コペンが着せ替えキットをリリースしました。ワードローブにコートを並べるように、車の外装を揃える時代なんて……とっても素敵ですね。では、今週の車ニュース斜め読み、いってみましょう。

ニューモデル

■カッコイイ、着せ替えコペンの第3弾登場(ダイハツ発|6月18日)

『ダイハツ工業は、軽オープンスポーツカー「コペン」の3つ目の意匠となる「COPEN CERO(コペン セロ)」と「コペン エクスプレイ」の上級グレードとなる「コペン エクスプレイ S」を6月18日(木)から全国一斉に発売する。~(略)~ 今回発売した「コペン セロ」と昨年発売した「コペン ローブ」は、ドアを除く樹脂外板や、ヘッドランプなどの灯火器類を交換することが可能。量産車では世界初の試みとなり、ディーラーオプションとして設定。コペン ローブからコペン セロへの交換の場合35万円前後での発売開始を予定』

一粒で2度、3度、いや何度でも美味しい車がコペンということになります。今年10月に発売が予定されているセロは新車でも買えますが、ローブやエクスプレイのオーナーも自分のコペンをセロに換装できます。

少しズルいなと言いましょうか、術中にハマったと思うのは、セロが最もスタンードな顔つき、コンサバなデザイン、いや何としても押さえておきたい定番顏だということ。従来オーナーは手を伸ばしたくなりますよね。

良心的なのはその価格。35万円で再度、新車気分を味わえるならお安い! 中古のコペンを探して、セロにするとオトク感が高そう。私も後ほどカーセンサーnetで検索してみます。ちなみに、サードパーティからはユーザー自身がデザインしたパーツを3Dプリントして装着できるサービスまで発表されました。ますます、コペンワールドは広がりそうですね。

▲新たに登場したコペン セロ。第3弾にしてようやくコンサバ、かつ定番なマスクとなりました。こんなのを待っていた方も多いのでは。MTの車両価格は187万3800円(税込) ▲新たに登場したコペン セロ。第3弾にしてようやくコンサバ、かつ定番なマスクとなりました。こんなのを待っていた方も多いのでは。MTの車両価格は187万3800円(税込)
▲真ん中がコペン本体。右がローブで、左がセロ。気分に合わせて日替わりでスキンチェンジとはいかないでしょうが……。この仕組みは広がってほしい! ▲真ん中がコペン本体。右がローブで、左がセロ。気分に合わせて日替わりでスキンチェンジとはいかないでしょうが……。この仕組みは広がってほしい!

ルール・マナー・法律

■モナコグランプリならぬお台場グランプリが実現!?(オートスポーツWeb発|6月17日)

『今回、提出されることが明らかになった「自動車モータースポーツの振興に関する法律」は、“国民が身近にモータースポーツに親しむ機会の確保”や“観光振興などによる地域活性化”、“産業の発展や技術力の強化”など、5つの基本理念に基づき、構成されている。中でも“国民が身近にモータースポーツに親しむ機会の確保”という部分には、既報のとおり公道レースの実現が織り込まれていて、これがこの法案の目玉となっている』

お台場エリアの空気をビリビリと震わせながら、F1が公道を走る日がいよいよ近づくのでしょうか。そもそも日本は自動車立国です。広く自動車に関わる仕事をしている人は約550万人ともいわれます。

車を作るだけでなく、どう楽しむのか、どう楽しませるか、オーバーなのを承知で言えば日本全体のミッションであると思います。そのひとつが公道レースというのは、決して荒唐無稽な話ではございません。モナコGPのように国民はもちろん、世界の人々に愛されるレースが誕生することを切に願います。いや、他人事ではなく、応援したくなりますよね。

▲モナコはヨットで観戦ですが、お台場はやはり屋形船から観戦ということになるのでしょうか。昼間のレースの後、夕方からはフェスや花火……。面白くなりそうです! ▲モナコはヨットで観戦ですが、お台場はやはり屋形船から観戦ということになるのでしょうか。昼間のレースの後、夕方からはフェスや花火……。面白くなりそうです!

