カーセンサーは今シーズン、スーパー耐久シリーズに参戦するKONDOレーシング×日産自動車大学校を応援している。今週末は、そのスーパー耐久シリーズの第5戦、鈴鹿ラウンドが開催される。前戦、岡山ラウンドで初めて優勝する喜びを経験した学生たちは大会連覇に向けて気合いも十分だ。第5戦、鈴鹿ラウンドの開幕を目前に、これまでの3戦を振り返っておこう。

学生たちのスーパー耐久参戦は第2戦のツインリンクもてぎから始まった。ピットスタッフのサポートを行うテクニカル部門、広報やケータリングを担当するマネージメント部門に別れ、総勢60名の学生がこのプロジェクトに参加した。初めてのサーキット、初めてのレーシングカー、すべてが未体験という状況に加え、参戦マシンとなるGT3仕様のGT-Rもおろしたてということもあり、ツインリンクもてぎでの一戦は、フリー走行時間を使ったテストが当初の主目的だった。

しかし、近藤監督が学生たちの頑張りとその表情を見て、急遽予選および決勝への挑戦を決定。学生たちはKONDOレーシングスタッフの要望に精一杯に応え、初のレースを体験した。第2戦は良い結果こそ残せなかったものの、レースの現場でチームワークの大切さを学んだ。

第3戦は宮城県の菅生サーキットで開催。菅生ラウンドは横浜校の生徒に加え、栃木校の生徒も合流しての参戦となった。予選4番手からスタートした決勝では、レース中盤に他のマシンに接触したことにより左リヤ足廻りに損傷を受け、修理に1時間を要した。結果、表彰台争いには絡めなかったが、チームは最後まで走りきり初の完走を果たした。

栃木校から初参戦した学生は、
「初めてのプロジェクトで貴重な体験を沢山できて、レースってこんなに楽しいんだ!って考え方になりました。大変なことも沢山ありましたが、その分、乗り越えられたときには最高の達成感を感じることができたので、次回もチャンスがあれば参加したいです」
と喜びを露わにした。

8月に行われた第4戦、岡山国際サーキット。この大会には横浜校に加え、京都校の学生たちが参加。京都校からはチームスタッフのほか600人の学生が応援に駆けつけた。レースは金曜日のフリー走行でフロントを損傷したものの、学生達による懸命の修復により土曜日の予選に出走、見事ポールポジションを獲得。迎えた決勝では、序盤から後続を引き離しレースをリード。ポジションを守りきり、チームにとって、そして学生たちにとって初めての優勝を果たすことができた。

横浜校の広報担当の学生は、
「3時間のレースを走り終えファーストチェッカーを受けたとき、思わず涙がこぼれ、止まりませんでした。震える手でシャッターボタンを押し続けましたが、ファインダーの映像がかすんで見えました。モータースポーツは、人に感動を与え、多くのことを教えてくれると改めて実感しました。"勝ちにいくレース"の緊張感、そしてあきらめないという気持ちなどを実際に体験することで得られたものも多いと思います」
と振り返った。

今週末のスーパー耐久鈴鹿ラウンドは世界ツーリングカー選手権シリーズ日本ラウンドとの同時開催。日本各地から数多くのモータースポーツファンがサーキットを訪れる。たくさんの注目を浴びながら、学生たちは大会連覇を目指しレースに臨む。

悲願の初優勝を手にした岡山ラウンド。KONDOレーシングと日産自動車大学校の学生達は、鈴鹿ラウンドでの連覇を狙う

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初参戦となったツインリンクもてぎ。近藤真彦監督自らが学生たちに様々なアドバイスをする

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KONDOレーシングのスタッフとともにピット内で活躍する学生たち。チームワークの大切さも学ぶ

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