I邸・鴨川のガレージハウス + 濱田卓志
カテゴリー: カーライフ
タグ: EDGEが効いている / ガレージハウス
2012/05/16
本格的なツールを備えて車イジりを堪能する
サーキット走行を趣味とするI夫妻は、愛車のチューニングアップや整備のために魅せるとイジるを兼ね備えたガレージを作り上げた
居住空間とガレージの絶妙の距離感が魅力
黒いガリバリウム鋼鈑を使ったスクエアな外観は、まるでチューニングファクトリーのような趣。ガレージを覗くと、チューニングアップされたマツダ RX-7が並んでいる。この2台はサーキット専用で、Iさんと奥様それぞれの愛車だという。
設計担当は建築家の濱田卓志さん。もともとIさんは、自邸を新築するにあたりハウスメーカーに相談をしたらしいが、設計段階で希望を叶えることは難しいといわれてしまい、奥様の従兄弟にあたる濱田さんに相談を持ちかけたという。
I夫妻が希望したのは、2台のRX-7を収納し、リビングルームから眺めることができるガレージ。そして整備ができるスペースを確保すること。さらに、大きなガレージを実現しながらも、住空間は明るく風通しが良いこと。広い土地があるとはいえ、建築家にとってはこの希望をバランスさせるのは容易ではなさそうだ。濱田さんに、I邸設計時のこだわりをうかがった。
「こだわったのは、ガレージからリビングルームと各室とのつながりを考えた空間構成です。ガレージに自然光が届くようにリビングルーム上部を吹き抜けとし、明るい空間としました。また、家のどこにいても家族の存在が感じられるように、立体的に各室がつながるような空間構成としています」
リビングルームからガレージへの動線を確認していると、2つの空間のフロアレベルが同じであることに気づく。これは、I夫妻の「人とクルマの距離を近づけたい」という希望により、濱田さんが提案し実現した造形だ。こうすることで、2台の愛車をまるでインテリアの一部のように感じることができる。これについて濱田さんは、「お気に入りの愛車を収納するガレージであれば、絵画や書を飾るのと同様に、日々目にする位置にレイアウトし、生活と近い関係を築くのが理想です」と、ガレージと住空間の関係についての考えを教えてくれた。
ガレージには、メンテナンスのための工具だけではなく、タイヤチェンジャーまで設置されている。ここでIさん夫妻は休日を過ごすことが多いという。まだ小さなふたりのお子様がいる身としては、自宅のなかで、しかもリビングルームから直結する趣味の空間で余暇を過ごせることは、なによりの幸せだ。
鴨川のガレージハウス
建築家:濱田卓志
tel.04-7093-7116http://hamada1.jp/
所在地:千葉県 主要用途:専用住宅
構造:木造 規模:2階建て 敷地面積:728.42㎡ 延床面積:166.44㎡
設計・監理:濱田建築研究室/濱田卓志
文・菊谷 聡 text / KIKUTANI Satoshi
写真・茂呂幸正 photos / MORO Yoshitada
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