Q. 車を取りに行かずにいたら保管料を払ってくれと言われました。払わなきゃダメですか?

購入した車の納車準備が完了したが、忙しくてなかなか取りに行けなかったところ、保管料を請求された。払う必要はある?

A. 販売店が、納期を過ぎて保管することにより損害が認められる場合は、周囲の駐車場料金の相場にあわせて、保管料相当の損害金の支払い義務が発生する場合もある

“代金を支払っているから、商品を受け取ろうが受け取るまいが、購入者の自由”と考えていたら大間違いです。民法413条には「受領遅滞」という条文があり、購入者(債権者)が受領を拒むか、受領できない場合は、その責任は購入者(債権者)にあると明記してあります。今回のケースでは、販売店周辺の有料駐車場の料金に準じて、保管料を支払わなければいけない可能性があるでしょう。

損害として認められる金額は、保管料相当額が限度です。保管料の算定は周囲の有料駐車場の料金に準じて算定されます。仮に、車を保管していたことで駐車場の空きがなくなり、オークションで車を仕入れることができなかったという理由で販売店から高額な「逸失利益」を請求される可能性もありますが、そこまでの損害は認められません。

なぜならば、オークションで車を仕入れられないことによる「逸失利益」が高額になる場合、販売店は保管している車を周囲の有料駐車場に移動させてでも、オークションの車を仕入れたほうが合理的だからです。

ここがポイント!

納車日に車を取りに行かないのは、有料駐車場に置きっぱなしにする行為と同じ。どうしても取りに行けないときは、販売店に相談するように。

■使える法律用語■

逸失利益(いっしつりえき)
その事象が生じなければ、未来において当然得られたであるにもかかわらず、不法行為や債務不履行などで得ることができなかった利益。「得べかりし利益」とも呼ばれる