日産 キューブ VS トヨタ bB PART4:コンパクト系ハイトワゴンとして優れているのは?
2009/02/20
PART4コンパクト系ハイトワゴンとして優れているのは?
日産 キューブ
トヨタ bB
↑スピーカーやカップホルダーなどに設けられた最大11個のブルーイルミネーションが個性的な雰囲気を演出。最上級グレードの“Aero-G Package”には、人間工学に基づいて開発されたリラックスモード機能も備わる |
||
こだわり抜いたコンセプトで海外試乗に投入されるキューブ
プレミアムカー、スペシャリティカーならともかく、世界中見渡しても、キューブやbBほどベーシックな2BOX車ながら、かくもこだわり抜いたコンセプトで作られた例は希だ。特にキューブは、今後世界市場にも投入されるようだが、カンチレバー形状の左右非対称の後ろ姿など、意表を突いている。日本のユーザーにはお馴染みだが、海外市場では驚かれるに違いない。
前回までにアップした3項目のリポートを通して、二番煎じのキューブの姿に否定的な判断をお伝えしてきた。が、それは頭ごなしに拒絶しているのではなく、キューブほどの振るったセンスの車なら、また新しい世界観を作ってみせてくれるのでは…そんな期待感があったからこそ、肩透かしをくらってやや寂しい気持ちだったから…と思っていただきたい。
その意味でいうと中古車で手に入る先代キューブも、まだ十分に鮮度が高いということになる。どちらを選ぶかは個人の考え方次第だ。
パッケージング効率は良いがクセのあるキャラクターのbB
一方で先代からイメージを大きく変えて出た現行bBは、デビュー当初こそ「マッタリシート」が話題となったが、今はやや中途半端か? どうしても雰囲気が好きというならともかく、積極的に選ぶ理由が見つかりにくい。今回の試乗ではbBの意外なほどのパッケージング効率の良さが再確認できた。なので実用車としての素質は高いのだが、だとすると、チョイ悪を狙った風のクセのあるキャラクターが邪魔をする。誰にでもどうぞ…とはならないからだ。このあたりがどうも悩ましい。
今回のキューブ、bBは手頃な価格の国産車で、馴染みやすい個性と実用性を備えたコンパクトカーの代表選手。3列シートのミニバンタイプでなくてもいいが、日常の買い物にも便利で、かつ、遊びに使うのにも適した車。さすがに老若男女の誰にもお勧め…とはいかないが、一台でオールマイティな利便性は確かに魅力だ。
そう考えたとき、どちらがより魅力的かというと、いろいろ指摘はしたがやはりキューブだろうか。少なくともキューブは、車以外のモノ、生活スタイルなどと融合させ、オーナーの生活の一部にしなやかに馴染もうとする意思が感じられる。
カタログに掲載されているiPodが旧世代なのは残念だが、オプションで用意される毛足が25mmのフロアマットなど、まさに家のリビングに敷くラグマット感覚だし、シートカバーもポール・スミス“風”だったりする。なので車以外のコトに感度の高いユーザーも、おやっ!? と惹きつけられるだろう。
10色用意されるボディカラーもフランス車のようだし、シート表皮のセンスなども悪くない。今後、またコンランとのコラボなども実現してほしいものである。
今回のまとめ
快適な走りの味も実現しているから、リラックスできるマイルームの謳い文句も、まあ不当表示ではない。先代の二番煎じと書いておきながら、センス自体はいいということで、結論はそのキューブを評価することとなった。次回予告
ミドルクラスセダンとして優れているのはどっち?
ホンダ アコードと日産 ティアナの比較テストだ!
ミドルクラスセダンとして優れているのはどっち?
ホンダ アコードと日産 ティアナの比較テストだ!
今回のテスト車両
日産 キューブ | |
---|---|
テスト車両 | 15X Vセレクション 170.1万円 |
駆動方式 | 2WD |
トランスミッション | CVT |
全長×全幅×全高(mm) | 3890×1695×1650 |
ホイールベース(mm) | 2530 |
車両重量(kg) | 1180 |
最小回転半径(m) | 4.6 |
乗車定員(人) | 5 |
エンジン種類 | 直4DOHC |
総排気量(cc) | 1498 |
最高出力 [kW(ps)/rpm] |
80(109)/6000 |
最大トルク [N・m(kg-m)/rpm] |
148(15.1)/4400 |
使用燃料 | 無鉛レギュラー |
燃料タンク容量 | 45L |
10・15モード燃費 (km/L) |
19.2 |
実用燃費 (km/L) e燃費提供 |
現在調査中 |
タイヤサイズ | 175/65R15 |
トヨタ bB | |
---|---|
テスト車両 | Z“Lパッケージ” 157.0万円 |
駆動方式 | 2WD |
トランスミッション | 4AT |
全長×全幅×全高(mm) | 3795×1690×1635 |
ホイールベース(mm) | 2540 |
車両重量(kg) | 1050 |
最小回転半径(m) | 4.9 |
乗車定員(人) | 5 |
エンジン種類 | 直4DOHC |
総排気量(cc) | 1495 |
最高出力 [kW(ps)/rpm] |
80(109)/6000 |
最大トルク [N・m(kg-m)/rpm] |
141(14.4)/4400 |
使用燃料 | 無鉛レギュラー |
燃料タンク容量 | 40L |
10・15モード燃費 (km/L) |
16.0 |
実用燃費 (km/L) e燃費提供 |
現在調査中 |
タイヤサイズ | 185/55R15 |
日刊カーセンサーの厳選情報をSNSで受け取る
日産 キューブ VS トヨタ bB PART4:コンパクト系ハイトワゴンとして優れているのは?/旬ネタ
あわせて読みたい
- 西川淳の「SUV嫌いに効くクスリをください」 ランボルギーニ ウルスの巻
- 先代BMW 3シリーズ(F30型)を買うなら、総額150万円以下が狙い目だ!
- 【トヨタ タンクの中古車を買うなら?】オススメの選び方や相場、グレードなどを徹底解説
- 【試乗】新型 日産 ノート|市販モデルではプロトタイプのネガ部分が消え、スタビリティの高さが際立った
- 【試乗】メルセデス・ベンツ 新型Sクラス│”新時代の車”を堪能できるラグジュアリーセダンの最高峰!
- 9年連続エンジン・オブ・ザ・イヤー2.0~2.5L部門賞を受賞した「2.5L直列5気筒TFSIエンジン」搭載の狙い目モデル3選
- 【試乗】新型 フォルクスワーゲン T-Cross│「TさいSUV」はハッチバックよりもどこが欲張りか? 実際に乗って考えた
- 今はもう中古車でしか味わえない高純度FR、国産を代表するミドルセダンのレクサス GS【Back to Sedan】
- 【試乗】新型 アウディ A4 アバント│実用性の高いアバントボディがクアトロらしい俊敏な走りとマッチし、絶妙にバランスがとれた逸品
- 掲載率1%未満! 大人気コンパクトカーの2代目日産 ノートを狙うなら、激レアグレードも要チェック!