総額100万円以下で十分狙える! マツダ CX-7は、スポーツカーを降りた人でもエキサイティングな走りを楽しめるSUVだ!
2020/04/22
マツダの「セブン」はロータリーだけじゃない!
マツダといえば、「ZOOM-ZOOM」や「Be a driver.」のキャッチコピーでも知られるとおり、走りのイメージの強いメーカーでしょう。
特に世界で唯一、マツダが市販量産化したロータリーエンジンを搭載したRX-7は、ラインナップから消滅した今でもなお、イメージリーダー的な存在となっています。
しかし、RX-7以外にもマツダには「7」を冠する車種がありました。それが今回ご紹介する「CX-7」です。
CX-7は北米市場を主戦場として開発され、2006年末からは日本でも販売がスタートしたクロスオーバーSUVで、その源流は2005年のデトロイトモーターショーで初披露された「MXクロスポルト」というコンセプトカーでした。
ロードスターやプレッソの輸出名に使われ、2019年の東京モーターショーにも展示されたMX-30など、スポーツスペシャリティカーや、既存の概念を打破するチャレンジングなモデルに冠されている「MX」の名前が付けられた同車は、“スポーツカーとSUVをクロスオーバーさせる“という画期的なモデルだったのです。
エクステリアは同時期に存在していたロータリーエンジン搭載の4ドアセダン、RX-8にも似たボディをSUVのシャシーに載せたようなスポーティなもの。
そして全高は、このクラスのクロスオーバーSUVとしては異例の低さとも言える1645mm。
インテリアも黒を基調としたスポーティな雰囲気で、フロントシートはバケット形状でホールド性も十分。メーターもゼロの位置が真下にくるスポーツカーライクなもので、SUV的な土くささは全く感じません。
マツダスピードアテンザ&アクセラにも搭載されたターボエンジンを搭載
スポーツカーとのクロスオーバーモデルという点を最もアピールしているのは、やはりその心臓部。
さすがにロータリーエンジンとはいきませんでしたが、全グレードでアテンザやアクセラのスポーツグレードである「マツダスピード」に搭載されたものと同型式の直列4気筒2.3L直噴ターボエンジンを搭載。
当時のプレスリリースには「エキサイティングなドライビングを実現」との記載があり、SUVの説明とは思えませんでした。
組み合わされるミッションは、フラットな走りに適したCVTではなくダイレクトにパワーが伝わる6速ATで、積極的に変速してスポーティな走りをしたくなる仕様でした。
家族のためにスポーツカーを降りることになったユーザーでも、楽しめること請け合いです!
駆動方式は前輪駆動と四輪駆動が用意され、悪路走行をしないのであれば2WDで十分と言いたいところですが……。
実はCX-7に搭載される電子制御アクティブトルクコントロールカップリング4WDは、オンロードでのスタビリティを重視したもので、前輪が滑ってから後輪に駆動が伝わるのではなく、走り方に応じてあらかじめ後輪にもトルクを配分するタイプとなっています。
つまり、雪道などの滑りやすい路面だけでななく、高速時のレーンチェンジやコーナリング時にも操縦安定性が高まるため、これまたスポーティな走りが可能な仕様なのです。
ゆえに、CX-7の本領を発揮したいのであれば迷わず4WDということになります。
ちなみに同様の4WDシステムはマツダスピードアテンザにも採用されている、と言えば少しはその狙いが見えてくるのではないでしょうか?
CX-7を狙うならどのグレードがオススメ?
数あるクロスオーバーSUVの中でも、スポーツカーとのクロスオーバーという稀有な存在のCX-7。2006年12月にデビューし、2009年9月にマイナーチェンジ、2012年1月に生産を終了しています。
元々メイン市場は北米ということもあり、当初から月販販売目標は380台と少なめだったため、中古車は執筆時点(2020年4月16日)で29台と年式を考えるとまあまあな希少車種となっています。
とはいえ、ほとんどの個体が100万円以下で最高値は110万円台と、人気の高い同年代のクロスオーバーSUVと比較してもお手頃と言えるでしょう。
デビュー当時は、マツダのフラッグシップSUVということもあり、全グレードでHDDナビゲーションが標準装備でした。
当時はありがたい装備でしたが、地図データのバージョンアップも終わってしまった現在では困りもの。
市販のナビに交換するのも一筋縄ではいかないので、最近のナビを装着したいと考えているのであれば、オーディオレスが標準となった2009年9月以降の後期型がオススメです。
グレードはベースグレードと上級グレードの「Cruising Package(クルージングパッケージ)」の2グレードが用意されていました。
クルージングパッケージを選択すると高級装備の電動本革シートが標準となる他、当時としては先進的な前車追従式クルーズコントロールや衝突被害軽減ブレーキが装着されるのは大きなアドバンテージと言えるでしょう。
ということで、個人的なオススメは後期型のクルージングパッケージの4WDという形になりますが、その条件で検索すると執筆時点での掲載台数は1台のみ。
とはいえ、現状では相場が上がっている気配もないので、予算100万円程度で希望の個体に巡り合える日は、そう遠くはないのではないかと思います。(この記事によって相場が上がったらゴメンナサイ……)。
▼検索条件
マツダ CX-7(初代)×全国自動車ライター
小鮒康一(フナタン)
スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。
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