10月20日~21日に鈴鹿サーキットで世界ツーリングカー選手権シリーズ(WTCC)日本ラウンドが開催された。WTCCはF1やWRCなどと同じ世界選手権レースのカテゴリーのひとつで、市販車をベースにチューニングを施したマシンが主役。毎戦、超接近戦が繰り広げられることで知られ、その激しいバトルに“けんかレース”といわれることもあるほど。シリーズ第10戦として開催された鈴鹿では、シボレー、セアト、BMWらに加え、ホンダが加わりファンの前でアツい“けんか”を楽しませてくれた。

近年、WTCCで圧倒的な強さを見せているのがシボレー勢。今大会でもその強さは変わらず予選から上位を独占し、レース1ではアラン・メニュ選手が優勝、2位にイヴァン・ミュラー選手、3位にロバート・ハフ選手とあっさり表彰台を独占してみせた。予選10番手から順にスターティンググリッドに並びスタートするレース2でもシボレー勢は着実な走りでハフ選手が4位、メニュ選手が5位、ミュラー選手が6位でフィニッシュ。シボレー勢は日本ラウンドで前人未踏のマニュファクチャラータイトル3連覇を決めることになった。

今大会、独自に開発した4気筒の1.6Lターボエンジン“HR412E”を搭載したシビックWTCCを投入したホンダは、初参戦ながらレース1で9位、レース2で10位フィニッシュし初ポイントを獲得。優勝争いを繰り広げるトップチームとの差はまだまだ大きいが、今シーズンの残り3戦でマシンの熟成を図り、フル参戦となる来シーズンは優勝を目指す。ドライバーのティアゴ・モンテイロ選手は「10位以内に入るという目標が達成できて満足しています。マシンはかなりいい感触でした」とシビックWTCCのポテンシャルの高さに大満足の様子だった。

世界各国を回るWTCCは、このあと中国ラウンド、マカオラウンドと転戦する。いまだ確定していないシボレーチームのハフ選手とミュラー選手のドライバータイトル争いの行方はいかに? そしてホンダの大躍進はあるか? 残り2戦も注目だ。

1.6Lターボエンジンを搭載するシビックWTCC。初参戦ながらポイント獲得という大活躍をみせた”

1.6Lターボエンジンを搭載するシビックWTCC。初参戦ながらポイント獲得という大活躍をみせた

今シーズン限りでWTCCを撤退するシボレー勢だが、その速さは別格。鈴鹿でのレースも表彰台を独占する活躍をみせた

今シーズン限りでWTCCを撤退するシボレー勢だが、その速さは別格。鈴鹿でのレースも表彰台を独占する活躍をみせた

シボレーはマニュファクチャラータイトル3連覇を鈴鹿で決めた。ボウタイがかわいい必勝祈願ダルマにも目がはいった

シボレーはマニュファクチャラータイトル3連覇を鈴鹿で決めた。ボウタイがかわいい必勝祈願ダルマにも両目がはいった