【試乗】新型 Honda e|軽快なハンドリングが楽しいスポーティなシティコミューター
2020/12/06

ノスタルジーを感じるが最新技術を搭載
ホンダが初めて量産型フルEVモデルを販売した。ご存じの方も多いだろう“Honda e ”である。
Honda eは、既存モデルの延長線上のデザインではなく、日本の文化と欧米のデザインをうまく融合させた雰囲気だ。例えるならば、1973年に登場した初代シビックのようなオリジナリティがある。どことなくノスタルジーを感じさせながら、最新のテクノロジーをまとっている。
試乗前に外観をチェックするため近寄って眺めると、エクステリアの質感は思った以上にいい。ボディ外板を製造する金型のつなぎ目が全くわからず、高級なドイツメーカーのような手法を採用している。
小型EVモデルだからといって、ちゃちな印象を感じない。とてもうまい作り方をしている。高いコストがかかっているのではないか、と感じるほどの雰囲気だ。

そしてインテリアは、エクステリアに劣らず質感が非常に高い。見やすさと扱いやすさに重点を置き、シンプルで飽きがきにくいデザインとなっている。
ミラーレスのサイドミラーは、カメラでとらえた映像を液晶画面に映し出している。これは、2017年にモーターショーで発表した、Urban EV Conceptと同じ最新技術だ。
ショーモデルは3ドアで、Honda eは5ドアと実用レベルは高くなっているが、デザインを見るとショーカーを忠実に再現して市販化したことがよくわかる。
そんなショーカーさながらのシティコミューターは、運転したときの雰囲気はどうなのだろうか。



スイスイと楽しいハンドリングが好印象
では試乗に移ろう。我々が試乗したモデルは、上位グレードの“アドバンス”。
ホイールのデザインや装着されるタイヤのミシュラン パイロットスポーツというチョイスからスポーティな要素がうかがえる。これは走りに期待できる。

ドアミラーレスのモデルは、視認性に違和感を覚えるのだが、Honda eは位置がいいのとカメラも良いモノを使っているせいか、奥行き感が感じ取れない以外はいい感じだ。
それではいよいよ試乗のスタートだ。アクセルを少し踏みこんでみると、飛び出すようなことはなく柔らかい発進が可能だ。
重量のあるモーターがリアに配置されているので、フロントに負担をかけず、発進もぐっと背中を押されるような、地に足の着いたトラクションを実現している。
そして静粛性がとてもいい。目の粗いアスファルトでも、ハードなタイヤを装着しているにも関わらず、サスペンションがいなしてくれる。
そして、重量物がないフロントは、しなやかに振動を収拾してくれるうえに、小回りが非常に利くのだ。
横浜元町の商店街はところどころ石畳がある。これもいい具合にいなす。そこから外人墓地方面に急な坂を上るが、3人乗車でも3L級のガソリンエンジンを搭載しているような感じだが、それよりも扱いやすく静かである。
タイトなコーナーも、スイスイとプラレールのように正確にトレースして曲がっていく。

首都高速を試してみると、料金所からの加速はノーマルモードでも必要十分。シティコミューターには似つかない高パフォーマンスである。
高速コーナーも、性能が高いシャシーによってスタビリティも高い。その非常に楽しいハンドリングは、Honda eのカワイイスタイルからは想像がつかないだろう。
このアドバンスモデルは、フル充電で260km弱(WLTCモード)の走行が可能だという。実際は、もう少し低くなることを踏まえても、このサイズでこのパフォーマンスであれば、都内と周辺のお買い物程度なら文句はない。
これほど満足度の高いシティ派のEVは、正直いって初めてだ。こんなポテンシャルの高いモデルを作るホンダは、Honda eを作り続けてくれるのかが心配になってくるほどである。
このサイズにして最高の1台を提供したといえる。今度試乗するときは、旅行気分で遠くに行ってみようと思う。そう思わせる素晴らしいコンパクトEVである。
【試乗車 諸元・スペック表】
●アドバンス
型式 | ZAA-ZC7 | 最小回転半径 | 4.3m |
---|---|---|---|
駆動方式 | RR | 全長×全幅×全高 | 3.9m×1.75m×1.51m |
ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.53m |
ミッション | その他AT | 前トレッド/後トレッド | 1.51m/1.51m |
AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | 1.85m×1.39m×1.12m |
4WS | - | 車両重量 | 1540kg |
シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
乗車定員 | 4名 | 車両総重量 | -kg |
ミッション位置 | 不明 | 最低地上高 | 0.15m |
マニュアルモード | - | ||
標準色 |
チャージイエロー、ルナシルバー・メタリック、モダンスティール・メタリック、クリスタルブラック・パール |
||
オプション色 |
プラチナホワイト・パール、プレミアムクリスタルブルー・メタリック、プレミアムクリスタルレッド・メタリック |
||
掲載コメント |
- |
型式 | ZAA-ZC7 |
---|---|
駆動方式 | RR |
ドア数 | 5 |
ミッション | その他AT |
AI-SHIFT | - |
4WS | - |
標準色 | チャージイエロー、ルナシルバー・メタリック、モダンスティール・メタリック、クリスタルブラック・パール |
オプション色 | プラチナホワイト・パール、プレミアムクリスタルブルー・メタリック、プレミアムクリスタルレッド・メタリック |
シート列数 | 2 |
乗車定員 | 4名 |
ミッション 位置 |
不明 |
マニュアル モード |
- |
最小回転半径 | 4.3m |
全長×全幅× 全高 |
3.9m×1.75m×1.51m |
ホイール ベース |
2.53m |
前トレッド/ 後トレッド |
1.51m/1.51m |
室内(全長×全幅×全高) | 1.85m×1.39m×1.12m |
車両重量 | 1540kg |
最大積載量 | -kg |
車両総重量 | -kg |
最低地上高 | 0.15m |
掲載用コメント | - |
エンジン型式 | MCF5 | 環境対策エンジン | - |
---|---|---|---|
種類 | 電気モーター | 使用燃料 | 電気 |
過給器 | - | 燃料タンク容量 | -リットル |
可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
総排気量 | -cc | 燃費(WLTCモード) | - |
燃費基準達成 | - | ||
最高出力 | 154ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
315(32.1)/2000 |
エンジン型式 | MCF5 |
---|---|
種類 | 電気モーター |
過給器 | - |
可変気筒装置 | - |
総排気量 | -cc |
最高出力 | 154ps |
最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
315(32.1)/2000 |
環境対策エンジン | - |
使用燃料 | 電気 |
燃料タンク容量 | -リットル |
燃費(10.15モード) | -km/L |
燃費(WLTCモード) | -km/L |
燃費基準達成 | - |

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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