マツダ デミオ VS スズキ スイフト　PART7：～取材を終えて～スタッフ座談会開催

同じハッチバック＋MTでも性格が如実に異なった

籠島：この2台ってさ、乗る前は両方ともホットハッチだと思っていたんだよね。でも乗ってみたらずいぶんと印象が違ったな。
福田：スイフトスポーツは正真正銘のホットハッチ。スポーツ性が前面に出た車。一方のデミオスポルトは、グレードに“SPORT”って名前はついているけれどもっとマイルドな作り。肩に力を入れて運転するのではなく、ラフに楽しめる。同じマツダのロードスターに近い感じ。
小橋：それは走り出す瞬間から感じたね。スイフトのクラッチは切れる部分がずいぶんと手前にあって、つなぐのにちょっとコツがいる。（僕を含めて）普段MTに乗り慣れていない人は最初苦労するかも。デミオは自然につながるから、すぐに慣れたけど。
籠島：デミオは、ちょっと前のフランス車がもっていたような楽しさを感じたんだ。コーナーを曲がるとき、ボディ全体をしならせながら曲がっていくような感覚って言えばいいのかな。対するスイフトは足がしっかりしていて、踏ん張りながらギュワンと曲がっていく感じ。
高橋：スイフトは本格的でデミオはマイルド。みんなが言う走りの性格の違いはデザインにも表れているね。スイフトは見るからにやる気満々で、280psのスポーツカーに喧嘩を売られても負けないぜっていう雰囲気がにじみ出ている。デミオはどちらかというと、足の速い優等生的な雰囲気。知的さとスポーツ性を兼ね備えている。
小橋：デミオのスタイルは幅広い年齢層に支持されそう。移動中、公園の片隅でちょっと休んでいたんらおじいさんが寄ってきて「これ、かっこいい車だねぇ」って。
高橋：さっき籠島がコーナーのクリアの仕方の違いを話していたけれど、それって乗り心地にもつながりそう。スイフトスポーツは足回りがしっかりしている半面、硬さもあるでしょう。一方デミオはふわりとマイルド。僕にはチャイルドシートに乗せる子供がいるんだけれど、スイフトだとゴツゴツ感が強すぎてちょっと子供がかわいそうかもって思ったな。お父さんが普段は家族で使って、たまに一人で走りを楽しむっていうのなら、デミオくらいの乗り心地がちょうどいい気がする。もちろん走って気持ちがいいから、妥協してって意味ではなくてね。

スイフトは一つのモデル、デミオは一グレード

福田：これまでの話を整理すると、スイフトスポーツはこれ単体で一つのモデルというくらい特徴があるけれど、デミオスポルトはデミオという車種の中の1グレードという雰囲気なのかもしれない。あくまでもデミオというコンパクトカーの延長に排気量の大きいスポーティモデルが存在しているっていう。このキャラクターの違いを考えながら選ぶと、買ってから楽しめるんじゃないかな。
高橋：ではそろそろまとめようか。デミオとスイフト、どっちを選ぶ？
籠島：デミオスポルト。ただ僕はそんなに攻めたりするほうじゃないから、CVTモデルでも十分。もしデミオのスタイルが気に入っているけれど本気で走りたいと思うのであれば、今後出てくるかもしれないマツダスピードモデルを狙うのもいいかもね（写真一番上）。
小橋：僕もデミオ。まずはスタイルが気に入った。そして遠出をする機会も多いので、スイフトだとちょっと疲れてしまうような気がして・・・。
福田：僕はスイフト。やっぱりMTで走るならとことん楽しまないと！今って排気量の小さな、エンジンをブンブン回して走るような車は数えるくらいしかない。そんな中でスイフトは希少な一台。ただ・・・デミオにオプションで付けられるオーディオの外部入力端子は欲しいところだなぁ。
高橋：僕はデミオかな。やっぱりチャイルドシートを付けて走るときに足の硬さは気になるから。子供が小学生になればまた違ってくるのかもしれないけれど。