新車独特の“アノ臭い”がなくなる?
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2013/09/18
新車に乗り込んだときに鼻腔の奥をくすぐる独特のニオイ。あえて言うなら、そのまま“新車のニオイ”といったところか。車好きのなかには、新しい車を手に入れたという実感が湧くので好き、なんてい人もいるかもしれないが、一方で、車酔いの原因になったり、ニオイ自体に不快感を覚える人も少なくない。
実はこの新車のニオイを発生させているのは、「VOC」(Volatile Organic Compounds)と呼ばれる物質。大気中で気体となる有機化合物の総称であり、多種多様な物質が含まれている。車では、シートや内装材の製造に使われるウレタン発泡触媒が「VOC」発生の主因で、いわば“新車のニオイ”は化学物質の残り香といったところだろうか。
「VOC」は、大気や土壌などの汚染原因のひとつ。昨今の世界的な環境保護意識の高まりを受けて「VOC」の低減は課題のひとつとなっている。そこに目をつけて開発されたのが、「VOC」が発生しない環境対応型ウレタン発泡触媒「RZETA」(R)。長年、ウレタン発泡触媒製品を製造・販売してきた「東ソー」の商品だ。
この商品、「VOC」の発生がないことから、ウレタン樹脂特有の臭気を抑えることに成功している。簡単にいえば、独特の“新車のニオイ”がしないということ。「東ソー」では、これを大きなポイントとして、山口県周南市に約20億円を投じて専用プラントを整備、2014年11月に生産を開始する予定だ。
もしかすると近い将来、“新車のニオイ”という表現が伝わらなくなるかもしれない。化学物質が低減されるのはいいことだが、少しだけ寂しさも感じてしまう技術革新だ。