Q.排気音がうるさすぎます!事前の説明義務はないんですか?

実車を見に行ったときにエンジンをかけることができなかったのですが、あまり市場に出回ることのない希少車だったので購入を決めました。しかし、納車時にその音にびっくり。排気音がとてつもなく大きいのです。うちは閑静な住宅地なので、近所から苦情が出かねません。契約の解除を求めても販売店は「車検は通っている」の一点張り。どうにかなりませんか?

A.音に関しては自分で責任をもって確認をしましょう

結論から言いますと、車検に通っているのならば契約の解除やマフラーの交換は難しいでしょう。排気音やエンジン音が大きい場合は、常識的には販売店から購入者に説明があって然るべきだとは思いますが、それが法律上の「不実告知」などに当たるかといわれると難しいところです。

もし購入者が「排気音やエンジン音はうるさくないですか?」と店員に尋ねて「うるさくないですよ」との答えをもらっていたとしても、音の大きさは個人によって受け取り方が違うので、それを根拠に契約の解除などを求めるのは厳しいと思います。

どう考えても車検に通るわけがないほどの音の大きさの場合は、音量測定計はレンタルすることもできるので、一度音量を測ってみましょう。

車検では車の大きさやエンジンの搭載位置などによって排気騒音が規定されています。もしその規定以上の音が出ている場合は、車検対応マフラーでも破損などによって音が大きくなっている可能性があります。

また、東京都の「騒音に係わる環境基準」では地区や時間によって40~65dBの基準が定められています。この数値を超える場合は、数字を理由に販売店との交渉を有利に進めることも考えられます。

音や臭いなど、個人によって感じ方が違うものは、トラブルの要因になりがちです。必ず事前に確認をして、違和感を感じる場合は交換などの相談をしておいたほうがいいでしょう。

第57回:購入後に排気音が大きすぎることが発覚!契約の解除は?|渋滞ができる法律相談所
illustration/もりいくすお

■ワンポイント法律用語■

不実告知(ふじつこくち)
消費者契約法では、勧誘に際して目的物の質などの重要事項に関し、事業者が事実と異なることを告げた場合には、誤認した消費者は申し込みを取り消すことができる