トヨタ iQ VS スマート フォーツーカブリオ PART3：取り回しや駐車のしやすさが優れているのは？

小回りは利くがやや慣れが必要なiQ

今回の縦列駐車は、特別措置として、前後車両の間隔を通常の6mから5mに縮めてテストした。

もちろんプロモーションビデオに出てくるような、スピンターンでタテの駐車スペースにヨコに2台iQを収めた…のではない。この項目はあくまでも毎回、車と初対面でいわば白紙の状態で接し、それで扱いやすいかどうか試してみるというものだ。

で、その結果だが、まず縦列駐車からいくと、iQのほうが“慣れを要する”というのが今回の判断。というのも、最小回転半径は3.9mと断然小さく、実は小回りが利くはず。だが縦列駐車の場合、いわゆる車両感覚がモノをいうので“短いけど幅はある”iQの取り回しには、やや慣れが必要だった。また視界の計測データにも出ているように、ウインドウ下端が高めで視界がケラれる分、直視できない部分を想像しながら操作する必要もある。よってオーナーになり慣れればずっとやりやすいはずだが、借り物を扱う場合、万が一にもぶつけるわけにもいかず、恐る恐るであった…と報告しておこう。

高めのアイポイントと広い視界が優位なスマート

スマートは、高めのアイポイントと広い視界、コンパクトな全幅などが功を奏している。難なくスペースに収められる印象。ただし、もしも同乗者がいて壁際に寄せて止めるなら、小さいからと壁に寄せすぎると、ドアは小さいわけではないので、人が降りられなくなる可能性がある。

一方で車庫入れは、iQもスマートもほぼ同程度のやりやすさだったというべきか。ここでポイントとなったのは、スマートの例のアイドルストップ機能。いうまでもないがこの機能をONのままだにして、駐車でストップ、リバース、途中で確認といった操作をスピードに関係なく行うと、車が停止した折々にエンジンも停止する。再始動が素早いのは走りのリポートで触れたが、機能をキャンセルしていないと、ストップ＆再始動がやや煩わしく感じてしまう。

また2シーターで“車の後ろ”もほとんどないスマートは、小さな室内に大きなシートがあるため、後方視界はシート間のＶ時形の限られた広さ。その点、後席にボートのオールのようなヘッドレストがそびえ立つiQは、全幅の余裕からか視界は広くて助かる。