【試乗】ボルボ 新型V60|ステーションワゴンといえばボルボだった。MHEV化したV60 R-デザインで原点回帰!
カテゴリー: ボルボの試乗レポート
タグ: ボルボ / V60 / EDGEが効いている / c!
2020/12/10
▲ボルボはV60の装備を一部変更するとともにパワートレインを一新し、48Vハイブリッドシステムを搭載したグレード「B5」と「B4」をラインナップ。さらに専用装備とスポーツサスペンションを備えたR-デザインをカタログモデルとして新設定したV60で初お目見えしたR-デザインの48Vマイルドハイブリッド
普段乗りの車として地味に素敵ジャンルだが、真剣に探すと国産車では辛うじてマツダ6とスバル レヴォーグの2台のみ。欧州車の牙城と化しているがゆえ、輸入車ツウのチョイスといえるのが、Dセグのステーションワゴンだ。
似た価格帯でコスパ的に広々感やトレンド感で優るSUVに、すっかり食われているジャンルでもあるが、プレミアムブランドがこぞって大事に作り込む、伝統のセグメントでもある。
ここ1ヵ月ほどでたまたま、アウディ A4アバント、BMW 318i ツーリングと立て続けに乗ったが、同じ直4の2Lターボでいちばん尖った印象だったのは、意外にもボルボ V60 B5 R-デザインだった。
そもそもV60のR-デザイン自体が日本市場では久しぶりで、フェイスリフト済みに切り替わる2021年モデルから満を持して導入されたのだ。
パワーユニットは、48Vマイルドハイブリッド(以下、MHEV)搭載のスタンダードたる「B5」。この250ps・350N・mに加え、発進や加速時にISGM(一体型スターター・ジェネレーター・モーター)の13.5ps強と40N・mが下支えする、そんなMHEVで、気筒休止機構も備わる。
B5自体は、今夏より他モデルにも採用されていたが、R-デザイン専用のスポーツシャシーとの組み合わせはV60で初お目見えだ。
▲R-デザインは専用装備となるフロントグリルやグロッシーブラック・トリムでアクセントを与えた前後バンパーを採用して差別化を図ったモデル。スポーツサスペンションも専用品で、足元にも18インチのアルミホイールを履く
▲ボディサイズは全長4760mm、全幅1850mm、全高1435mm。ホイールベースは2870mm。ステーションワゴン特有の伸びやかなプロポーションが魅力で、実用性を特徴とするSUVと比較して美しさが際立つフォルムとなっている
▲大きく張り出した緊張感のあるリアフェンダーが走りの良さを予感させる。フロントからリアエンドに向かうシャープなショルダーラインが印象的で、視認性の高いテールライトの造形も特徴のひとつそれにしてもV60 B5 R-デザインの佇まいだが、伸びやかなプロポーションと適度に角張ったボリューム感に、ロー&ワイドぶりが絶妙。SUVだらけの今、地をはうようなアンダーステイトメントぶりが逆に光る。
インスクリプションの柔らか&ふんわり感とは対照的な、締まった雰囲気の内装に身を沈める。シートのサイドサポートやステアリング、シフトノブは本革レザーで、シート地自体はメッシュ状のファブリック、あと加飾に打ち目模様のアルミパネルが用いられている。
ゼロ発進から微低速域で、電気モーターがグイグイ引っ張ってくれる感触は、他のB5搭載モデルにも通底する。だがスポーツサスに19インチホイール履きで、乗り心地が低速でも穏やかなことに驚かされた。
ワインディングで速度を上げても、しなやかなフラットライドは一貫している。クイックすぎないが正確なハンドリング性能も相まって、2870mmのロングホイールベースと1760kgの車重に見合わないほど軽快。
この動的質感を演出しているのが、電気モーターによるリニアなレスポンスと、ICE側のよどみない伸び、8速ATの絶妙なマッチアップ。ルーフが長く重いワゴンでありながら、適度にロールを抑えて踏んでいける足とシャシーに仕上がっている。
唯一の難は、FFという駆動方式ゆえ(試乗した日は雨だったのだが)コーナーの出口で時折、加速中にトラクションの抜けが感じられたこと。すぐに駆動を適切化するので、狙ったラインから膨らむことはほぼないが、そこはAWDに一歩譲る。とはいえAWDにはない、軽さとキレよさが味わえるのも事実だ。
考えてみれば1990年代までボルボは、積載の実用性とスポーツ性がこの上なくバランスしたステーションワゴンで名をはせていたのだ。
往年のファンをもMHEVに誘う、コンテンツ力の分厚さというべき乗り味、それがボルボ V60 B5 R-デザインを選ぶ楽しみのひとつ。必要なオプションは最初から込みで、624万円という価格もフェアだと思う。
▲ボルボの代名詞でもあるスカンジナビアンデザインを採用したインテリア。インパネ中央には、9インチのタッチスクリーン式センターディスプレイを備え、車両設定を画面上の操作で行える
▲スポーツシートにはR-デザイン専用となるオープングリッドテキスタイルのファインナッパレザー・コンビネーションを採用。スポーティな仕上がりとしている
▲B5が搭載するパワーユニットは48Vハイブリッドシステムを備えた2Lの直4ターボエンジン。最高出力250ps、最大トルク350N・mを発生する。WLTCモードの燃費は12.8km/Lとなる。【試乗車 諸元・スペック表】
●B5 Rデザイン
| 型式 | 5AA-ZB420TM | 最小回転半径 | 5.7m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | FF | 全長×全幅×全高 | 4.76m×1.85m×1.44m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.87m |
| ミッション | 8AT | 前トレッド/後トレッド | 1.6m/1.6m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1760kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | 2035kg |
| ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.15m |
| マニュアルモード | ◯ | ||
| 標準色 |
オニキスブラックメタリック |
||
| オプション色 |
クリスタルホワイトパール、ブライトシルバーメタリック、デニムブルーメタリック、オスミウムグレーメタリック、フュージョンレッドメタリック |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| 型式 | 5AA-ZB420TM |
|---|---|
| 駆動方式 | FF |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | 8AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | オニキスブラックメタリック |
| オプション色 | クリスタルホワイトパール、ブライトシルバーメタリック、デニムブルーメタリック、オスミウムグレーメタリック、フュージョンレッドメタリック |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
フロア |
| マニュアル モード |
◯ |
| 最小回転半径 | 5.7m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.76m×1.85m×1.44m |
| ホイール ベース |
2.87m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.6m/1.6m |
| 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 車両重量 | 1760kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | 2035kg |
| 最低地上高 | 0.15m |
| 掲載用コメント | - |
| エンジン型式 | B420T2 | 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆☆ |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
| 過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 60リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 総排気量 | 1968cc | 燃費(WLTCモード) |
12.8km/L
└市街地:8.9km/L └郊外:13.4km/L └高速:15.3km/L |
| 燃費基準達成 | H27年度燃費基準 達成車 |
||
| 最高出力 | 250ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
350(35.7)/4800 |
| エンジン型式 | B420T2 |
|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC |
| 過給器 | ターボ |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 1968cc |
| 最高出力 | 250ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
350(35.7)/4800 |
| 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆☆ |
| 使用燃料 | ハイオク |
| 燃料タンク容量 | 60リットル |
| 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 燃費(WLTCモード) | 12.8km/L
└市街地:8.9km/L └郊外: 13.4km/L └高速: 15.3km/L |
| 燃費基準達成 | H27年度燃費基準 達成車 |
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