第128回 クライスラー クロスファイア【見つけたら即買い!?】
カテゴリー: クルマ
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2010/07/28
■メルセデス・ベンツの魂が注入されたスポーツクーペ
1990年代後半から急激に加速した自動車業界の合従連衡。日産とルノー、フォードとマツダなど蜜月が続いているところもありますが、合併を解消して、さらに新しい関係を結んでいるところも少なくありません。今回はクライスラーがダイムラーと合併した頃のモデル、クライスラークロスファイアをご紹介します。ダイムラー・クライスラー時代、メルセデス・ベンツブランドのモデルと部品を共用した車種は、300Cやダッジマグナム、キャリバーなど多岐にわたりました。クロスファイアもそのうちの一つで、新車時の価格は490万円。3.2LのV6エンジンやプラットフォームをはじめとする多くの部分が旧型メルセデス・ベンツSLKクラスとの共用となっています。
具体的には5速ATやフロント(ダブルウィッシュボーン)とリア(マルチリンク式)のサスペンション、さらにスイッチ類などの細部も流用されています。共用パーツの割合は全体の39%ですが、メカニカルな部分はほぼ「ドイツ製」といって差し支えないほど。良く言えば「信頼性が高い」、悪く言えば「オリジナリティがない」ともいえるでしょう。
一方でデザインは、完全なアメリカンスタイル。典型的なロングノーズ&ショートデッキのスタイルに、複雑な曲線が組み合わせられたボディパネル、ボンネットの細かいリブなど、細部にわたった仕事ぶり。内装もアメリカ車独特の「プラスチック&メッキ」感漂うインパネを含め、独自の世界観が表現されています。
乗り味は基本的にSLKクラスのそれに似ていますが、これもアメリカ車らしく直進安定性がより高められています。ワインディングも楽しく走れそうですが、高速道路のロングクルージングに最も適した車と言えるかもしれません。90km/h以上で自動的に開き、60km/h以下で自動的に閉じるリアスポイラーも、安定性に一役買っています。
原稿執筆時点でカーセンサーnetに掲載されているクロスファイアは8台。相場は139万~244.7万円と、台数が少ない割にかなりバラツキがあります。走行5万km以上は1台、修復歴車も1台のみと、比較的条件の良い中古車が揃っていますが、そもそも選択肢が少ないので、気に入った車を見つけた場合は、早めに検討をしたほうがいいでしょう。
信頼性が高く、性能も上々のクロスファイアですが、世間的には極めて知名度の低いモデルといえます。ありきたりな車、他人が乗っているような車は苦手という人にはまさに最適な一台といえるでしょう。興味をもった方は下の検索窓に「クロスファイア」と入力して検索してみてください。
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