群馬製作所本工場はBRZ/トヨタ 86の生産へ

サンバー|日刊カーセンサー
2月29日、富士重工業はスバル サンバーの生産を終了しました。自動車業界にあって、1車種の生産終了は決して珍しいことではありませんが、サンバーの生産終了には大きな意味があります。1958年の「スバル360」から54年間に及んだスバル軽自動車の歴史が、この日静かに幕を閉じるからです。

もちろんスバルブランドのラインナップから軽が消える訳ではありません。今後はダイハツからOEM供給を受け、サンバー、プレオ、ステラなど車名自体は存続します。ただ、純粋なスバルの軽は新車で手に入れることができなくなります。

遡ればスバルの原点は軽自動車にありました。国民車と評された「スバル360」の生産からスタートしたスバルブランドは、その後サンバーやレックス、プレオなど全9車種の軽自動車を誕生させました。その総生産台数は54年間で約800万台にも上るといいます。

スバルの軽自動車は他のメーカーにはない独自の技術が詰め込まれており、今も多くのファンが存在します。例えば、今回生産を終了したサンバーが採用していたRRレイアウト。商用車は荷室が空の場合、後輪にトラクションがかかりにくいというデメリットがあるが、エンジンをリアに搭載するサンバーはそれを解消していました。

  • スバル360|日刊カーセンサー
  • プレオ|日刊カーセンサー

テントウ虫の愛称で親しまれたスバル360。軽自動車として初めて大人4人の乗車を可能にするなど、当時の水準を大きく超える性能で人気を博した(左)乗用車としては最後の純粋なスバル軽自動車となったステラ。カーセンサーnetでは約600台の中古車を掲載中。(右)

4気筒エンジンやスーパーチャージャーもその一つ。特にスーパーチャージャーを採用する軽自動車は他メーカーには存在せず、レスポンスの良い独特の走りを実現していました。その他、軽自動車でも今や当たり前となった4WDやCVTも、スバルが初めて採用した技術なのです。

新車で買えなくなった純粋なスバルの軽自動車ですが、中古車でならまだ手に入れることができます。2月29日現在で流通しているのは約4500台強。興味がある人は、程度の良い物件が残っているうちに購入を検討してみてはいかがでしょうか。

ちなみに、これまで軽自動車を生産してきた群馬製作所本工場は3月以降リニューアルし、トヨタと共同開発したBRZ/トヨタ 86とインプレッサの生産を開始します。

Text/カーセンサー編集部