BMW M550i▲【BMW M550i xDrive Ultimate Edition|写真=清水健吾】日本市場未導入のM550i xDriveは、BMW M社が手がけたV型8気筒DOHCエンジンを積む5シリーズ初のMパフォーマンスモデル。5シリーズならではの上質さに、最高出力531psを発生する強力なエンジンを組み合わせたモデルになっている

Mともひと味違う。
Mパフォーマンスの5シリーズという我儘

「BMW5シリーズのスポーツモデルが欲しいけれど、M5だとちょっと過激すぎるし、540iだと性能的にちょっと物足りない」

そんなお悩みをもつあなたにピッタリなのがM550i xDriveだ。

M550i xDriveはモデル名のアタマにMがついているけれど、その後に続く数字が3ケタの場合はよく知られた“M”ではなく、“Mパフォーマンス”の仲間であることを意味する。

ちなみにMパフォーマンスとはMと通常のBMWの中間(か、ややM寄り)の性能を有するスポーツモデルで、5シリーズの場合、エンジンの最高出力で比べるとM5=600ps、M550i=531ps、540i=450psとなる。

価格も同様で、M5=1782万円、M550i=1319万円、540i=1104万円の順。つまり、性能的にはM5に限りなく近いけれど、値段はM5と540iの中間(か、やや540i寄り)という、ある意味でコスパの高いモデルでもあるのだ。

もうひとつの特徴といえるのが、サーキット走行を視野に入れたMに対して、Mパフォーマンスは同じスポーツモデルとはいえ、あくまでも一般公道での走行を中心に据えた設定になっている点。

だから乗り心地やエンジン音などもMほど過激ではなく、ワインディングロードを思いっきり攻められるのに市街地では優れた快適性が味わえる。

これこそ「M5だとちょっと過激すぎるし、540iだと性能的にちょっと物足りない」と考えるアナタにぴったりなBMWではないだろうか?
 

BMW M550i▲ボディサイズは全長4962mm、全幅1868mm、全高1467mm、ホイールベースは2975mm。特別装備として夜間の視認性を高めるBMWレーザー・ライトや他グレードではオプションの20インチのMライト・アロイ・ホイールを備える
BMW M550i▲右テールライトの近くにMパフォーマンスモデルの証しである「M550i」のバッジを備える。それ以外はジェントルな雰囲気でとても531psもの獰猛なエンジンを積んでいるようには思えない
BMW M550i▲12.3インチのメーター、10.25インチのワイドディスプレイを標準で装備したインテリア。Mパフォーマンスモデルでも他の5シリーズと同様にラグジュアリーな仕立てになっている
BMW M550i▲試乗車の内装はBMW Individual フル・レザー・メリノのオプションを装着。シートやドアトリムなどのカラーは、スモークホワイト/ブラック

実際にM550i xDriveを街中で走らせてみたところ、その乗り心地のよさにビックリした。

スポーツモデルにありがちなタイヤからのゴツゴツ感が皆無で、サスペンションが滑らかに上下する様は、現行型になって快適性が大幅に向上した540iに匹敵するほど。

しかも、エンジン音もごく低く抑えられていて、まるでラグジュアリーセダンに乗っているかのような心地よさを味わえるのだ。

そんなわけで、「いくらMパフォーマンスといっても、これはちょっとソフトすぎるんじゃない?」と心配になったのだけれど、よくよく見てみれば、センターコンソール上のスイッチで切り替えられるドライビング・パフォーマンス・コントロールがコンフォート・モードになっていることに気づいた。

そこで、何気なくこれをスポーツ・モードに切り替えてみたところ、車の性格が180度変わって度肝を抜かれた。

アクセル操作に対する反応がさらに鋭くなって、まるでライトウェイトスポーツカーを操っているかのような軽快感が味わえるようになったのだ。

ハンドリングも同様で、ステアリングを切り込んだときにほとんどロールせず、まさに瞬時に車の向きが変わるところはスポーツカーそのもの。

かといって、スパルタンなスポーツカーのような危うさの漂う機敏さではなく、リアタイヤがしっかりとグリップした安定感ある軽快さ、コーナリングの素早さを示してくれるのである。