ルール・マナー・法律

■新東名の速度制限が120キロになる?(日本経済新聞|6月11日)

『静岡県内を走る新東名高速道路の最高速度を現在の100キロから120キロに引き上げるか否かの検討が続いている。地元自治体では、首都圏から所要時間が短縮することによる観光客増加に期待する声の一方、事故が増える懸念や経済効果を疑問視する声もある。警察庁は今年度、引き上げの是非を判断するため調査を始める方針だ』

たまたま思いついたアイデアではないのです。そもそも新東名はカーブの最小半径が3000m(東名は300m)、最大勾配が2%(東名は5%)など、より高い速度域での交通を想定して設計されています。もちろん、走る、曲がる、止まるといった車の走行性能が高まっているのは言うまでもありません。

地元の理解を得られて施行されるものなのは間違いありませんが、モータリゼーションやライフスタイルも変化していることを意識すれば、それにインフラをアジャストするべく検討するのは決して無駄にはなりませんよね。注視しましょう。

▲新東名はインフォメーションの面でも進んでいます。例えば、電光掲示板はカラーLED。速い走行スピード下でも情報を読み取りやすいのです ▲新東名はインフォメーションの面でも進んでいます。例えば、電光掲示板はカラーLED。速い走行スピード下でも情報を読み取りやすいのです

ニューモデル

■ランドクルーザープラドにディーゼル復活!(朝日新聞DIGITAL発|6月18日)

『トヨタ自動車は17日、スポーツ用多目的車(SUV)の「ランドクルーザープラド」を一部改良して発売した。排ガスを抑えた新開発のディーゼルエンジン(排気量2.8L)を採用したタイプを新たに加え、国内で8年ぶりにディーゼルの乗用車を復活~(略)~燃費は軽油1Lあたり11.8km』

実のところ、欧州ではディーゼル人気がガソリン人気をしのぎます。メルセデスや、ガソリンエンジンイメージの強いBMWでさえ、新車販売の比率はディーゼルエンジンが上なのです。

ガソリンエンジンに比べて燃費が良いといった面がありますが、魅力はそれだけではありません。以前、アウトバーンで同一車種を乗り比べたことがあります。BMWの先々代3シリーズだったのですが(320iと320d)、同じ速度で走っているとディーゼルはエンジン回転数が低く、車内でも会話がラク。ロングドライブでもストレスが少ないこと、まさに体感しました。走らせても気持ち良いのがディーゼルなんですね。

日本では窒素酸化物や黒煙、PMの排出がクローズアップされ、一時は完全に悪玉視されることもあったディーゼルですが、燃料噴射技術の革新なども進み、厚い信頼を取り戻すに絶好のタイミングとなっています。

さて、ランドクルーザープラドにディーゼルエンジンが復活というより、新たに設定されました。パワフルで力強くと、長距離を走らせやすい経済性(JC08モードで11.8km/L)で再び人気を集めそうです。

▲新ディーゼルエンジン(1GD-FTV)を設定したランドクルーザープラド。かつて1KZ系ディーゼルエンジンなど数々の名機を積んできたモデルです。車両価格は334万9963円~513万3927円(税込)。ディーゼルエンジン搭載モデルの価格は396万4582円~ ▲新ディーゼルエンジン(1GD-FTV)を設定したランドクルーザープラド。かつて1KZ系ディーゼルエンジンなど数々の名機を積んできたモデルです。車両価格は334万9963円~513万3927円(税込)。ディーゼルエンジン搭載モデルの価格は396万4582円~

まとめ

インフラも車も変わりつつあります。この後、変わることになるのは我々ドライバーなのでしょうか。変化は態度で表明できます。例えば、どんな車を選ぶのか……という消費行動です。車の選択は自分の未来を、社会の未来を変える可能性があります。ジックリ選びましょう!

今週も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

text/ブンタ photo/ダイハツ、ホンダ、NEXCO中日本、トヨタ