日産自動車大学校の学生たちが参戦するスーパー耐久シリーズが今年も開幕。カーセンサーは、今シーズンも彼らの活動をサポートする。

若者の車離れを食い止めたい、そんな思いからSUPER GTやスーパーフォーミュラに参戦するKONDOレーシングと自動車整備士を育成する日産自動車大学校のコラボレーションが実現し、昨シーズンより同校の学生たちがスーパー耐久シリーズに参戦している。若者に自動車の魅力を伝えたいと考えるカーセンサーもこのプロジェクトの趣旨に賛同し、チーム発足当初よりその活動をサポートしている(2012年シリーズのレポートはこちら)。

このプロジェクトは、学生たちがレースの現場で学ぶ、いわば「課外授業」。プロのエンジニアに混じって学生たちがピットワークを行うテクニカル領域だけでなく、スポンサー企業へのホスピタリティなどを担当するマネジメント領域やプレスリリースなどの広報活動も学生たちが担当。また、レースチームに加わっていない学生たちもサーキットを訪れ仲間を応援する。18歳から22歳の学生たちが、レーシングカーのスピードや迫力をリアルに体感し、同時にチームワークの大切さも学ぶプログラムとなっている。

2013年のスーパー耐久シリーズは4月20日にスポーツランドSUGOで開幕。今シーズンは全8戦ある中から、スポーツランドSUGO、ツインリンクもてぎ、富士スピードウェイ、岡山国際サーキット、鈴鹿サーキットの5戦を戦う計画だ。ドライバーは昨年同様に藤井誠暢選手とGAMISAN選手がメインとなり、第3ドライバーとしてGT300で活躍する千代勝正選手または期待の若手ドライバー佐々木大樹選手が加わる。

開幕戦の舞台となったスポーツランドSUGOには、ドライバーの藤井選手とGAMISAN選手、千代選手、KONDOレーシングスタッフ、そして栃木校と横浜校の学生計75名が集結した。

予選はパフォーマンスを大幅に向上させたGT-R GT3が藤井選手と千代選手のドライブで快走。わずか0.4秒差でポールポジションこそ譲ったものの、コースレコードを更新する走りでフロントローを獲得。トップもGT-R GT3だったため、決勝はこの2台によるガチンコレースになると誰もが予想した。

しかしながら決勝日は早朝から雪。サーキットを真っ白な雪が覆い尽くした。レース主催者は雪がやむことを願いながらスケジュールの大幅変更を行ったが、降りやむ気配がないことから午前11時30分に開幕戦の中止を決定した。

学生たちは一様に残念そうな表情を見せたが、学生の一人は「予選の走りで優勝を狙える位置にいることがわかりました。次回は優勝できるよう私たち学生は勝つための雰囲気作りをしていきたいです」とコメント。また、予選を走った千代選手は「初日は初めての仕事に戸惑っているように見える学生さんもいましたが、日に日に作業のペースも上がって、土曜日には見違えるようになりました」と学生たちの頑張りを高く評価した。

KONDOレーシング×日産自動車大学校による次回のスーパー耐久シリーズ参戦は、7月20~21日に栃木県にあるツインリンクもてぎで行われる第3戦となる。

Text/石川茂幸

公式練習から好タイムを連発した日産自動車大学校のGT-R GT3。2013年マシンはダウンフォースが増えコーナリング性能が向上

公式練習から好タイムを連発した日産自動車大学校のGT-R GT3。2013年マシンはダウンフォースが増えコーナリング性能が向上

日産自動車大学校のGT-R GT3のドアには昨シーズン同様、協賛企業のロゴが。カーセンサーのロゴも貼られている

日産自動車大学校のGT-R GT3のドアには昨シーズン同様、協賛企業のロゴが。カーセンサーのロゴも貼られている

KONDOレーシングのエンジニアとともにピットで活動するメカニカル領域担当の学生たち。本物のレーシングカーを前に緊張の面持ち

KONDOレーシングのエンジニアとともにピットで活動するメカニカル領域担当の学生たち。本物のレーシングカーを前に緊張の面持ち

走行時間外はスリーボンドやKONDOレーシングによる講座が開かれ、コントロールタワーなどの施設の見学も行われた

走行時間外はスリーボンドやKONDOレーシングによる講座が開かれ、コントロールタワーなどの施設の見学も行われた

決勝は早朝からの降雪により中止に。マシンはピットから一度も出ることなく1日を終えることになった

決勝は早朝からの降雪により中止に。マシンはピットから一度も出ることなく1日を終えることになった