警察庁交通局交通企画課が2012年の交通事故死者数を発表した。事故から24時間以内に死亡した人の数は4411人で、前年比201人(4.4%)の減少。終戦から6年後の昭和26年(4429人)を下回る水準となっている。

交通事故の死者数は高度成長期の昭和45年には1万6765人にのぼったが、昨年はピーク時のおよそ1/4まで減少した。一方で交通事故発生件数は66万4907件と、ピークだった平成16年(95万2191件)の約7割にとどまっている。負傷者数も82万4539人と、同じく最多だった平成16年(118万3120人)のおよそ7割だった。

年代別では65歳以上の高齢者の死者数が微増となっており、全体の50%余りを占めている。今後高齢化社会を迎えるにあたっての課題となりそうだ。

昭和期までは事故件数、死者数、負傷者数がほぼ比例していたのに対し、平成に入ってから死者数だけが大幅に減少した理由は、エアバッグやABSなど車の安全装備が急速に普及したことが挙げられる。

より安全で安心な車社会を実現するため、メーカーは、衝突を回避する機能など、事故そのものを起こさない方向に車の安全装備を進化させ続けている。そういった車が普及することで、こういった調査による事故件数そのものの減少にも拍車がかかるだろう。

とはいえ、滋賀県では昨年の自動車乗車中の死者34人中、14人がシートベルトを着用していなかった。せっかくの安全装備も利用されなければ意味をなさない。ドライバー一人一人が車の安全な運行に対して意識を強く持つことも大切だ。

死亡者数は昭和45年にピークを迎え、昭和63年からふたたび1万人を突破するものの、平成4年からはどんどん減少している

死亡者数は昭和45年にピークを迎え、昭和63年からふたたび1万人を突破するものの、平成4年からはどんどん減少している