Q. 購入した中古車を “痛車”にしたら、友人から「著作権とか大丈夫なの?」とひと言。“痛車”の著作権ってどうなっているの?

安い価格で中古車を購入して“痛車”に改造したところ、友人から「著作権とか大丈夫なの?」と言われました。“痛車”の著作権ってどうなっているか教えてください。

A. 厳密に言えば、著作権者の許可を得たステッカー以外は違法にあたる可能性が高いでしょう

“痛車”とは主にアニメやゲームのキャラクターなどのステッカーを車に貼ったりしている車ですが、これらのキャラクターには基本的に著作権が発生しています。ステッカーが購入したものであれば販売業者が著作権者の許諾を取っているはずなので、問題はありません。しかし、もしも許諾を取っていない場合は、販売業者は著作権法違反に問われますし、購入者もそのままステッカーを使用することはできません。

それでは、個人でステッカーを作成した場合はどうなのでしょうか? 個人での作成ならば趣味とも言えなくはありません。また、私的利用にとどまる限りは、『私的使用のための複製』と見なされるので複製も合法とされています。

しかし、車は公道を走るので、第三者の目にさらされます。この場合も、厳密に言えば著作権法違反に問われる可能性は高いでしょう。著作権を侵害した場合は、著作権者から損害賠償請求や不当利得返還請求、差し止め請求をされたり、また著作権者からの親告があれば刑事罰として裁かれることもあります。

“痛車”を楽しみたい場合はステッカー販売業者が著作権者の許諾を取っているかどうかを確認、自分で作成した場合は著作権者に許諾を取っておいたほうが安心です。ただ、ニコニコ動画などで人気のボーカロイドキャラクター『初音ミク』のように、非営利目的で公序良俗に反しない限り使用を認めるというケースも存在します。

ここがポイント!

痛車用のステッカーを購入するときには、著作権者の許諾が取れているかを確認。自分で作成したものでも第三者の目に触れる場合は私的複製には当たらない

■使える法律用語■

著作権法
「知的財産権」と呼ばれる権利のひとつで、著作物の公正な利用と著作者の保護との調和を図るために設定された法律。著作物は「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう」(著作権法第2条1項)と定義されている