際立つ個性を手にできる
ラストチャンスは今!

車の没個性が叫ばれて久しいですが、個性的な車は中古車市場にはたくさんあるものです。特に絶版車(生産終了車)には“”面白かったな”、“振り返ってみれば良かったな”と思える車が意外とあるものです。気になる車は中古車カタログや物件をチェックしてみてください。なかには今こそがラストチャンス! という車もあります。耐久消費財に位置づけられる車ですが、ここに登場する車は手を入れて乗り続ければ味わい深くなるものばかりです!


第5位はボルボ960(絶版)。かつてカクカクしたデザインがトレードマークだったボルボも、最近では流線形を多用するようになってきました。240はなぜか昔から人気の高いボルボ車ですが、960だってカクカク具合はボルボらしさ満点です。インテリアも直線を基調とし“北欧デザイン”をさほど意識していない頃のほうが、独特な雰囲気を醸し出しています。しかも3Lの直6エンジンは、ポルシェが開発に携わったという面白い逸話も。流通台数は少ないです。


第4位はトヨタプリウス(初代)。自動車史において、大きなインパクトを与えた車です。当初は利益もまったく見込めず「21世紀へGO!」という意味合いを込めて、215万円という新車価格が設定された、と噂されているほどです。初期モデルはブレーキが磁石のように急にくっつくような感触があり“カックンブレーキ”と評されましたが、今となってはそれこそがフツーの車ではない証かもしれません。最近のプリウスは、至ってフツーの車っぽいですから(笑)。


第3位はアルファ ロメオ166(絶版)。内外装が問答無用にセクシーさを感じさせるんです! 一般的なカッコ良さとは違うのかもしれませんが、そこにイタリアンデザインの妙味すら感じます。車の絶対的性能に特筆すべき点はありません(笑)。フツーにイイ車です。3LのV6エンジンがアルファ ロメオ製であるのも、166が最後だったと記憶しています。車は安値で流通していますから、コツコツ手を入れるのもステキなカーライフになるでしょう。


第2位はホンダS2000(絶版)。経過年数を考えれば、中古車価格は高値安定中です。モデル末期の新車登録台数は無残でしたが、やっぱりホンダの2シーターFRオープンは人気なんですね。年式によって足回りのセッティングは大きく変わっているように感じまますが、個人的には安くてピーキーな雰囲気の初期モデルが好みです。ガッチリとしたボディに、クイックに回頭する雰囲気はまるでレーシングカー。ファッションアイテムではなく、本物感たっぷりです。


第1位はM・ベンツEクラス(旧々々型)。名車、名車と言われ続け聞きあきたかもしれませんが、やっぱり名車です(笑)。約20年前の車だと思うと、感動はひとしおです。最近、W124(=コードネーム)ブームに落ち着きが出ているのか、中古車相場は“妥当”なゾーンに下落していると言えます。多少手を入れる面倒はあるかもしれませんが、報われること間違いありません。特に500E/E500は最近の車では味わえない重厚感あふれるトルクフルな走りが絶品です。

Report / 古賀 貴司