警察庁が、2013年(平成25年)の交通事故死者数を発表した。これによると死者数は4373人で前年比-38人となり、5年連続の4000人台で、13年連続の減少となっている。

この数は死者数が過去最悪だった1万6765人(昭和45年)の約1/4となり、大幅に減少したといえる。これはさまざまな機関や団体の活動があったからこそで、それに加え車の進化も大きな要因といえるだろう。

具体的には、ABSやエアバッグ、横滑り防止装置のほか、スバルのアイサイトに代表される運転支援システムの普及などが挙げられる。事実、先の過去最悪の死者数を出した昭和45年の事故発生件数は71万8080件だが、平成25年の同件数は62万8248件と、件数自体は10万件程度しか変わっていない。

それでいて死者数が約1/4になっているということは、事故が起きても死に至る確率が大幅に減少していることを示している。つまり、車の安全装備の進化が、交通事故死者数の減少に貢献していると見て取れる。

とはいえ、それでも1日の平均死者数は11.98人で、2時間に1人が亡くなっている計算になる。また、高齢者の死亡事故はここ数年ではさほど減っておらず、平成25年に関しては、わずかながら増えてしまっている。

飲酒運転などはもってのほかだが、自分のドライビングテクニックに過信することなく、また車の安全装備に頼り切ることなく、自身の五感を研ぎ澄まして事故防止に努めたい。

死亡事故の抑制に大きく貢献したのがエアバッグ。運転席や助手席だけでなく、サイドやカーテン、ニーエアバッグなど多様化が進んでいる

死亡事故の抑制に大きく貢献したのがエアバッグ。運転席や助手席だけでなく、サイドやカーテン、ニーエアバッグなど多様化が進んでいる

自動でブレーキを掛けたり、先行車を自動追従したりといった先進運転支援システムも、重大な交通事故防止に役立っている

自動でブレーキを掛けたり、先行車を自動追従したりといった先進運転支援システムも、重大な交通事故防止に役立っている