カー・オブ・ザ・イヤーにも輝いた小さな巨人

今年(2009-2010)の日本カー・オブ・ザ・イヤーはトヨタのプリウスでしたが、ところで去年の受賞車って覚えてます? 正解はトヨタのiQ。デビュー当初はさまざまなメディアで取り上げられていましたが、ここのところiQの話題ってほとんど見かけないですよね。そんなことも関係あるのか、今ではお手頃な価格になってきました。

全長3m以下というボディで4人乗りを可能にしたパッケージングに注目が集まったiQは、2008年の11月に登場。全長2985mmといえば、ワゴンRより410mmも短いわけですが(ワゴンRは3395mm)、これで4人乗車という発表に誰もが驚いたものでした。
  • トヨタ iQ 外観(フロント)|おいしい中古車
  • トヨタ iQ 外観(リア)|おいしい中古車
↑iQのデザインは、巻き貝や波紋などを基に作られた数理モデルから発想したラインや面によって、自然界の造形美を生かしたスタイルとなっている(左・右)
つまり、それだけ優れたパッケージングだと言いたいわけですが、実際の車は、遠目で見る限りさほど小さい印象は受けません。落ち着いたツラ構えと、全幅が1680mmあることで、上級なコンパクトカーといった雰囲気なのです。しかし、間近で見るととハンパなく小さい。軽自動車というより、スマートシリーズに近い感覚です。

作り込まれた外観もそうですが、軽自動車などともっとも大きく違うのは内装の質感で、そのクオリティは、軽自動車やコンパクトカーの域を明らかに超えています。ちなみにエンジンは1Lと1.3L(2009年8月に追加)の2種類。ミッションは全車CVTとなっています。気になる燃費は10・15モード燃費で23.0km/L(1Lモデル)。環境だけでなく、財布にも優しそうです。

もう一つ、安全面の充実っぷりも見逃せません。今や運転席・助手席のエアバッグは軽自動車でも当たり前ですが、iQはリアウインドウカーテンシールドエアバッグを含む9個のエアバッグが装備されています。さらに、車両安定性制御システム(S-VSC)も付いているなど、もしもの時に頼りになる装備がてんこ盛りなのです。
  • トヨタ iQ インパネ|おいしい中古車
  • トヨタ iQ シート|おいしい中古車
  • トヨタ iQ エアバッグ|おいしい中古車
↑内装は、海中を優雅に舞うマンタがモチーフ(左) 後席は狭いながらもなんとか実用できるレベル(中) 9つものエアバッグが乗員の安全を守ってくれる(右)

走行0.3万kmの物件が50万以上安い!

そんなiQなので、軽自動車やコンパクトカーに比べ、ずいぶんとお高いプライスが掲げられていました。デビュー当時、いいなと思っても「ちょっと高すぎないか?」と購入に踏み切れなかった方も多いと思います。しかし、登場から約1年しかたっていないのに、50万円以上安い物件もあるんです。

例えばベースグレードの1.0 100G。新車価格は140万円なんですが、89万円と100万円を切っている物件もあります。しかも、コンディションがかなり良さそうで、修復歴なし、走行距離はたったの0.3万km。まだ新車の香りが残っていそうな状態です。

小さい車だからといってチープさを感じない、しかも安全性の高い車が欲しいという人にとって、iQはかなり狙い目の一台ではないでしょうか。なにせ新車の軽自動車を買うより安いですからね。

Text/金子剛士