▲兄弟車であるジープ レネゲード(左)とフィアット 500X(右)。これまでは少なかった「中古車らしい中古車」が、やっと市場に出てきました! ▲兄弟車であるジープ レネゲード(左)とフィアット 500X(右)。これまでは少なかった「中古車らしい中古車」が、やっと市場に出てきました!

走行数十kmではなく「数千km」ぐらいの程良い物件が増加中

都会派の洒落たクロスオーバーSUVとしてここ最近大人気の兄弟車、フィアット 500Xとジープ レネゲード。「いい感じの生活」を連想させるカラフルでポップなたたずまいから、かなり気になっている人も多いのではないかと思います。

しかしどちらも昨年秋に登場したばかりの新しいモデルですから、これまでは中古車の流通量もやや少なく、あったとしても、新車とさほど大きくは価格が変わらない「走行数十km」ぐらいの登録済み未使用車が中心でした。

ところが最近になってやっと、「中古車らしい中古車」とでも呼ぶべきフィアット 500Xとジープ レネゲードが市場に多数登場するようになってきたのです。イメージとしては「走行0.5万kmで、中古車価格は新車の50万円安」みたいな感じ。そういった物件であれば、新車ではなく「あえて中古車で」狙ってみる価値は大かと思うのですが、どうでしょうか?

▲こちらが15年10月登場のフィアット 500X。写真下のジープ レネゲードとは車台などを共用する「兄弟車」の関係になります ▲こちらが15年10月登場のフィアット 500X。写真下のジープ レネゲードとは車台などを共用する「兄弟車」の関係になります
▲こちらはジープ版であるジープ レネゲード。登場は15年9月と、フィアット 500Xより1ヵ月だけ先 ▲こちらはジープ版であるジープ レネゲード。登場は15年9月と、フィアット 500Xより1ヵ月だけ先

一部に細かな違いはあるが、基本的にはデザイン優先で選んでOK

まずは簡単にですが、フィアット 500Xとジープ レネゲードという車についておさらいをしておきましょう。

フィアットとクライスラー(ジープを作っている会社)は14年に合併して「フィアット・クライスラー・オートモービルズ」という会社になっていて、500Xとレネゲードはフィアットとクライスラーが初めて共同開発した車です。プラットフォーム(車台)は両者共通で、基本となるエンジンも共通の1.4Lの直4ターボ。そしてトランスミッション(変速器)も同じ6速DCT、つまり高効率なツインクラッチ式で、駆動方式も両者FFが基本です。

ただ、レネゲードには「トレイルホーク」という4WDのグレードがあり、こちらは2.4Lの直4自然吸気エンジンを搭載しています。そしてトランスミッションも「スーパーロー」という悪路用のギアを備えた9段ATになります。

一方のフィアット 500Xにも「クロスプラス」という4WDグレードがあります。が、こちらは2.4L自然吸気ではなくFFの500Xと同じ1.4Lターボ。しかしセッティングの違いにより、同じ1.4LターボでもFFのそれよりも30psパワフルです。しかしながらトランスミッションはレネゲードの4WD仕様と同じ9段ATで、とはいえ500Xとレネゲードの4WDシステムには若干の違いがあり……ということで、このあたりだけはちょっとややこしいですね。詳しくは販売店の店頭で確認してください。

▲フィアット 500Xの場合、「クロスプラス」というグレードが4WDです。エンジンは高出力なタイプの1.4L直4ターボを搭載しています ▲フィアット 500Xの場合、「クロスプラス」というグレードが4WDです。エンジンは高出力なタイプの1.4L直4ターボを搭載しています
▲ジープ レネゲードの4WDグレードは「トレイルホーク」。こちらのエンジンは2.4L直4の自然吸気です ▲ジープ レネゲードの4WDグレードは「トレイルホーク」。こちらのエンジンは2.4L直4の自然吸気です

