▲開通前の高速道路を見学できる貴重な機会に恵まれたので、ちょっと報告させてください!▲開通前の高速道路を見学できる貴重な機会に恵まれたので、ちょっと報告させてください!

2020年に開通予定の新東名

こんにちは、編集部の井上です。いきなりですが皆さんは「新東名高速道路」をご存じでしょうか。

東京と名古屋を結ぶ「東名高速道路」と並行する新しい高速道路で、関東近郊や東海地方の方には馴染みのある区間かと思います。

具体的には、神奈川県海老名市から静岡県を経由し愛知県豊田市までをつなぐ道路で、2020年には全区間が開通する予定。そう。絶賛建設中なんですよね。

え? なんで建設中の高速道路の話をわざわざするかって?

実は先日、この「未開通区間」に潜入することができたんです!!

キッカケは、JAFさんから届いた一通のメール。そこには『今だけしか見られない! 未開通の新東名高速道見学ツアー』とのタイトルが踊っており、何やら楽しげな案内が。

これはぜひ取材したい! と問い合わせたところ、ツアー前の視察にメディアとして同行可能とのこと。そんなこんなで、いわゆる建設途中の高速道路に立ち入りが許されたというわけです。ヤッター!

で、雑誌カーセンサーの連載「#かえセンサー」チームでロケを決行してきたのですが、そこで見て聞いて体験したことにちょっと感動してしまったので、誌面だけでなくこちらでもお伝えしたいと思います!

▲こんな感じでヘルメットを装着し、いわゆる「立ち入り禁止」看板の向こう側へ……! 純粋な子どものようなワクワク感でいっぱいでした ▲こんな感じでヘルメットを装着し、いわゆる「立ち入り禁止」看板の向こう側へ……! 純粋な子供のようなワクワク感でいっぱいでした

2つの工事拠点を探訪

まず案内されたのは、神奈川県秦野市の高取山トンネル西工事現場。ちなみにアテンドはNEXCO 中日本の方々で、実際のツアーでも案内に立たれるそうです。

……皆さんは、掘ってる途中のトンネルに入ったことあります? 私はありません!!!!

よく考えたら、高速道路のトンネルなんて完成形でも自分の足で降り立ったことがありません。ですから、入口を目の前にして、まずその大きさにビックリ。そうか。こんなところをいつも車で通っているんだっけ……。

▲こちらがが高取山トンネル。私たちは、西坑口側を見学させてもらいました ▲こちらがが高取山トンネル。私たちは、西坑口側を見学させてもらいました
▲中はこんな感じ。工事車両が並ぶ異様な空間。車で奥まで入ったのですが、ヘッドライトが照らす目の前の光景がRPGというか、デ●ズニーランドというか、見渡す限りそんなファンタジーな感じで「おおおおおお」としか言葉がでませんでした。もちろん舗装前なので、下は凸凹道です ▲中はこんな感じ。工事車両が並ぶ異様な空間。車で奥まで入ったのですが、ヘッドライトが照らす目の前の光景がRPGというか、デ●ズニーランドというか、見渡す限りそんなファンタジーな感じで「おおおおおお」としか言葉がでませんでした。もちろん舗装前なので、下は凸凹道です
▲で、ここが行き止まり部分。素人の私は、ドリル的なものでダダダダ~! とやっているところを想像していたのですが、ダイナマイトで爆破して掘り進めるのだそうです。大きさや土壌などにより作業方式は異なるそうですが、この場所は日々ダイナマイトで砕きながら進んでいるのだとか。すげぇええええ ▲で、ここが行き止まり部分。素人の私は、ドリル的なものでダダダダ~! とやっているところを想像していたのですが、ダイナマイトで爆破して掘り進めるのだそうです。大きさや土壌などにより作業方式は異なるそうですが、この場所は日々ダイナマイトで砕きながら進んでいるのだとか。すげぇええええ

ちなみに、トンネル工事は両方向から進めるのだそうです。ですので、この現場も向こう側から掘り進めている人たちがいるんですね。

大きな山に穴をあけるだけでも大変な作業ですが、土壌を調査したり、環境保全対策をとったり、作業員の安全を確保をしたり、とても綿密な計画と設計の元、工程が組まれているそうです。

さらに、埋蔵文化財といって、いわゆる土器やはにわなど歴史的なものの採掘も行うのだとか。特にこの区間は、埋蔵文化財の多い地域らしく、超貴重な土偶とかがじゃんじゃん出てきているそうです。

