やっぱり中古車選びは楽しいと思わせてくれる個性派が勢揃い

新車の国産コンパクトカー程度の予算でも、中古車であればいろんな個性派を狙えるものです。振り返ってみると、よく自動車メーカーの経営会議で量産することに賛同したものだ、と思わせる車もチラホラ。昨今の車が総じて大きな不満を抱かせない走りを披露してくれるなか、ひと癖、ふた癖ある車に面白みを感じてしまいます。と同時に、時間経過の恩恵か、抜群のコストパフォーマンスを誇るものもたくさん!気になる車は中古車カタログや物件をチェックしてみてください。

第5位はフィアット クーペフィアット(絶版)。日本には正規輸入されなかった、ティーポをベースに斬新かつ個性的なボディと走りが与えられた一台です。狂気に満ちた・・・、とは言い過ぎかもしれませんが、いわゆる“直ドリ”するほど強烈な加速力の持ち主です。バランスが良いとは言えませんが、じゃじゃ馬っぷりは昨今の自動車では味わえない魅力!カーセンサーnetで探せる物件数も減りつつあります。今のうちに程度の良いモノを狙っておきたいです。

第4位はトヨタ WiLL Vi(絶版)。異業種合同プロジェクトと称してトヨタが取り組んだ「WiLL」ですが、消滅してしまったことをかんがみると失敗だったのかもしれません。でも、おとぎ話に登場するようなかぼちゃの馬車っぽい車って・・・、もう二度と登場しないと思いますよ。ベースはヴィッツですから、コンパクトカーとしての実力に疑いの余地はありません。キャンバストップを備えたモデルもあり、手軽に非日常を味わえます。安さも魅力的!

第3位はM・ベンツ Sクラス(旧型)。フラッグシップモデルですが室内は豪華絢爛、至れり尽くせりという雰囲気ではなく“シンプルモダン”にまとめられていて飽きが来ません。走りはとても100万円台の車ではありません。特にABC(アクティブ・ボディ・コントロール)を装着しているモデルは不必要な路面凹凸を上手く吸収し、ボディロールを抑えながら必要なインフォメーションを伝えてくれます。結果として、疲れ知らずな走りをもたらしてくれます。

第2位はルノー アヴァンタイム(絶版)。個人的には奇跡の車だと思っています。このような車の量産をOKするルノーはアヴァンギャルドです。ミニバンほどの大きさで、ドライバーの目線はミニバン以上。それでいて大人4名のための贅沢なクーペというコンセプト自体、あまりに贅沢過ぎます。ヨーロッパの富裕層の数を見越しての量産でしょうか?ドアはまるで飛行機の扉のようで一度、車体と平行にせり出してから開きます。コレだけでも買いです(笑)。

第1位はBMW X5(旧型)。ランドローバー レンジローバーとM・ベンツ Gクラスの独壇場だった高級SUV市場に、BMW社セダン並みの走りを引っ提げて殴り込みをかけたような雰囲気でした。昨今の高級SUVに比べるとコンパクトに感じるボディで、使い勝手は抜群。現行モデルと並ぶと若干古めかしく感じるかもしれませんが、走りそのものは現役バリバリです。3Lモデルが人気のようですが、個人的にはトルクたっぷりでパワフルな4.4Lをオススメします。

Report / 古賀 貴司