さて、そんな感じの兄弟車であるフィアット 500Xとジープ レネゲードですが、基本的には「デザイン的に気に入った方」を買えば、それで万事OKかとは思います。あとは「色」ですね。両モデルとも明るいボディカラーが多数用意されていて、しかもそういったカラーがとびきり似合うモデルですので、中古車といえどもボディカラー選びはある程度こだわりたいところです。お呼びじゃないかもしれませんが、筆者の好みは「500Xならパールレッド、レネゲードならオマハオレンジ」です。

FFの選択肢は相場との兼ね合いで悩むが、それも「嬉しい悩み」

グレード選択はどうでしょうか? 4WDが欲しい場合はフィアット 500Xなら「クロスプラス」の一択で、ジープ レネゲードなら「トレイルホーク」のこれまた一択です。しかし多くの人はFFで全然十分かと思いますので、その場合は、500Xならば「装備充実のポップスタープラスにするか、それともベーシックなポップスターにするか?」を選択する必要があり、レネゲードも「ファブリックシートのロンジチュードか、それともレザーシートのリミテッドにするか?」を選ばねばなりません。さらにレネゲードの場合は、デビュー当初販売されていた「オープニングエディション」というのもFFの選択肢に入ってきます。

フィアット 500XのFF仕様を狙う場合は、現時点では車両価格300万円以下の物件の大半がベーシックな「ポップスター」であり、「ポップスタープラス」はかなり希少ですので、これはもう自動的にポップスターから選ぶことになるはずです。

▲車両価格300万円以下に限定して探す場合、FFの上級グレードである「ポップスタープラス」は、現時点での流通量がかなり少なめ。それゆえ狙い目は自動的に「ポップスター」になります ▲車両価格300万円以下に限定して探す場合、FFの上級グレードである「ポップスタープラス」は、現時点での流通量がかなり少なめ。それゆえ狙い目は自動的に「ポップスター」になります
▲レネゲードのFFを狙う場合は、ベースグレードと上級グレードの間に存在する「約20万円」という価格差うをどとらえるかが問題に。先進安全装備は、たしかに上級グレードの方が充実しています ▲レネゲードのFFを狙う場合は、ベースグレードと上級グレードの間に存在する「約20万円」という価格差をどうとらえるかが問題に。先進安全装備は、たしかに上級グレードの方が充実しています

しかし同じく車両300万円以下のジープ レネゲードFF仕様では、「オープニングエディション」の数はやや少ないですが、ベーシックな「ロンジチュード」と上級グレード「リミテッド」の流通台数がほぼ拮抗しています(※10月半ば現在)。そして両者の相場は、おおむねですが20万円ほどの開きがあります。当然ですが上級グレードであるリミテッドの方が約20万円高く、この差は新車時の差額ほぼそのままです。

リミテッドに標準装備される「フロント8ウェイパワーシート」や各種の先進安全装備はたしかに魅力的ですので、このあたりをどう判断するかは難しいところでしょう。しかし最終的には「ご縁」の有無の問題になるのが中古車選びというもの。仮にリミテッドが欲しくても、ないときはないですからね。少なくとも、ベーシックなロンジチュードでも必要十分以上のモノは標準装備されていますので、「ご縁があったロンジチュードをお手頃価格で買う」というのも全然アリかと存じます。

いろいろとややこしいことを書きましたが、これらはすべて「嬉しい悩み」です。ぜひウンウン悩みながら、ポップでステキなフィアット 500Xまたはジープ レネゲードのお手頃中古車を探してみてください。きっと、ステキな毎日がそこから始まるはずです。

▲「先輩」であるフィアット 500とほぼ共通するデザインテイストとなる500Xのインパネまわり ▲「先輩」であるフィアット 500とほぼ共通するデザインテイストとなる500Xのインパネまわり
▲こちらはジープ レネゲードの運転席付近。こちらもポップでステキなデザインですね ▲こちらはジープ レネゲードの運転席付近。こちらもポップでステキなデザインですね
text/編集部
photo/フィアット・クライスラー・オートモービルズ