お恥ずかしながら、そんなこと全く知らなかったので「へぇ~!」が止まりませんでした。

次に、案内されたのは、神奈川県 山北町の工事現場。「道の駅 山北」のすぐ近くに位置しています。

ここでも「立ち入り禁止」看板の向こう側へ……。

▲おおおおおお! 切り拓かれた道に、様々な重機が! SUVのオフロード試乗会のような気分でした ▲おおおおおお! 切り開かれた道には、様々な重機が! SUVのオフロード試乗会のような気分でした
▲見渡す限りこんな景色です。ここに高速道路ができるなんて、全然想像できません…… ▲見渡す限りこんな景色です。ここに高速道路ができるなんて、全然想像できません……

ここは現在「盛り土」作業の真っ最中。トンネルを掘って出た土など、最終的には約320万m3の土を受け入れるのだそうです。

さ、さんびゃくにじゅうまん、りっぽうめーとる……つまり辺の長さが1mの立方体が320万個分ってこと??

なんだか全然想像できないのですが、超大量であることは理解できました。そりゃ、こんなに重機も必要だわ……。

で、これだけの土を運んでくるわけですから、工事用道路なんかも必要になってくるそうです。道路を作るための道路を作る……なんかややこしい表現になっていますが、とにかく果てしない工程なのですね。

▲これは高台の上にあるプレハブから見下ろした建設現場。ここにどんどん土が盛られていって、最大で70mを超える盛土高になるそうです。上から見てもここに高速道路ができるなんてイメージできないよ…… ▲これは高台の上にあるプレハブから見下ろした建設現場。ここにどんどん土が盛られていって、最大で70mを超える盛土高になるそうです。上から見てもここに高速道路ができるなんてイメージできないよ……
▲めちゃめちゃたくさんの重機がお仕事しているのですが、どれも普段町中で目にするものとサイズ感が違いすぎてビックリ……。ツアーでは、このような重機に乗ることができます! 私たちも体験させてもらったのですが、いい大人かつ普段、全然興味のない私でも超興奮しました ▲めちゃめちゃたくさんの重機がお仕事しているのですが、どれも普段街中で目にするものとサイズ感が違いすぎてビックリ……。ツアーでは、このような重機に乗ることができます! 私たちも体験させてもらったのですが、いい大人かつ普段、全然興味のない私でも超興奮しました
▲サイズ感、伝わるでしょうか…… ▲サイズ感、伝わるでしょうか……
▲ショベルの部分に人が収まっちゃうような、そんなサイズです ▲ショベルの部分に人が収まっちゃうような、そんなサイズです

ツアーでは、このような現場見学に加え、NEXCO 中日本事業PR館で映像や模型を用いた説明も聞くことができます。ドローンから撮影した動画や、VRによる見学ができるそう。このような施設があることも知らなかったので、ビックリしました。

ツアーに限らず、子供の自由研究や観光として訪れても楽しそうです。(訪問方法は記事下部をご覧ください)

何気なく通っていた高速道路の裏側

と、いう感じで、本番ツアーさながらの見学をさせていただいたわけですが、思ったことは……「道って、ありがたいんだなぁ」ということ。……文字にしてしまうと薄っぺらいですね(笑)。

自動車メディアに携わる身として、日々、車については学んだり、触れたり、考えたりする機会は多く、当然のように「楽に移動できてありがたいなぁ」「ドライブ楽しいなぁ」という気持ちになることは頻繁にあります。

しかし、その車が通る道路にも、様々な技術や努力、そしてロマンがあるのだなぁと、現場を見て、そこで働いている方たちを見てひしひしと感じたのでした。

実際のツアー「今だけしか見られない!未開通の新東名高速道見学ツアー【インフラツアーって何!?未開通の高速道路に潜入してみよう!】」は、11月から12月にかけて計6日間開催とのこと。10月19日(金)まで受付を行っているそうなので、タイミングが合う方はぜひご応募ください!(すでに定員となっている日が多いのですが、まだ数枠空きがあり、今埋まっている日にちも今後キャンセルが出れば都度お知らせが更新されるそうです)

また、今ツアーに参加できなかった方も、事業PR館の見学は予約制で可能なので、ぜひ足を運んでみてください!

そして、雑誌カーセンサーの連載「#かえセンサー」でのレポートも、お楽しみに!

text/編集部 井上恵利
photo/篠原晃一