この種のドライビングモード切り替えは、せっかく付いていても実際の変化幅が小さくて、その恩恵をあまり感じられることが多いのだけれど、M550i xDriveは例外。

つまり、スイッチひとつでM5にも540iにも切り替わるジキル博士とハイド氏のような二面性こそ、M550i xDriveの最大の魅力と言っていいだろう。

BMW M550i▲BMW M社が手がけたパワフルなV型8気筒ツインターボエンジン。最高出力531psもすごいが、最大トルクはわずか1800rpmで750N・mを発生させる。0→100km/h加速は4.0秒を達成する
BMW M550i▲ATシフトレバーの横にあるスイッチで走行モードを変更する。「スポーツ」「コンフォート」「ECO PRO」があり、コンフォートとスポーツではそのフィーリングが大きく変わる
文/大谷達也、写真/清水健吾、茂呂幸正
 

【試乗車 諸元・スペック表】
●M550i xドライブ アルティメット エディション

型式 - 最小回転半径 5.8m
駆動方式 4WD 全長×全幅×全高 4.962m×1.868m×1.467m
ドア数 5 ホイールベース 2.975m
ミッション 8AT 前トレッド/後トレッド -m/-m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
4WS - 車両重量 1810kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 2460kg
ミッション位置 フロア 最低地上高 -m
マニュアルモード    
標準色

アルピン・ホワイトIII

オプション色

メディテラニアン・ブルーメタリック ブラック・サファイアメタリック ソフィストグレーブリリアントエフェクト ブルーストーンメタリック ロードナイト・シルバーメタリック ブリリアント・ホワイトメタリック フローズン・カシミヤ・シルバーメタリック シャンパン・クオーツメタリック フローズン・ブリリアント・ホワイトM フローズン・ダーク・ブラウンメタリック アルマンディン・ブラウンメタリック ピュア・メタル・シルバーメタリック フローズンアークティックグレーメタリック アズライト・ブラックメタリック

掲載コメント

※国内限定55台
※諸元・装備情報は一部本国仕様の情報を掲載しております

型式 -
駆動方式 4WD
ドア数 5
ミッション 8AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 アルピン・ホワイトIII
オプション色 メディテラニアン・ブルーメタリック ブラック・サファイアメタリック ソフィストグレーブリリアントエフェクト ブルーストーンメタリック ロードナイト・シルバーメタリック ブリリアント・ホワイトメタリック フローズン・カシミヤ・シルバーメタリック シャンパン・クオーツメタリック フローズン・ブリリアント・ホワイトM フローズン・ダーク・ブラウンメタリック アルマンディン・ブラウンメタリック ピュア・メタル・シルバーメタリック フローズンアークティックグレーメタリック アズライト・ブラックメタリック
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
フロア
マニュアル
モード
最小回転半径 5.8m
全長×全幅×
全高
4.962m×1.868m×1.467m
ホイール
ベース
2.975m
前トレッド/
後トレッド
-m/-m
室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
車両重量 1810kg
最大積載量 -kg
車両総重量 2460kg
最低地上高 -m
掲載用コメント ※国内限定55台
※諸元・装備情報は一部本国仕様の情報を掲載しております
エンジン型式 - 環境対策エンジン -
種類 V型8気筒DOHC 使用燃料 ハイオク
過給器 ターボ 燃料タンク容量 68リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 4395cc 燃費(WLTCモード) -km/L
└市街地:-km/L
└郊外:-km/L
└高速:-km/L
燃費基準達成
最高出力 531ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
750(76.5)/4600
エンジン型式 -
種類 V型8気筒DOHC
過給器 ターボ
可変気筒装置 -
総排気量 4395cc
最高出力 531ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
750(76.5)/4600
環境対策エンジン -
使用燃料 ハイオク
燃料タンク容量 68リットル
燃費(JC08モード) -km/L
燃費(WLTCモード) -km/L
燃費基準達成 -