「維持費の負担が軽い車」を志向するトレンドは、新しい車の税制導入でますます加速する
2019/11/19
▲自動車・カーライフに関する調査研究機関「リクルート自動車総研」の膨大な統計データを基に、ユーザーの購買行動や世の傾向を勝手に予想したり解説したりするコラム。今回は、新税制導入でさらに需要が高まりそうな、維持費の負担が軽い車について軽減税率の陰に隠れた自動車関係税制の変更
消費税が10%に引き上げられてからはや2ヵ月以上がたった。今回の消費増税は軽減税率の導入もあり、是非はどうあれメディアでもことのほか大きく報じられていた。
それに比べると、同じタイミングに施行された自動車に関係する新税制の話題は影が薄かったような印象がある。
今年10月1日からスタートした自動車関係税制の変更点としては、まず、購入時にかかる自動車取得税が廃止され、新たに環境性能割が導入されたことが大きい。
また、10月1日以降に購入した新車(登録車)に対する自動車税の減税も注目すべき点だろう。
さらに、自動車重量税に影響するエコカー減税と自動車税に関わるグリーン化特例の期限も2年間延長されている。
環境性能や燃費を重視するユーザーが年々増加傾向に
新たに導入した税金に環境性能割という名称を採用したことからもわかるとおり、今回の税制は、平成21年度のエコカー減税導入から始まる、環境性能の優れた車への優遇税制路線をより明確化する狙いがあると考えてよいだろう。
下のグラフ①が示すとおり、車の維持にコストがかかると感じているユーザーが年々増えている。
その一方で、税金や燃料代が安く上がる車のニーズが高まっている(グラフ②)。
このトレンドは、今回の新税制導入でさらに加速するに違いない。
※2016年~2018年にリクルート自動車総研が行った『中古車購入実態調査』より
※2016年~2018年にリクルート自動車総研が行った『中古車購入実態調査』より税制を含め、規制や基準が車の進化とマーケットの変化に大きな影響力をもつことは、自動車史を見れば明らかだ。
仮に、今後も環境性能に優れた車に対する優遇税制が続いたとしよう。もちろん適用基準もどんどんエスカレートするはずだ。
そして、究極的にすべての車が化石燃料を使用せず二酸化炭素も出さなくなれば、例えば自動運転のような別方向の進化にドライブをかける規制や基準が設けられるだろう。
そして、究極的に安全な車が市場を席巻するようになると、次はもしかしたら車の素材、例えばプラスチックの代わりに木材を使用した割合に応じて税金が優遇されるようになるかもしれない。
いずれにせよ、環境性能や安全性の向上を後押しする手段としての租税政策は今後も何らかの形で取られていくに違いない。
ただし、その副作用として古い車が市場から駆逐されないことは切に願いたい。
新税制の恩恵大! 低予算で狙える諸費用&維持費の軽い注目モデル3選
1:マツダ デミオ(4代目)
▲新導入の環境性能割ではクリーンディーゼル車が非課税対象となるため、予算100万円でも見つかるデミオのディーゼル車はイニシャルコスト面でかなりのパフォーマンスを発揮2:トヨタ アクア(初代・現行型)
▲環境性能割の優遇対象となる2017年6月以降の物件に注目。予算100万円圏内ではやや選択肢が少ないが、130万円程度まで予算アップできればお得感ある物件が見つかるはず3:スズキ イグニス(初代・現行型)
▲マイルドハイブリッド車のイグニスの場合、2WD車が2020年度燃費基準+10%を達成しており、2020年9月30日まで臨時的軽減期間なら環境性能割は非課税となる日刊カーセンサーの厳選情報をSNSで受け取る
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