▲今回は、ロードスターの性能が最も問われるであろうワインディングでの試乗である ▲今回は、ロードスターの性能が最も問われるであろうワインディングでの試乗である

マツダロードスターはプロトタイプからさらに進化した

前回は市販車に限りなく近いセッティングがされたプロトタイプで市街地および高速を試乗。スポーティなエンジン特性などピュアスポーツとしての雰囲気を感じたが、今回は量産モデルでの伊豆のワインディング試乗となる。ロードスターの真価が最も問われる場所と言っていいだろう。

試乗したのは「S Leather Package」のMTとAT。プロトタイプの試乗でも書いたが、ロードスターの魅力は、ライトウェイトスポーツカーということだ。

ベースの「S」に対して「S Leather Package」はトルセン式LSDとスタビライザーが装着されており、よりハイスピードのコーナーリングワークを得意とする仕様だ。マツダの開発者に同乗してもらい、まずMTの試乗を開始。フル加速でもしっかりと接地性を示し、コーナーでは最適な舵角で切り込めばピタリと走行ラインをジャストミートできる。軽量ボディとレスポンスの良いエンジンのおかげで、シフトワークを楽しみながらのドライビングを繰り広げることができる。これがスポーツライクを向上させたロードスターだ。

続いてATに乗り換える。ATもマツダ流のアレンジが施されている。プロトタイプからの変更点はシフトプログラムのセッティングだ。ステップアップ式のATはスポーティな味付けとなっている。改良点を見極めるためグッとアクセルを踏み込むと高回転でのシフトアップのキレが増す。まるでMTのような高揚感を得られる。

そしてコーナー進入のブレーキングで、雰囲気あるブリッピング(エンジン回転数を合わせる)をしながらのシフトダウンを展開する。ATでも路面にしっかりと動力荷重を加えてコーナーを走り抜ける楽しさを得られた。ATも十分にワインディングのドライブを堪能できる1台に仕上がっている。

試乗を終えATのシフトダウンフィーリングに楽しさを感じるということを開発者に伝えると、なんとこのセッティング変更を量産車発売直前に実施したそうだ。ロードスターは妥協を許さないマツダのスポーツイズムを一層感じられる車である。

▲MTもATも本当にドライビングを楽しめる車に仕上がっている ▲MTもATも本当にドライビングを楽しめる車に仕上がっている

【SPECIFICATIONS】
■グレード:S Leather Package ■乗車定員:2名
■エンジン種類:直4DOHC ■総排気量:1496cc
■最高出力:96(131)/7000[kw(ps)/rpm]
■最大トルク:150(15.3)/4800[N・m(kg・m)/rpm]
■駆動方式:FR ■トランスミッション:6AT
■全長×全幅×全高:3915×1735×1235(mm) ■ホイールベース:2310mm
■車両重量:1060kg
■JC08モード燃費:18.6km/L
■車両本体価格:314万2800円(税込)

text/松本英雄 photo/篠原晃一、尾形和美