NASVA(独立行政法人自動車事故対策機構)と国土交通省は、2012年度の自動車アセスメント(安全性能評価)の結果を発表した。最高得点を記録したのは三菱 アウトランダー。最高評価である5つ星を獲得した車に贈る「JNCAPファイブスター賞」だけでなく、これまでの最高得点を更新した車に贈る「JNCAP大賞」も受賞した。

自動車アセスメントは毎年、その年の国内販売台数が多い新車を対象に各種衝突試験を実施。「乗員保護」「歩行者保護」「シートベルトリマインダー(着用してない際の警報装置)」の3つの基準で、車の安全性能を評価している。

2012年度は13車種が試験対象となり、マツダ CX-5、スバル レガシィなど6台が「JNCAPファイブスター賞」を受賞、その中でアウトランダーはこれまでの得点記録を塗り替えている。2011年度に受賞したのは3台だったことを考えると、安全に配慮した車が増えたといえる。

アウトランダーは2012年10月に発売され、「衝突被害軽減ブレーキシステム」と「レーダークルーズコントロールシステム」「車線逸脱警報システム」の3つのシステムから成り立つ「e-Assist」を採用したことで注目を集めた。

今回の受賞では、その予防安全技術ではなく、車両自体の安全性と、乗員と歩行者への被害を抑える衝突安全技術が評価された。

高張力鋼板をより広範囲で用いた衝突安全強化ボディなどにより軽量化と高い安全性能を両立。ボンネットなどの衝撃吸収を最適化し頭部へのダメージを減らすなど、歩行者への損傷軽減も徹底されたという。

自動車アセスメントは現実の事故の実態に合わせて審査方法を変え、審査基準も年々厳しくなっている。そんな中、過去最高の得点をたたき出した三菱 アウトランダーは「史上最も安全な車」といっても過言ではないだろう。

【ファイブスター受賞車と得点】
208点満点(乗員保護+歩行者保護+シートベルトリマインダー )
・三菱 アウトランダー:184.6点(93.17点+85.61点+5.90点 )
・マツダ CX-5:184.3点(91.60点+88.74点+4.00点 )
・スバル レガシィ:182.9点(91.33点+86.27点+5.33点 )
・トヨタ カローラ フィールダー:178.4点(90.20点+84.27点+4.00点 )
・ホンダ CR-V:176.7点(93.26点+79.16点+4.00点 )
・スバル インプレッサ:174.2点(81.21点+87.02点+6.00点 )

5月10日に二子玉川ライズで行われた「JNCAPファイブスター賞」および「JNCAP大賞」の授賞式会場に展示されていた三菱 アウトランダー

5月10日に二子玉川ライズで行われた「JNCAPファイブスター賞」および「JNCAP大賞」の授賞式会場に展示されていた三菱 アウトランダー

展示車両の側面。車両が止まった状態で950㎏の台車を時速55km/hでぶつける側面衝突実験を行った結果、このような状態に

展示車両の側面。車両が止まった状態で950㎏の台車を時速55km/hでぶつける側面衝突実験を行った結果、このような状態に

オフセット前面衝突実験の様子。時速64km/hでアルミハニカムに運転席側の一部をぶつけ、乗員保護性能を評価(NASVA)

オフセット前面衝突実験の様子。時速64km/hでアルミハニカムに運転席側の一部をぶつけ、乗員保護性能を評価(NASVA)