【試乗】新型 スバル XV|成熟が期待できるプラットフォームだけに、さらに先のマイナーチェンジも楽しみなモデル
2020/01/03
2.0L NAグレードを廃止し、e-BOXER化
スバル XVは、マットブラックのフェンダーおよびバンパーの一部に加飾を施すなど、シティ派ながら力強いイメージのデザインに定評があるモデル。ご存じのとおり、このデザインは、2代目モデルで磨かれ、アイデンティティとして3代目にも継承された。
この3代目・現行型は、張り出したテールランプなどデザインの部分が更に磨かれた。そして、なんといっても大きな変化は、5代目インプレッサで採用されたSGP(スバルグローバルプラットフォーム)の採用であろう。
乗用車からSUVまで網羅しなければならないプラットフォームのつくりは難しいところであるが、過去の乗用車をリフトアップさせて実績を得てきたスバルにとっては、新たなプラットフォームにもそのあたりのノウハウと、既存フレームではできなかったサスペンション設計の自由度も盛り込んでいるはずだ。
だからこそ、マイナーチェンジモデルにも期待がもてるのである。
4人乗車が思いのほか好印象
乗用車ベースにつくりこんだプラットフォームは、リフトアップするとサスペンションのしなやかさが減少する傾向にある。
3代目XVは、これから成熟が期待できるプラットフォームだけに、発売から2年経過したマイナーチェンジではどのように変わったのだろうか。
なお、内装や装備の変更は、ある意味スバルらしくないと感じたので割愛させていただく。この記事では、乗ってみたフィーリングを報告したい。
パワーユニットは、1.6Lモデルと、今回のマイナーチェンジで「e-BOXER(スバルの電動化技術)」仕様に切り替わった2.0Lモデルの2本立て。今回は、後者の2.0L e-BOXERモデルの最上級グレード「アドバンス」の試乗となる。
スタートは、東京タワーからだ。芝公園から首都高速に入り横羽線でパシフィコ横浜へと向かうコース。
大人4人と4人分の荷物を積んでの試乗となったが、走り出しに不満はない。静粛性も高く、「こんなに静かだったっけ?」なんて会話するぐらい、前席・後席の会話も弾む。
首都高速に入る。芝公園の入り口から本線合流までのアプローチは非常に短いが、スムーズな加速を見せてくれた。電動アシストの働きが押しつけがましくなく感じる。
ここから横羽線は、逆バンクのコーナーがあったり路面のアスファルトが古い感じだったりで、ロードテストにはとてもいいコースだ。
XVのいいところは、スポーティなハンドリング。切り始めの車の動きは、オーバーハングがあるエンジンを搭載していながら軽快である。
今回は4人乗車ということもあり、より乗り心地がいい。上から押さえられているので、さらにしっとりとした感じなのだろう。トランクにはカメラマンの重装備も満載。荷物を積んだときこそ発揮できるポテンシャルをもつのは、スバル車らしい。
アイサイトもあらためて試してみた。逆バンクのカーブは難しいが、緩やかな部分はそれなりに追従する。センターレーンキープ機能も搭載しているが、首都高速の直線や車線の幅で大きなアドバンテージの性能は、我々が試乗したモデルではわからなかった。首都高速のような道路でも確実なセンターキープアシストを期待したい。
以前、試乗した2.0L e-BOXERモデルは、フルロードの加速時にCVTによるエンジンノイズが気になったが、それほどフルロードをかけずに首都高速を走っているせいか、至って静かである。
川崎あたりの道路の継ぎ目も気持ちよくいなしてくれる。あらためて良いモデルと言える。
しかも、AWDのスペック的にも素晴らしい素質がある。例えば、最低地上高は200mm。マツダのCX-30と比べると、40mm余計にクリアランスがあるということだ。シティ派の顔をしながらも、実は本格的なことが分かるだろう。
ちなみに雪上での性能も、以前、思う存分走った経験上、理解できているが、このスペックで300万円を切るのだから、極めてお買い得である。
今回は4人乗車で荷物もたくさん積んだ状態の、極めて実情にかなったシチュエーションであったが、それが意外と良かった。
この押しつけがましくない電動アシストは、もう少しと思う人もいるかもしれない。しかし、このマイルドなトルクがあらゆる路面に対してリベラルなトルクを発揮し、姿勢に悪影響を残さず動力として使うことができるという考え方もある。
こういった控えめなところはスバルらしい。次のマイナーチェンジでは、さらに熟成した味わいに接するのが楽しみである。
【試乗車 諸元・スペック表】
●2.0 アドバンス 4WD
型式 | 5AA-GTE | 最小回転半径 | 5.4m |
---|---|---|---|
駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 4.47m×1.8m×1.55m |
ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.67m |
ミッション | CVT | 前トレッド/後トレッド | 1.56m/1.57m |
AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | 2.09m×1.52m×1.2m |
4WS | - | 車両重量 | 1550kg |
シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | 1825kg |
ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.2m |
マニュアルモード | ◯ | ||
標準色 |
アイスシルバー・メタリック、クリスタルブラック・シリカ、ピュアレッド、ダークブルー・パール、クォーツブルー・パール、サンシャインオレンジ、クールグレーカーキ、マグネタイトグレー・メタリック |
||
オプション色 |
クリスタルホワイト・パール、ラグーンブルー・パール |
||
掲載コメント |
- |
エンジン型式 | FB20 | 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆☆ |
---|---|---|---|
種類 | 水平方向4気筒DOHC | 使用燃料 | レギュラー |
過給器 | - | 燃料タンク容量 | 48リットル |
可変気筒装置 | - | 燃費(JC08モード) | 19.2km/L |
総排気量 | 1995cc | 燃費(WLTCモード) |
15km/L
└市街地:11.5km/L └郊外:15.5km/L └高速:16.8km/L |
燃費基準達成 | R02年度燃費基準 +10%達成車 |
||
最高出力 | 145ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
188(19.2)/4000 |
型式 | 5AA-GTE |
---|---|
駆動方式 | 4WD |
ドア数 | 5 |
ミッション | CVT |
AI-SHIFT | - |
4WS | - |
標準色 | アイスシルバー・メタリック、クリスタルブラック・シリカ、ピュアレッド、ダークブルー・パール、クォーツブルー・パール、サンシャインオレンジ、クールグレーカーキ、マグネタイトグレー・メタリック |
オプション色 | クリスタルホワイト・パール、ラグーンブルー・パール |
シート列数 | 2 |
乗車定員 | 5名 |
ミッション 位置 |
フロア |
マニュアル モード |
◯ |
最小回転半径 | 5.4m |
全長×全幅× 全高 |
4.47m×1.8m×1.55m |
ホイール ベース |
2.67m |
前トレッド/ 後トレッド |
1.56m/1.57m |
室内(全長×全幅×全高) | 2.09m×1.52m×1.2m |
車両重量 | 1550kg |
最大積載量 | -kg |
車両総重量 | 1825kg |
最低地上高 | 0.2m |
掲載用コメント | - |
エンジン型式 | FB20 |
---|---|
種類 | 水平方向4気筒DOHC |
過給器 | - |
可変気筒装置 | - |
総排気量 | 1995cc |
最高出力 | 145ps |
最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
188(19.2)/4000 |
環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆☆ |
使用燃料 | レギュラー |
燃料タンク容量 | 48リットル |
燃費(JC08モード) | 19.2km/L |
燃費(WLTCモード) | 15km/L
└市街地:11.5km/L └郊外: 15.5km/L └高速: 16.8km/L |
燃費基準達成 | R02年度燃費基準 +10%達成車 |
自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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