日産自動車大学校の学生たちによるスーパー耐久シリーズ参戦は、11月10日(土)・11日(日)に九州のオートポリスで開催された第6戦で今シーズンの活動を終えた。若者の車離れを食い止めたいと学生たちをモータースポーツに参加させ、サーキットで車のもつ魅力を感じてもらいたいと始まったこのプロジェクト。今回はこのプロジェクトに関わった関係者のコメントで、1年目のシーズンを振り返る。

今シーズン、Aドライバーとして日産自動車大学校GT-Rのステアリングを握り、チームを初優勝へと導いた藤井誠暢選手は「今年一緒にやらせていただいて楽しかったし、あっという間に終わった。レースはいろいろな要素があるので勝つことは難しいが、優勝も経験できてよかった。今年初めから明らかにいろいろな面でステップアップしている。私自身も学生の皆さんと一緒にいろいろなことを学ぶことができた。来シーズンも、一緒に頑張りたい」とコメント。

このプロジェクトの発起人の一人であるKONDOレーシングの河野初樹さんは「ツインリンクもてぎで学生たちに初めて会って、菅生、岡山、鈴鹿、オートポリスと、回を重ねるごとに彼らの目つきが変わっていく様子がわかった。自分たちから積極的にコミュニケーションを取り、何か与えられるのを待っているのではなく、自分から興味を持ち、積極的に動くようになった。車好きを育てるというこのプロジェクトは本当に良い方向へ歩みだしたという実感がある」と語った。

横浜校で広報を担当した学生は「自分のチームの車がトップを走っている。それだけで感動を覚えました。学生の多くがそんな熱い気持ちを持って今シーズンのレースに取り組んできました。“コミュニケーションの大切さ”“整備士の責任の重さ”“チームワークの大切さ”これら3つを課題として取り組み、今以上にいいチームで活動できるよう日々努力しています。普通はできないレース活動から多くのことを学ばせていただき、学生一同感謝しています」と得難い経験を振り返る。

日産自動車大学校のスーパー耐久シリーズ参戦プロジェクトは1年目の活動を終えたばかり、来シーズンも学生たちがレースの現場で学ぶ“特別課外授業”にぜひ注目してほしい。

■日産自動車大学校×KONDOレーシング
  2012年スーパー耐久シリーズ リザルト

第2戦:ツインリンクもてぎ/予選:3位 決勝:DNF
第3戦:スポーツランド菅生/予選:4位 決勝:DNF
第4戦:岡山国際サーキット/予選:1位 決勝:優勝
第5戦:鈴鹿サーキット/予選:3位 決勝:第1レース2位/第2レース3位
第6戦:オートポリス/予選:35位 決勝:3位

※カーセンサーS耐プロジェクトについて
若者の車離れを食い止めたい、そんな思いからKONDOレーシングを率いる近藤真彦監督と国家整備士を育成する日産自動車大学校のコラボレーションが実現し、学生たちによるスーパー耐久シリーズ参戦が始まった。このプロジェクトに賛同するカーセンサーは、今シーズン彼らのレース活動をサポートしている。

デビュー戦となったツインリンクもてぎ。学生もチームスタッフも緊張した面持ちなのがよくわかる

デビュー戦となったツインリンクもてぎ。学生もチームスタッフも緊張した面持ちなのがよくわかる

初優勝を決めた岡山ラウンド。レース後のピットで行われた記念撮影では学生も近藤真彦監督も最高の笑顔

初優勝を決めた岡山ラウンド。レース後のピットで行われた記念撮影では学生も近藤真彦監督も最高の笑顔

今シーズン最終戦オートポリス。プロジェクトに関わる全員の一体感が1枚の写真から伝わってくる

今シーズン最終戦オートポリス。プロジェクトに関わる全員の一体感が1枚の写真から伝わってくる