデルはベースモデルと同じデザイン

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インテリアは黒を基調。質感高いやすらぎの空間が広がる。しかし、ひとたびムチを打てば、たちまちスポーツカーのコックピットに変身する

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バッテリーの状態などがひと目でわかるエネルギーモニターを装備。低燃費運転の目安を示すハイブリッドシステムインジケーターも備える

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