中古車ならではのコストパフォーマンスの高さも魅力的

自動車メーカーって、様々なカテゴリーで新世代への試みを行っているんですね。新世代を感じさせる試みはコストがかかるはずですが、必ずしも高級車に投入しているわけでもないようです。実際、大衆車、軽自動車など様々なカテゴリーで新しい技術が投入されているのがわかります。こうしてみると身近な価格帯の新世代車、中古車市場に結構流通しています。気になる車は中古車カタログや物件をチェックしてみてください。

第5位はM・ベンツSクラス(旧型)。旧型SL600に搭載していたADS(アダプティブ・ダンピング・システム)と呼ばれる電子制御の可変ダンパーシステムを進化させた、ABC(アクティブ・ボディ・コントロール)を搭載した、S500とS600は画期的でした。巨漢なのに、ボディロールが無茶苦茶少ないんです。担当者は「魔法の絨毯」と呼んでいます。壊れていないかぎり、その乗り心地は今でも魔法の絨毯です。電子制御の力で、物理の法則に挑んでいるような走りは新世代を感じます。

第4位はVWゴルフ(現行)。「TSI」に搭載されるターボチャージャーとスーパーチャージャーを併用したエンジンが注目です。国産車における両者は、小さな排気量ながらパワーを得るための機構でした。最近のヨーロッパ車では、パワーとエコを両立させるための手段として使われ始めています。両者をうまく活用することで、加速のタイムラグは皆無。しかも1.4Lと小排気量ながら、2.4L並みの走りを満喫させてくれます。それでいて低燃費、エコといいことずくめ。

第3位はホンダレジェンド(現行)。ホンダのフラッグシップながら、さほど注目されていないのがもったいないです。3.5LのV6エンジンはパワフルで、最高出力300ps(マイナーチェンジ後は排気量3.7Lで309ps)を誇ります。SH−AWDと呼ばれる世界初の4WDシステムは、前後の駆動配分のみならず左右まで制御します。これによるロードホールディングは、レジェンドに新しい走りをもたらしています。優れたセンサー技術の開発により、安全かつダイナミックな走りを満喫できます。

第2位はアイ(現行)。ミッドシップエンジン、後輪駆動もしくは4WDがもたらす走りは軽快感たっぷり。前後重量配分にこだわり燃料タンクは運転席下に収まっているし、エンジンは低重心化を図るため傾斜をつけて搭載しているこだわりよう。大人4名が乗車しても窮屈ではありません。しかも内外装、かなり手が込んでいます。軽自動車の高品質化を目の当たりにできる一台と言っても、言い過ぎではないでしょう。アイのプラットフォームを活用した電気自動車の販売も、間近?

第1位はホンダインサイト(旧型)。2代目インサイトが登場したばかりですが、あえて初代をオススメしてみます。ハイブリッド車の量産世界初はトヨタプリウスに先行されましたが、すぐに投入されたインサイトは当時、世界最高の燃費性能を誇っていました。トコトンまで空力にこだわったデザイン、2名乗車で割り切ったパッケージは、まさに自動車メーカーの研究開発車両のような雰囲気すら漂っています。結果として販売には苦戦したようですが、今となってはかなり貴重な存在です。

フォトコレクション

写真:第5位:M・ベンツSクラス(旧型)|なんでもベスト10

第5位:M・ベンツSクラス(旧型)

写真:第3位:ホンダレジェンド(現行)|なんでもベスト10

第3位:ホンダレジェンド(現行)

写真:第1位:ホンダインサイト(旧型)|なんでもベスト10

第1位:ホンダインサイト(旧型)

Report / 古賀 貴司