ジープ チェロキー|ニューモデル試乗

個人的にジープを乗り継いできた立場から言わせてもらうと、新型チェロキーは新種のジープで、これまでの価値では測れない。なので、このスタイリングにビビッときた方が乗るべきだろう。そこはまさにイタリアンテイスト。アメリカとイタリアのコラボとなる。

イタリアンに味付けされたアメリカンスピリット

モノコックで復活したアメリカンSUV

新型チェロキーについては前々から興味を抱いていた。はじめてその姿をナマで見たのは2012年の12月だったと思う。アーバンヒルにある本社のデザインルームだった。もっともそれはまだモックアップの状態で、エクステリアデザインしか出来上がっていなかったと記憶する。

2度目のご対面は2013年春のニューヨークモーターショー。正式な市販車の発表であった。久々の“チェロキー”復活に多くのメディアが集まった。それを予感してかステージはブースではなくホールが用意された。

さて、そんな流れの中でようやくステアリングを握った。はたしてモノコックになったパッセンジャーカーベースのチェロキーはいかがなものなのか。

仕上がりはイマドキのクロスオーバー

結論から言うと、こいつはイマドキのクロスオーバーに仕上がっていた。乗り心地、ハンドリング、静粛性のどれをとっても快適である。これまでのリアにリジッドアクスルを用いたものとは別モノだ。チェロキーはKJ型ではじめてフロントサスが独立式となったが、それまでは前時代的だと言わざるを得なかった。

パワーソースは2.4L 直4、3.2L V6ともに扱いやすく、2.4Lでもプアなところはない。スロットルレスポンスもよくスムーズなドライビングを楽しめる。まぁ、言ってしまえば、その辺がパッセンジャーカー的なテイストとなる。

オフロード走行に関しては機会がなかったが、リアデフをロックできるのでかなりいけそうだ。センターデフを持たずともクリアできるだけのキャパシティを得たのは、さすがである。

エアロダイナミクスも考慮されたデザインのエクステリア。スキッドプレートなどが装備されSUVらしさも高められている

エアロダイナミクスも考慮されたデザインのエクステリア。スキッドプレートなどが装備されSUVらしさも高められている

7本縦型グリルや台形ホイールアーチといったチェロキーのキャラクターはそのままに、流れるようなデザインのフロントマスク

7本縦型グリルや台形ホイールアーチといったチェロキーのキャラクターはそのままに、流れるようなデザインのフロントマスク

異国情緒溢れる風景をイメージしたという内装色(ブラック/ブラック&ライトグレー/ブラウン&ブルー)が用意される

異国情緒溢れる風景をイメージしたという内装色(ブラック/ブラック&ライトグレー/ブラウン&ブルー)が用意される

SPECIFICATIONS

グレード Trailhawk
駆動方式 4WD
トランスミッション 9AT
全長×全幅×全高(mm) 4630×1905×1740
ホイールベース(mm) 2720
車両重量(kg) 1990
乗車定員(人) 5
エンジン種類 V6DOHC
総排気量(cc) 3238
最高出力[ps] 272/6500
最大トルク[N・m] 315/4300
車両本体価格(万円) 429.84
Tester/九島辰也 Photo/向後一宏