▲1993年10月に登場した2代目レガシィセダン。ツーリングワゴンばかりが注目され、その影に隠れてしまい目立つことのなかった悲運のモデルだ ▲1993年10月に登場した2代目レガシィセダン。ツーリングワゴンばかりが注目され、その影に隠れてしまい目立つことのなかった悲運のモデルだ

5ナンバーサイズを維持したことで高評価を得た

当たり前のことだが、経過年数とともに残存価値が見込まれにくい車はどんどん廃車処分されていく。それがかつてどんなに売れたとしても。

そんな典型例が1993年に登場した、スバル レガシィセダン(2代目)かもしれない。デビュー直前、ステーションワゴンモデルである「ツーリングワゴンGT」が平均速度249.981km/hを叩き出し“世界最速ワゴン”記録を樹立している。

そんなことも手伝って、スポーティなイメージがレガシィにはつきまとう。しかし、開発テーマの継承・熟成」は実直というか……、いささか保守的だった。まぁ、初代が成功を収めたゆえの選択だったのだろう。

▲1993年に世界最速ワゴンの記録を樹立したレガシィツーリングワゴンGT ▲1993年に世界最速ワゴンの記録を樹立したレガシィツーリングワゴンGT

面白いもので、車はフルモデルチェンジを経るごとに、より高級に、よりパワフルに、より大きくなりがちだ。レガシィセダンでもボディサイズは多少大きくなったが、初代同様5ナンバーサイズに収まる程度に抑えられている。

そして、エンジンの出力向上もされているが、2L以下という5ナンバーの条件を満たしていた。これはレガシィを購買する層の需要に誠実に応えたもので、バブル崩壊後の不況の中でも売れ行きは好調だった。

ちなみに2代目レガシィの内外装デザインは、日本の自動車メーカーとしては初めての外国人チーフデザイナー、オリビエ・ブーレイが手がけたもの。ブーレイといえば、メルセデス・ベンツの初代Cクラス、マイバッハ 57・62などを手がけたことでも有名だ。

そんな人物が手がけた車で中古車流通台数もほんの数台とくれば、それだけで将来的に価値が見いだされるのではなかろうか?

1996年にはマイナーチェンジが施され、上級グレードには日本車として初めてビルシュタイン製倒立式ダンパーが採用された。また、最上級グレードのMTモデルは日本車としては初めて2Lエンジンで最高出力280psに達した。

▲今となってはノスタルジックな雰囲気さえ漂うインテリア。上級グレードには、momo製ステアリングが装着される(写真はRS) ▲今となってはノスタルジックな雰囲気さえ漂うインテリア。上級グレードには、momo製ステアリングが装着される(写真はRS)
▲セミバケット仕様のシートから、スポーティな走りを意識していることがうかがえる(写真はRS) ▲セミバケット仕様のシートから、スポーティな走りを意識していることがうかがえる(写真はRS)

かつてはカーセンサーnetにたくさん掲載されていたものだが、今となっては片手で数えるほどしかない。海外で第二の人生を歩んでいるのか、廃車処分されてしまったのか定かではないが、とにかくもうレアな存在であることには違いない。

振り返ってみれば25年も前にデビューしたモデルゆえに、ノスタルジックな気分にも浸らせてくれるだろう。少しでも気になった方は、掲載物件をチェックしてみてほしい。

text/古賀貴司(自動車王国)
photo/SUBARU

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スバル レガシィセダン(2代目)